メイショウマシュウの母オオシマパンジーは、父スキャンも母父モガミもLa Troienneの孫娘No Fiddlingを牝祖とするので、No Fiddling6×5の牝馬クロスを持っています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101935/
アドマイヤマックスは母母父ヒッティングアウェーがやはりLa Troienneにさかのぼる名牝系なので、この血をいじった配合、つまりLa Troienne血脈を複数持つ牝馬との配合が成功していて、
モンストールは母父デヒアがBimelech5×6で母母父ラシアンルーブルの母がBusanda≒Better Self2×3で自身はSkriking≒Busanda≒Better Self5×6・7
ナガラオリオンは母がNever Bend3×4で自身はSkriking≒Courtly Dee5×4
マックスドリームは母母がBuckpasser3×4で母はRivermanとSeattle Slewを通じるナスキロラトロのクロスで自身はSkriking≒Busanda5×5・6
アドマイヤコスモスだけは母がBe My Guest×Ela-Mana-Mouですから、サンデーの米血を1/4異系的にした「3/4Hyperion、1/4米」の配合形
母父がミスプロ系という点も含めナガラオリオンと似た配合で、メイショウマシュウの母はNorthern Dancer4×4、ナガラオリオンの母はNever Bend3×4と母が強いクロスを持つ点も共通しますが、アドマイヤマックスは自身は強いクロスを持たないので、相手牝馬に4×4より強いぐらいのクロスがあるのがベターでしょう
というわけでアドマイヤマックスの代表産駒は、ヒッティングアウェーのLa Troienneパワーを増幅したらダートのマイラーが出て、ダイナシュートのHyperion4・5×5にBe My GuestとEla-Mana-Mouを合わせたら晩成の芝中距離馬が出て、アドマイヤマックスに希薄なNasrullah血脈を(それも母がナスキロのクロスという形で)注入したらちょっと非力な長め芝マイラーが出たということで、いずれも配合的にはきわめて順当
種牡馬ロージズインメイについてもう一度まとめると、Haloから数えて3代目でもうこの父系のスピードの遺産は底を尽きかけていて、しかも父も母も自身も強いクロスを持たない緩和配合ですから、早い時期に開花するようなスピードはあまり伝えず、2歳の短距離戦を天性のスピードで押し切って勝つような産駒はほとんどいません
そういう緩和配合ですから強いクロスを持つ緊張状態の牝馬との配合が成功しやすいし、また緊張状態の相手牝馬のキャラを立てるタイプでもあります
配合的な活力を増してスピードを出すには、(1)底を尽きかけているHaloのスピードをクロスで蘇生させる、(2)Raise a CupのRaise a Native×Nashua×Bull Dog×Blue Larkspurという構成がMr.Prospectorとソックリなのでこのニアリークロスを狙う、この二択しかなく、実際代表産駒ビッグ2は母父ミスプロ系です
しかしアウトブリードだけに成長力とタフネスは伝えていて、期待はずれと言われた初年度産駒も古馬になってジワジワ強くなる産駒が何頭も出てきて、ここへきて見直され中(産駒の年齢別成績は4歳→5歳→3歳→2歳の順に良い)
コスモオオゾラは母マイネシャローナがNorthern Dancer4×4、Raise a Native4×4、Drone≒Halo4×4で、自身はHalo≒Drone4×5・5、Raise a Cup≒Mr.Prospector4×4、緩和しまくったロージズインメイと緊張しまくったマイネシャローナは最高のカップルですやん
ドリームバレンチノの場合は母コスモヴァレンチ(小倉2歳S)がNasrullah6・6×4・5ですから、まあマイネシャローナほど緊張状態にはないですが、私は緊張と緩和の目安としては、いちおう血量4×4(5・5×5・5とか4×5・6・6とか)あたりから“緊張”とみなしてます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007104877/
母がNasrullah4×4血量のクロスで、自身はRaise a Cup≒Mr.Prospector4×4、これもロージズインメイを緊張させた配合には違いなく、母や母父のスプリンター資質がONになったのも順当
コスモオオゾラほどクロスがうるさくないぶん完成は遅めで、ロージズ産駒らしい成長曲線を描いてきて、昨年4月に復帰してからは①①①⑦③①、インベタ馬場で外を回らされたキーンランドを除くとロードカナロアとカレンチャンにしか負けていません
58でもここでは格上だといわんばかりに、ゴール前の大接戦をグイっと出ました
「競馬総合チャンネル」では「血統クリニック」と題して、メインレースの出走予定馬の血統解説をしています(毎週木曜夕方更新)
根岸Sはこんな感じです
ガンジスはネオユニ産駒で母系にミスプロとDanzigとSir Ivorが入るのでロジユニヴァースと似た配合だが、母父がDeputy Minister系なのでカネヒキリやローマンレジェンドのようにダート適性が高くなった。母がスプリンターだったから距離は1400mがベストで、ここは初重賞制覇のチャンスだ。
クロフネ産駒のオープン馬は母系にHyperionの凝縮を持っていることが多いが、トウショウカズンはスイープトウショウの甥で、3代母サマンサトウショウはHyperion4・5×5。昨年のこのレース2着でダ1400mは[6.5.1.4]、逃げにはこだわらないのでここも大崩れはないだろう。東京や外回りでこういうナスキロ柔さのある馬に乗せたらルメールは達人だ。
エーシンウェズンはヴォスバーグS(米G1・ダ7F)のTrippiの産駒でMr.ProspectorとTom Rolfeをクロスし、母父Our Emblemからも凄いパワーを受け継いでいる。1400mはベストだが急坂のある阪神がベターか。
ケイアイテンジンはアグネスデジタル×フォーティナイナーでMr.Prospector4×4、細身でミスプロ的な体質だから東京ダ1400mが最適条件だろう。前走で脚質転換に成功して不気味な存在。
セイクリムズンはエイシンサンディ産駒でムーティエ5×4のクロスを持ち、Sicambre系のドロッとした斬れ味で差すので東京ダは合っている。典型的なスプリンターというわけでもないので距離も1400mがベストだ。58キロでも侮れない。
A.P.Indyはナスキロ柔いストライドを伝えるので、ダートなら直線が長く砂質が軽い東京が合う。だからカジノドライヴもテスタマッタもフェブラリーSでは重い印を打ってきた。テスタマッタは昨年の根岸でも◎だったが、ここは一息入って59キロ、やはり叩いた次が狙いだろう。
キングカメハメハは万能型でダート巧者も出すが、タイセイレジェンドはノーザンテーストの影響が強い短距離体型で、ナスキロのクロスを持つのでコテコテのパワー型ではなく脚抜きのいい馬場がベター。東京1400mも条件としては向いているので、59キロは楽ではないが前残りの展開なら。
メイショウマシュウはカルストンライトオの近親で、アドマイヤマックス×スキャン×モガミだからLa Troienne的なパワーを重ねた配合だが、母父がミスプロ系なのでコテコテの力馬ではない。1400mはベストだし前崩れなら押さえに一考。
ダノンカモンは昨年は1人気を裏切る5着。年のせいかズブくなってきているので、今は1400mは少し忙しいのかもしれない。
ストローハットは母がジャンロマネ賞(仏G2・芝2000m)勝ち馬で、そこにフジキセキだからコテコテのダート血統ではない。母父StarboroughがNureyev系で力馬っぽいところがあるので(ヴィンテージイヤーの母父でもある)、サイレントディールのようにちょっとジリ脚で芝ダ兼用というタイプだろう。距離は1800mぐらいあったほうがいいのでは。