俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「阪急電車 片道15分の奇跡」

2011年06月22日 13時20分16秒 | 時系列でご覧ください

舞台は宝塚から西宮北口までを約15分でつなぐ阪急今津線。そこで乗り合わせた乗客たちのやり切れない思いから生まれる様々な人間模様 ──。

ここには様々な事情を抱えた老若男女が登場する。

婚約者を後輩に寝取られて憤慨し、恨みを晴らそうとするOL。
交際中の男からDVを受けながら、なかなか踏ん切りのつかない女子大生。
息子のPTA仲間からの強引な誘いを断れない気弱な主婦。
大学の志望校を決めかねている社会人と交際中の女子高生。
新しく始めた大学生活に自信が持てない地方出身の男女。
そして級友からはぶられる小学生の女の子。

  

人間誰しもが持つ、ある意味人から見れば小さいかも知れないけれど本人とっては大きな悩み(=悔しさ)が、今津線沿線を走る阪急の電車内を駆け巡り、ひとつの物語として形作られているこの映画にリアリティを求めるのは野暮というものだろう。

それより一歩が踏み出せずに躊躇している人たちへちょっとした後押しで少しだけ人は軽くなれるといったファンタジーとして観ると、かなり楽しめるはず。


  

基本的にはどのエピソードにも綺麗事と言われるかも知れないけれど、それぞれ登場人物に寄り添うハートウォーミングな結末が用意されていて、これはこれで十分魅力的。
宮本信子扮するおばあちゃんは、さすがに出来過ぎ感がないこともなかったけれど、それを補って余りある中谷美紀扮する人生を仕切り直す女性の姿に大いに共感。


※オープニングの婚約者から婚約破棄の申し出を受けた時の彼女の心にグサッと突き刺さる演技が最高!
これを見るだけでも個人的には見る価値大いにアリでありました



加えていささか唐突感はあったけれど、地方出身の大学男女の思いをカタチに変えたファニーな演出にも大いに笑わせてもらった。



それにしても思えば昔々、この今津線にある仁川駅から徒歩5分のところに住んでいた関西学院(ちなみに『かんさいがくいん』ではなく『かんせいがくいん』と発音します)に通う女の子と付き合っていたことがあった者(なのですわ:苦笑)にとって、決して阪神でも近鉄でも、ましてや南海やJRでもない、関西在住の人なら誰しもわかる阪急電車の持つ独特なニュアンスが見事に伝わって来て、いろいろとグッとさせられました。ウッ、ウッ。


ということで、さわやかな後味を満喫でき、まさに愛すべき心温まる小品とでも言うべきこの作品、金沢では単館公開で、かつ上映期間も限られていると思うので、時間があれば早い目に是非! とオススメなのであります。




今日の1曲 “ ホーム ” : aiko

aiko が歌う主題歌はポニーキャニオンがせっせとネット上で削除していることもあって、残念ながら見つからなかったので、とりあえず30秒の予告編を。
と思っていたら韓国のサイトにあるのを見つけたので、興味のある人はコチラ → http://music.dougasouko.com/a-gyo/2882.htmlを。
一応フルコーラスで聴くことが出来ます。



最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
分かります… (マッツー)
2011-06-22 20:26:57
あの、あずき色の車体が醸し出す
落ち着いたというか、上品というか、
なんとも表現しにくい独特の雰囲気が…。
大阪~神戸間では、阪急と並行して走るJRや阪神電車との
乗客の違いがよく話題になりますしね…。
昔付き合っていた名古屋の名鉄沿線に住む女性が、
初めて阪急電車を見た時は、
「なんていう色なの」と、絶句しとりましたが(笑)
ちなみに僕は京都~千里線でした…。
返信する
はじめまして(^ ^) (misachi68)
2011-06-22 20:45:06
[よくばりアンテナ]のmisachiと申します。
TBありがとうございました♪( ´▽`)

『阪急電車』は原作読んでとっても気に入ってたので、
金沢で公開されるのがまちどおしかったです。

金沢の方なんですね(^ ^)
ブログ、他の記事も拝見しましたよ!
ガレタッソへお邪魔してみたいです。
ちょっと遠いですけど^^;

私も金沢在住です。今後ともよろしくです♪
返信する
はじめまして (m&m)
2011-06-23 08:37:43
情報有難うございます。
30年程前にその『かんせいがくいん』に通学していた者です。逆瀬川に住んでました。
金沢でも上映していたのですね。
気付きませんでした。
当時の同級生からは、「懐かしいから是非!」と言われてましたので、今週末にでも行こうと思います。
割りと自宅からお店が近いようなので、一度お邪魔しようかな。
返信する
こんばんは (nikidasu)
2011-06-23 19:38:09
◇マッツーさんへ
あの独特な車体の色は『阪急マルーン』と呼ぶそうですよ。

そういえば昔々(大阪万博があった頃まで?)梅田駅のホームは
京都線と千里線が確か別のフロアにあったような気がします。

あのあたり、しばらく行っていないけれど、随分変わったようですね。

>misachi68 さんへ
読んでいるうちに金沢在住の人に違いないと思い、思わずコメントも入れず、
いきなりトラックバックしてしまい失礼しました。
今後ともよろしくお願いします。

そしてもし機会があればガレタッソにも是非お寄り下さい。待ってます。

>m&m さんへ
どうもはじめまして。
関学に通ってらっしゃったんですね。
ならば、確かにいろんな思いが重なるような気がするので、
是非観に行ってみて下さい。

そしてその感想あたりを持ち寄っていただき、店に寄っていただけたらと、
勝手なことを思っています。

ともあれ、よろしくお願いします。

返信する
久し振りにお邪魔します (2nd_gess)
2011-07-09 20:06:05
この作品、単館上映だったんですか。
ストーリーを一切知らず、場所と時間が合って偶然観た作品だったのでラッキーでした。
「ゼロの焦点」の演技に圧倒された中谷美紀が出演してたので観ましたが、やはりこの作品でも輝いてましたね。

あ~昔の彼女が・・・この作品風にテロップを出すなら「彼女A 仁川駅徒歩5分」ですね(笑)
TBさせて頂きます。
返信する
◇ 2nd_gess さんへ (nikidasu)
2011-07-11 01:39:32
人間ドックの合間に見られたというのもある意味凄いですね。

ま、それはともかく基本適材適所なキャスティングがツボでした。
特にオープニングの後輩に許嫁を寝取られたテキパキOLのエピソードでの
中谷美紀のリアルな演技が大好きでした。

それにしても「彼女A 仁川駅徒歩5分」、確かにそうでした(苦笑)
返信する

コメントを投稿