MiesqueはBCマイル連覇や英1000ギニーなど芝1600m(8F)のG1を8勝した“マイルの女王”で、KingmamboとEast of the Moonという2頭のクラシックホースを産んで母としても大成功
Fall Aspenは米G1メイトロンSの勝ち馬で、直仔にG1勝ち馬4頭、子孫にもDubai Millenniumやレジネッタなど活躍馬が続出して一大名牝系を築き上げています
MiesqueはForliとFlower Bowlを通じるハイインロー(HyperionとSon-in-Lawの組み合わせ)のクロスで、Fall AspenはImitationとSwapsを通じるハイインローのクロス
ピクシープリンセスの母オータムメロディーを私がなぜ激賞してきたかというと、それはFall Aspenの孫娘という血筋のよさだけではなく、エルコンばりのヌレサド配合だからというだけでもなく、
・Nureyev≒Sadler's Wellsの「3/4同血クロス」3×2とFlower Bowl≒Swapsのニアリークロス6×4によって、2頭の“ハイインローの女王”MiesqueとFall Aspenのハイインロークロスをみごとに累進し、Forli(2本)にFlower BowlにSwapsにImitationとハイインローを計5本も持つ
・その一方で、父父Mr.ProspectorにはHyperionが皆無で、ここが「1/4米」=「1/4異系」になっている
からなのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a010ce1/
┌Hyperion
┌○
Flower Bowl
│ ┌Son-in-Law
│┌Beau Pere
└△
┌Hyperion
┌○
Swaps
│┌Beau Pere
└△
笠シショーのいう「3/4と1/4の概念」が、最高のラインを通じて、クロスしている部分にもしていない部分にも表現されていて、名血で名配合だからほめまくったのです
たとえばサドラー×Mill Reefやサドラー×High Topという欧州黄金ニックスがJCではことごとくズッコケているように、日本の高速馬場では軽いスピードが足りない血統ではあるのですが、それでもHalo≒Sir Ivorのディープインパクトを配して、古馬になるまで成長を気長に待って、そして当日雨が降れば、G1でも通用する底力とパワーと持続力を発揮するのだということを、ピクシープリンセスは証明してくれました
弟のジョヴァンニも5戦目のダ1800mをぶっちぎりで勝ちましたが、これだけの血統配合ですから産駒にスタミナと底力とパワーを伝えないわけがなく、あとは軽いスピードを補ってやればいいわけです
オータムメロディーにステイゴールドやナカヤマフェスタなんかを配したら、泥んこの凱旋門賞を勝つぐらいの馬が出るかもしれないし、一方で(日本の高速馬場を走っているうちは)ジャミールのようなジリ脚ステイヤーに終わる可能性もまた大でしょうが(^ ^;)、そういう大ホームランを夢見れる繁殖牝馬でもあるでしょう
マイネオーチャードも上がりのかかる持続戦で台頭したクチですが、母はティンバーカントリー×Dixieland Band×Alydarですからどこを切ってもダートの中距離血統、そしてティンバーカントリーは、Fall Aspenが産んだ4頭のG1ホースの一頭でもあります
この4歳世代のステイゴールド産駒の獲得賞金上位馬の母父は、上から順にメジロマックイーン、カコイーシーズ、Dashing Blade、アサティス、ブライアンズタイム、トニービン、フレンチデピュティ、ティンバーカントリー、エルハーブとなり、体の硬いマッチョな女を好むのは相変わらずです(ちなみに3歳世代の獲得賞金上位は母父メジロマックイーン、母父デインヒル、母父クロフネ、母父ドクターデヴィアス)
エリザベス女王杯のレース回顧はまた後ほど