明日12日発売「サラブレ」2月号の特集「オルフェーヴル ジェンティルドンナ 本当に強いのはどっちだ!?」のなかで、「馬体と血統の双方から読み解く 牡牝三冠馬のベスト条件」と題して、鈴木由紀子さんが馬体から、私が血統からあれこれ書いてます
ロンシャン芝2400m、メイダンAW2000m、京都芝1600mなど8つのコースにおいて、2頭が一緒に走ったらどちらが先着するか…というシミュレーションもやらされたのですが、なんと7つのコースで二人の見解が一致したのは面白かったです
「サラブレ」2月号「オルフェーヴル ジェンティルドンナ 本当に強いのはどっちだ!?」
http://www.enterbrain.co.jp/sarabure/
ムスカテールの母母ジェドゥーザムールは愛ダービーのWinged Love、札幌記念のダイワカーリアン、東スポ杯のアドマイヤビッグなどを産んだ名繁殖で、Top Ville×RelianceでクロスがTantieme4×3、High TopにCharlottesvilleにBotticelliにTicinoと、欧州各国のアウトサイダー血脈を集めたような血統
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103165/
そこにサンデーが配されたシェリールはアドマイヤビッグの全姉にあたり、自身も4勝した活躍馬でしたが、サンデーとジェドゥーザムールの間にはNearcoやHyperionの薄いクロスぐらいしか生じないので、いわゆるアウトブリード、緊張と緩和のリズムでいうと緩和の状態にある配合といえます
だからシェリールには緊張状態の、クロスがうるさいぐらいの種牡馬をもってくるのが方向性としては正しく、父キングカメハメハ(Northern Dancer4×4・6)のアヴェカムールは9戦2勝、父ジャングルポケット(Hyperion4・6・6×6・6・7・7・7・8)のプールマシェールは1戦1勝、新馬勝ち後長期休養に入ってしまいましたが能力を感じさせる馬です
マヤノトップガンはFlower Bowl≒Aureoleというブライアンズタイムの必殺技を使った川上悦男さんの会心作で、他にもなかなかクロスがうるさくて
Nasrullah≒Royal Charger5・5×4
Flower Bowl≒My Host4×4
Flower Bowl≒Aureole4×5
だから種牡馬としてはわりと緩和状態の牝馬との配合に向いていて、プリサイスマシーンとかキングトップガンとかホッコーパドゥシャとかマヤノライジンとかトップガンジョーとかハロースピードとか、自身は強いクロスを持たず、パーソロンやザラズーストラやPanやDamascusといったアウトサイダーな血を引いている牝馬との配合に成功例が多いのです
ムスカテールの配合においては、Red God≒Halo4×3とかHail to Reason4×4とかはわりとどうでもよくて、Tantieme4×3でNorthern DancerもTurn-toもMr.ProspectorもNasrullahも持たないジェドゥーザムールに、サンデーサイレンス、マヤノトップガンが配されてきたという、この緊張と緩和の3話完結ドラマで語られるべきでしょう
トップガン産駒らしく古馬になってついに本格化か…という最近の充実ぶりですが、実はまだ明けて5歳、この配合ならば7~8歳あたりにピークがきてもまったく驚けないだけに(^ ^;)、馬券的には長くいいお付き合いをしたいもんです