goo blog サービス終了のお知らせ 

俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「キック・アス」  KICK-ASS

2011年01月09日 17時57分02秒 | 時系列でご覧ください

この年末年始は何かと忙しくて全く映画が観れなかったのだけど、ようやく時間が取れた昨日『香林坊109 シネモンド』へと出かけ、「キック・アス」と「マチェーテ」という支配人の上野くんならではチョイスの2本を立て続けに鑑賞し、めちゃめちゃ満足。

ということで、まずは「ウォンテッド」の原作者マーク・ミラーのアイデアを基に、同名コミックの執筆と同時進行で製作されたハードバイオレンス・アクション・コメディで、先に公開されたアメリカ、イギリスでは、あどけない少女による殺戮シーンをはじめ妥協のない過激なバイオレンス演出が物議を醸す一方、多くの映画ファンからは熱狂的な支持を集めるなど賛否両論渦巻く問題作として大きな注目を集めた「キック・アス」から。


結論から言ってしまうといやはや大変楽しゅうございました。
空を飛んだり、早く走ったり、透視能力を持ったり、はたまた地から強いパワーがあったりといったサイキックな能力も、あるいはどこかの誰かのように莫大な財産も何もない、ないない尽くしの典型的なティーンネイジャーである普通の男の子がヒーローを標榜するという等身大ヒーローの誕生物語として、リアルな出来事の中に You Tube や Facebook といった今どきのネットによるヒーロー発見的要素をも絡めて展開していくところなんぞ、なかなか的を得ているなと思ったし、それなりに楽しめたりもした。


しかしそれよりも何よりもなんたって今回の注目は悲しい過去を背負い、復讐に燃えるニコラス・ケージ扮する遠目から見るとバッドマン仕様のビッグ・ダディと、パープルの髪でその名もヒットガールなる娘という、コスプレ親子の存在感のあること、あること。


まだ幼さの残る娘に銃撃から受ける衝撃を実際に体感させたり、銃器やナイフの扱いを事細かに実践的に教えたりして、一人のヒットマシーンとして育て上げるビッグ・ダディ。
そんな彼が見せる普段の何とも柔和な表情が逆に怖かったりもしたのだけど、とにかくコミック大好き親爺であるというニコラス・ケージの嬉々とした演技も見所のひとつ。


そしてそしてさらに見応えのあるのは、父親を殺されたあと東映やくざ映画よろしく敵のアジトに単身殴りこむヒット・ガールの格好ええこと!
エンニオ・モリコーネによる「夕陽のガンマン」のテーマ曲が流れる中、女子高生風な出で立ちで登場し難なく入り口を突破したあと、本来のコスチュームで階上へ立ち向かい、完膚なきまでにバッタ、バッタと敵を見事な銃捌きとナイフ使いでなぎ倒していくときの(残酷描写云々を超えた)見事なアクションシーンに思わずカタルシスを感じてしまったのであります。


思えば、このヒット・ガールを演じているのは『(500)日のサマー』で主人公に恋愛のアドバイスしていたこまっしゃれた姪っこ役だったクロエ・グレース・モレッツで、その天真爛漫なキュートさとシニカルな面とを併せ持った演技は本当にお見事で、スウェーデンの傑作ホラー「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッド・リメイクである『 LET ME IN 』でもあのヴァンパイア役を演じると知って、こちらも大いに期待したくなったのであります。


加えて、かつて『スパイダーマン』で語られた「大いなる力には、大いなる責任が伴う ( With great power comes great responsibility.)」というあの有名な言葉に対して、「じゃあ、力のない自分には責任は伴わないのか?( Does that mean with no power, comes no responsibility? )」という、市井の人間であるキック・アスが持つ覚悟と勇気が根底に流れているところも、単なるお馬鹿アクションコメディに留まっていない見所のひとつだったりして、とにかくちゃんとした面白さてんこ盛りの快作であります。
多少の好き嫌いはあるかもしれませんが、機会があれば是非!
個人的にはかなりオススメであります。



今日の1曲 “ We Are Young ” :  MIKA, RedOne

映画のエンディングに流れるのがこの曲。
「僕らは若くて強くて自分の居場所など気にしない」と言いつつ、「僕らはカッコ悪くてヒザから血を流しながら走り続け」でも「世界をより良く変えることが出来、そのチャンスを待っている」と歌う前向きな歌詞からも、この映画のメッセージが伝わってくるのであります。




最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
サイコー!! (すとん)
2011-01-10 22:26:52
キックアスがヒットガールを助けに行くクライマックスで笑い泣きしながら体中がビビビビーッと鳴って背筋が伸びてスクリーンに身を乗り出す人は信用できます。
返信する
面白かった!! (ショウタ)
2011-01-11 22:30:43
いやぁ、久しぶりにバキッときた映画でした!


○ルウェイの森を観に行った時に予告編やっててかなりググッときてたので、観れて良かったす!


予告編だけ観てた感じでわ、全国上映かと思いきやシネモンドのみの単館上映で、何故?と思ってたんですが観たら納得(笑)
バイオレンス感は言うに及ばずブラックで卑猥な感じは、こりゃ子供にゃ見せらんない!(笑)
まぁあまり詳しくは書けませんが(笑)最後見終わって感じたのは、前述の感じを拭って余りある程の良い映画だったと思いました!


お気に入りはヒットガールの最後のカチ込み(笑)の時にながれてた、あの曲(笑)
痺れました!


長々となりましたが、映画って良いなぁと思えた作品でした。


余談ですが、マチューテも気になる今日この頃です(笑)
返信する
◇すとんさんへ (nikidasu)
2011-01-12 19:56:40
そうだわな。
最後の最後に見せ場をちゃんと作って見せるところも心に響きましたッス。
暴力描写云々はさておき、この映画をちゃんと分かる人は
信用できる人であります。
返信する
◇ショウタへ (nikidasu)
2011-01-12 19:59:31
いやはや、すっかり気に入ってもらって何よりです。
ちなみに「マチューテ」はさらにとんでもない映画なので、
是非是非観てやっておくれ。
感想を楽しみにしているよん。
返信する
グラグラきてます! (OLDGEAR)
2011-01-16 23:58:25
観ている間、感激のリビドーが出っ放しでした。自分にはこんな映画はそうそうありません!!!!!っていうくらい気に入ってしまいました。

やはりヒットガールのカチコミシーンにつきますね!
安易な続編に行きそうな雰囲気ですがとにかくこの映画大好き!
しばらく他の映画を観たくないくらいグラグラきてます。という、鑑賞後に後遺症を残すのがやっぱり映画のダイゴ味っす。
返信する
◇ OLDGEAR さんへ (nikidasu)
2011-01-18 08:47:32
あ、ここにもヒットガールにやられた症候群の人を発見(笑)
ベタといえば、限りなくベタな映画なのですが、それを補って余りある
活劇映画としての面白さに満ち満ちていましたね。

ちなみ続編は当然制作されるでしょうが、それもそれはそれで楽しみです。
返信する
TB有難うございました (シムウナ)
2011-04-17 18:27:58
主人公は、キック・アスですが
いつの間にか、目線は
ヒット・ガールに釘付けに
なってしまった。
続編をちょっと期待しています。
返信する

コメントを投稿