これは来週の軽種馬農協青年部の研修用にまとめていたネタなのですが、ハービンジャーの代表産駒(G1連対馬)、ペルシアンナイト、ディアドラ、モズカッチャンの3頭は、いずれも母系にNureyevとNijinskyを持っています
「ハービンジャーとDansiliがナスペリオン的に斬れる理由」でも書いたように、社台グループがハービンジャー導入を決めた理由として、父Dansiliが日本向きのナスペリオン的な斬れをよく伝える、というのが一つあったのだと
だからハービンジャーにNureyev(母Specialがナスペリオン)をもってくることで、ナスペリオン的な斬れを引き出すことができるのだろう…ということもそこで書きました
そして2006年の凱旋門賞、直線先頭に立ったディープインパクトにRail Linkが襲いかかって差し切ったあのレースが、Dansiliに着目する決定打となったであろうことも想像に難くない
社台グループの野望を打ち砕いたナタの斬れ味、それを日本で再現すべく、Dansiliの代表産駒ハービンジャーを導入し、Nureyevの血を引く繁殖に配して、2年目の産駒からペルシアンナイトとディアドラが出た
あれから十年、凱旋門賞のタイトルには未だ手が届きませんが、敗戦から得られたものもいろいろあったのだと、Rail Linkの血統表を見ると改めて思います
ハービンジャーにNureyevとNijinskyを持ってくるというのは、ナスペリオンとNijinskyをクロスすることであり、それはナスペリオン的な斬れ味を発揮できる体質と体躯を得ようとすることであり、それはつまりハービンジャーやDansiliの斬れがHasili由来だという根拠ともなる
ただしモズカッチャンは父(Northern Dancer4・6×4・5)も母(Northern Dancer5・5・7×5・5)もNorthern Dancerのクロスが過多で、だから配合はペルシアンナイトやディアドラほどほめてはきませんでした
ハービンジャーの活躍産駒でみても、重賞連対馬11頭のうち、母がNorthern Dancerのクロスを4×4以上の濃さで持つのはモズカッチャンとアグネスフォルテだけで、こういう配合は基本的には私は推奨しないし、あまり真似するべきでもないだろうとエリザベス女王杯を勝った今でもそう言います
NureyevとNijinskyをもってくるのが黄金配合ならば、その両方を併せ持つキングカメハメハ肌との配合は大成功して不思議ないのですが、ハービンジャー×キングカメハメハはJRAに10頭が出走し勝ち馬は3頭だけ
しかもモズカッチャン以外の2頭は1勝馬で、今のところ成功しているとまではいえず、それはNorthern Dancerクロスが過多になりがちだからでしょう
今日は朝イチでキャロ会報の原稿を入稿(次号は「血は水よりも濃し」拡大版です)、それから荷物をまとめて名古屋入りするので、レース回顧はぷらっとこだまの車内で書くことにします
ハービンジャーとDansiliがナスペリオン的に斬れる理由
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/7ee3062dfc82b5ee11f67c822003c635