栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

奥さん、Sir Gaylordでっせ

2015-10-05 17:13:57 | 血統予想

凱旋門賞はデットーリのGolden Hornが勝ちましたが、発売中の『サラblood!』vol.4では「Courtly Deeのニアリークロス」と題してGolden Hornの配合についてあれこれ書いています

Cape Crossの代表産駒3頭、Golden HornとSea the StarsとOuija Boadのうち、Golden HornとSea the StarsはCourtly Deeのニアリークロスを持っており、Ouija Boadは持たないですが息子の英愛ダービー馬AustraliaはやはりCourtly Deeのニアリークロスなのです

凱旋門賞もスローの前残りやったのでアレですが、それにしても今年はフェブラリーS、桜花賞、宝塚記念、そしてスプリンターズSと、芝ダ距離問わず、これまでの概念を覆すような歴史的なスローペースで流れたG1がすでに4つもあるというのは、なんでだろうなんでだろうと考えてみるべき案件やとは思うのですよ

今週の毎日王冠はディープインパクト産駒が10頭も登録していて話題を呼んでいますが、東京芝1800mの重賞でディープ産駒が勝ったのは、エイシンヒカリのエプソムC(逃げ切り)、リアルスティールの共同通信杯(好位差し)、ディサイファのエプソムC(中団差し)、トーセンレーヴのエプソムC(先行)、ディープブリランテの東スポ杯(先行)の5例

配合的なことをいうと、エイシンヒカリとリアルスティールは母父Storm CatなのでSir Gaylord≒Secretariat6×4(Lady Rebecca≒Terlingua4×3)、ディサイファはSir Ivor5×6、トーセンレーヴはSir Gaylord6×4、ディープブリランテはSir Ivor≒Hopespringseternal5×5、ほら奥さん、みんなSir Gaylordですわ

2着まで対象を広げてみても、サトノアラジンは母父Storm Catだし、アヴニールマルシェとスマートレイアーは母系にダンシングブレーヴでSir Gaylordのクロス(Sir Ivor≒Droneのニアリークロス)

あとダノンシャークとベルキャニオンはSir Gaylordのクロスこそないですが、母系に入るCaerleonの母はRound Table(父Princequillo)×Hail to Reason(父Turn-to)ですからSir Gaylord的な組み合わせ

まとめると、これまで東京芝1800mの重賞で連対したディープ産駒のべ12頭のうち、7頭はSir Gaylord(≒Secretariat)のクロスを持っていた

残りの5頭のうち、ディープブリランテはMiswakiを通じるSir Ivorのニアリークロスで、ダノンシャークとベルキャニオンはCaerleonを通じるSir Gaylordのニアリークロスなので、Sir Gaylordをいじってないといえるのはリアルインパクトとドナウブルーの2頭

このリアルインパクトとドナウブルーが2着したレースには共通点があって、それは「超スローの上がりの競馬」

リアルインパクトの毎日王冠2着は1000m通過が61.1で上がり10.9-11.1-11.6、ドナウブルーの府中牝馬2着は63.8-10.8-10.7-11.3

というわけで、東京芝1800mはSir Gaylordをクロスする柔らかディープに合った舞台ですが、勝ちきるには先行好位で運びたい

そして超スローで上がりだけのダッシュ勝負になると、ナスキロ柔くしなってストライドを伸ばすよりも、ピッチ走法で瞬時に加速してしまうほうが有利である、というのはジェンティルドンナのJC連覇にも通じる話

ただし毎日王冠に限っていうと、ディープ産駒は9頭が出走して[0.1.1.7]と不振で、この数字をどうみるかですが、9頭のうちSir Gaylordのクロスを持つのはディサイファだけで、昨年は大接戦の4着でしたから、ほらほら奥さんやっぱりSir Gaylordでっせ

ちなみに今年の登録馬では、ヴァンセンヌ、エイシンヒカリ、ステファノス、ディサイファ、トーセンスターダムの5頭がSir Gaylord(≒Secretariat)のクロスで、ダノンシャークが母父Caerleonですね

本日18時更新のNETKEIBA「重賞の見どころ」では毎日王冠と京都大賞典とサウジアラビアロイヤルCの上位人気馬の血統解説を書いていますので、今週もよろしくお願いします

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10/3,4の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2015-10-05 08:46:43 | 共有クラブ

■土曜中山7R500万下 キネオダンサー(ディープ・望田)
■日曜中山6R500万下 ベルプラージュ(一口・望田)
■日曜阪神10R道頓堀S サトノルパン(ディープ・栗山)

「一口好配合」でピックしたキングカメハメハ産駒(既出走)は、ディアデラマドレ、ベルプラージュ、ケルフロイデ(以上キャロット)、ティアーモ(ロード)、エイコーンウィル(ローレル)とエイコーン以外は勝ち上がり、この5頭に共通するのは「母が非Northern Dancerクロス」

中にはレッツゴードンキのように母がNorthern Dancerの強いクロスを持つ活躍馬もいるのですが、一口ピックはPOG以上に確率(勝ち上がり率や上級出世率)やセオリー重視で、あんまりムチャ振りはしないというか、甘い球をセンター前に打ち返すような選び方をわりとしてますかね~

ベルプラージュはMr.ProspectorとThong=Lt.StevensとBuckpasser(Busanda≒Better Self)のクロスですから、これだけでいうとダート向きのパワーと機動力でまとまっているんですが、一方でA.P.Indyが入ってナスキロ柔さもクロスしてしまう「二兎を追ったキンカメ」でパワーに特化しきれない中途半端さはあり、だからこそ芝でも1000万下で掲示板にくるんですが、けっきょく落としどころは軽いダートで稍~不では[2.2.0.3]
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103535/

「ナマクラでどっちつかず」と「芝ダ両刀で稼ぎ場所が多い」は表裏一体ともいえるわけで、一芸に秀でていて好走スポットが狭い馬よりも、ベスト条件がどこなのかよくわからんけどどこに出ても着拾ってくるナマクラ馬のほうが、本賞金を多く稼いでいたというケースはよくあります

でも今ならベルプラージュはピックしないかもしれんなあ…、3年前と今では「枝葉の部分」で考えが変わってるところはいろいろあるよなあ…と、改めて血統表を見ながらそんなことを考えてました

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