栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

いわゆる“ステマ配合”における、AlycidonとLady Angelaのただならぬ関係

2013-01-04 13:25:34 | 配合論

「パーフェクト種牡馬辞典」ではステイゴールドも昨年に続いて私の担当になったので、2歳の血統表を順にチェックしながらあれこれ思案してました

ステイゴールド×メジロマックイーン、いわゆる“ステマ配合”の大成功のキーポイントは、Lady AngelaとAlycidonの「Hyperion,Swynford,Pretty Polly」による脈絡にあるのではないか…というのが自説です

つまりステマ配合とは、残りの母母の部分に、ノーザンテーストかノーザンテーストに似た組成のNorthern Dancer血脈が入ってこそ最大限に威力を発揮するのだ…ということで、たとえばオルフェーヴル兄弟はノーザンテースト4×3だし、ゴールドシップはノーザンテースト≒The Minstrel4×4です

そこでTARGETで以下のように検索をかけて、中央に出走したステゴ産駒をふるいにかけてみました

1.母系にAlycidonを持つ
2.母系にノーザンテーストか、ノーザンテーストとニアリーなNorthern Dancer血脈を持つ(ここではThe Minstrel,Far North,Nijinsky,Storm Birdの4つに絞ってみました)
3.牡馬(ステゴ活躍産駒は明らかに牡馬に偏っているため)

この3つのふるいで残ったのが以下の13頭で、Mは母父メジロマックイーン、Nはノーザンテーストのクロス、★は現時点で未勝利馬(獲得賞金順)

オルフェーヴルM,N
ドリームジャーニーM,N
ゴールドシップM
フェイトフルウォーM
マイネルプルートN
フェデラルホールN
リヤンドファミユM,N
ドラゴンレジェンドN
シンネン★
タイアップM,N★
トーセンガリレオ★
マイネルサニー★
ドリームルシード★

つまりステマ配合でなくても、「ノーザンテーストをクロスし、そこにAlycidonを絡めた配合のステゴ牡駒」は、マイネルプルート、フェデラルホール、ドラゴンレジェンドと、3頭とも結果を出しているんですよね~

まあ3の3といっても重賞勝ちは出ていないので、ドクターデヴィアス肌やシンボリルドルフ肌ではメジロマックイーン肌のようにはいかないのだ…ともいえるのですが、ステイゴールドの代ではあまりONになっていなかったノーザンテーストらしさLady Angelaらしさを、産駒の代でいかにONにするか、この方向性の先にステマ配合の大成功があるんじゃないか…というぐらいの裏はとれたんじゃないかと

何度も書いているように、柔らかさとスタミナを伝えるが小柄で少し非力なステイゴールドは、一見するとダート馬かというようなパワー血統の体質の硬い牝馬との配合が成功しやすく、またステイゴールドの持つ頑健な血はノーザンテーストだから、その血をクロスするのが有効である…と

そしてその場合、ノーザンテーストが3×2で持つLady Angelaの血脈構成、HyperionとTraceryとSwynfordとPretty Pollyの組み合わせを、メジロマックイーン→Alycidonやデインヒル→Flower Bowlで増幅すると更に有効である…と

突き詰めていくとそういうことやないかと思うんですよ

   ┌Swynford
  ┌○
 ┌○
┌○
│└△
│ └△
│  └△
│   └Pretty Polly
Alycidon
│┌Hyperion
└△
 ┌Hyperion
┌○
││┌Tracery
│└△
Flower Bowl
│    ┌Swynford
│   ┌○
└△ ┌○
 │┌○
 └△

「サラブレ」1月号「ステイゴールド産駒 走る配合のツボ」で取り上げたエフティシリウスは、ノーザンテースト4×3にFlower Bowlが絡む配合ですから(この配合パターンのステゴ産駒は意外なほど少ない)、前走は叩き一変のレースぶりでしたが、まだまだ化けるんじゃないかと注目している馬なのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103793/

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トランセンド引退

2013-01-04 11:55:53 | 配合論

トランセンドが引退、アロースタッドで種牡馬入りということで、ひとまずお疲れさまでした

スマートファルコンも引退し、“ハイインロー砂御三家”で残るはエスポワールシチーだけになってしまいましたが、この3頭が繰り広げた「前に行ったもん勝ち、直線先頭に立ったもん勝ち」のバトルは実にHyperion的で、そのなかでもトランセンドが一番Hyperion的な脚質だったんじゃないかと思いますね~

配合については下記エントリを参照してくださいということで、ま~種牡馬としてもHyperion的な粘着力持続力・抜かせない精神力・硬い体質を伝えるでしょうが、Droneというサンデー系に対するキラーコンテンツを活かしたいところ

Halo過多なサンデー系牝馬、たとえばヴィルシーナみたいな牝馬と配合すれば、オウロプレットみたいなダ1800mで機動力ある馬が出せるんじゃないかと

タキオン牝馬との配合も、Wild Againとタキオンはニックスだし、Hawaiiとアグネスレディーがあんなことやこんなことやいろいろいやらしいことをするので、試してみる価値はあるんじゃないですかね~

トランセンドの配合~今年もFlower Bowlが満開
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/df7cc899c2e1729fa6f470aa537c1f71

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