サンデー×Lyphardにみる「ハイインロー」の偉大さ

2009-03-06 16:53:19 | 配合論

Lyphardという血は基本的にはCourt Martialの粘りが持ち味で、サンデーとLyphardの組み合わせも、ハーツクライ,バブルガムフェロー,ザッツザプレンティ,アサクサキングス,リトルアマポーラ,キャプテントゥーレ,チアズグレイス,シャドウゲイトと、ほとんどが先行粘り込みか好位抜け出しでG1を勝っている
あ、もちろんディープインパクトだけは超例外ですが…(^ ^;
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1993109219/

上記G1勝ち馬に共通するのが、血統表の他の部分に「ハイインロー」(HyperionとSon-in-Lawの組み合わせ)的なスタミナを持っていること。ハーツクライとキャプテントゥーレはトニービン、バブルガムフェローとザッツザプレンティはProminer、アサクサキングスとリトルアマポーラはピットカーン=ヴァリイフォージュの全兄弟などなど…
Court MartialはSon-in-LawとGainsboroughの組み合わせを持つので、そこにハイインロー血脈を絡めるとスタミナや粘りを増すような働きをすることが多い。レガシーワールドなんかは典型的なLyphard+ハイインローの粘着力で走っていたタイプだ(Lyphard+Flower Bowl+チャイナロック)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1989106837/
サンデー×Lyphardにハイインロー血脈を併せ持つことで、先行粘り強い脚質を強化できるというか、最後の叩き合いでHyperionを振り絞ることができた。だからこそ上記馬たちはG1を勝つことができた
ハーツクライを有馬記念で突然先行させて一流馬から名馬に脱皮させたルメールは、同じ方法でリトルアマポーラも覚醒させてみせた。エリ女の追い切り後には「この馬はバテないタイプだから先行したほうがいい」という凄いリップサービスまでしてくれていたのだ
とすると、ローズバド,ロサード,ローゼンクロイツの“薔薇一族”や、アドマイヤキッス,アグネスアーク,ペールギュントがG1に手が届きそうで届かなかったのは、ハイインロー的スタミナが希薄だからという理由で説明がつく。「サンデー×Lyphardの差し馬はG1級は差せない」とよく書いてきたが、それは言い換えれば、土壇場でHyperionを振り絞ることができない、ということでもあるわけだ

ブロードストリートはタキオン×Cozzeneだから俊敏で斬れもあってなかなかいい馬だが、アグネスワールドやヒシアケボノが出る牝系が軽いし、何よりハイインロー血脈を一つも持たないというのは辛い
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006105518/
チューリップはブエナビスタ以外はG1級とはいえないメンバーだから2着は確保するかもしれないが、牝馬クラシック路線を展望する上で、“薔薇一族の悲劇”と同じ悲運を背負った血統であることは頭の隅に置いておくべきだろう
ダノンベルベールもサンデー×Lyphardの配合形で、こちらは祖母の父African SongのところにTudor MinstrelとCourt Martialが入るが、スプリンターのSing Sing~African Skyのライン経由だから説得力は弱い。クイーンCで横綱相撲を取ってみたら案外だったが、あの形で競り勝てないと、サンデー×Lyphardは値打ちがないと思うのだ


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