栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

日曜の重賞回顧~“柔俊敏ザッツ”良のスローでナデ斬られる

2012-02-13 21:07:17 | 血統予想

東京11R 共同通信杯
◎2.ディープブリランテ
○11.エネアド
▲8.スピルバーグ
△3.ゴールドシップ
×9.コスモオオゾラ
注4.ストローハット
◎は東スポ杯でも◎にしたが、ディープにナスキロ血脈をもってきて柔らかく大きなアクションは東京向きだし、バブルガムフェローやザッツザプレンティと同じサンデー系×バブルカンパニー牝系で「サンデー×リファール×ハイインロー」の配合形でもあり、すでに前受け脚質に固まりつつあるのも好感で、ここも正攻法なら負けないとみる。△は末脚確実だがもう少し距離は欲しいし速い上がりへの対応も課題で、距離ベストで折り合いに進境みせた○とスタート五分で前受けなら更に怖い▲、この3頭が相手。

京都11R 京都記念
◎4.トーセンラー
○1.ダークシャドウ
▲7.ウインバリアシオン
△9.ヒルノダムール
◎○▲にとって京都外2200mはベストだが、「サンデー×リファール×ハイインロー」は前受けしてこそ持ち味を100%発揮するというのが筆者の考えで、1キロもらってデムーロ弟で前受け濃厚となれば◎から入るのが筆者のスタイルだ。△はこの3頭よりはステイヤー寄りの馬だから、58を背負うとなると大阪杯のような持続戦が希望。トレイルは京都で上がりの競馬だと一角崩しは骨で、ゲシュタルトも小回り向きだから波乱はなさそうだ。

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ディープブリランテは新馬戦の2週前追い切りをGCで見たときにハブルバブルよりもモノは上ではないかと書いたし、昨日の一言コメントでは“柔俊敏ザッツザプレンティ”と書いたように、掻き込むような走りがザッツと似ていて、しかし父譲りの柔らかで無駄のない身のこなしもあって、馬が強いのはもちろんですが道悪も巧いです
そして“サンデー×Lyphard×ハイインロー”の配合形ですから、同じバブルカンパニー牝系のザッツザプレンティやバブルガムフェローが先行抜け出しでG1を勝ちきったように、この馬も前受け脚質に固まりつつあるのがいいですね~
距離はもう少し長くてもいいというか、少なくとも1800mのスローの瞬発力戦よりは2000mの平均ペースの持続戦のほうが強い馬やと思います」

…と東スポ杯の回顧(下記にリンク)では書いたのですが、この内容については共同通信杯が終わってからも大きな修正変更はなしで、東スポでは道悪の持続戦でこの馬の長所が全部出たのに対し、共同通信杯では良のスローの斬れ勝負でこの馬の短所がハッキリ露わになった…と

「柔俊敏ザッツザプレンティ」と喩えた掻き込む走りは、長い直線のスローでG1レベルの斬れ味を要求されるとジリっぽい…という弱点が露わになったわけで、前駆の使い方や前肢の伸び方を勝ち馬と比較していただければ対照的でわかりやすいと思います

陣営は落胆しているようですが、ゴール板を過ぎてすぐにゴールドシップを交わしているように決して止まったわけではなくて、ようするに東京良でこの上がりではあれぐらいしか斬れない馬なのだ…ということが判明したのは収穫でもあったかと

たとえばワールドエースもそうですが、今年のクラシック路線は役者はソコソコ揃っているけれどオルフェーヴルみたいにオールラウンドに強い馬はいないので、こういう年は次につながる“いい負け方”をすることも決して無駄ではないと思うし、これで陣営がどういう対策を練ってくるかに注目しましょう

ゴールドシップの血統については、栗山ブログに詳しく説明があるのでそちらを(^ ^;)
ようするにオルフェーヴル兄弟やフェイトフルウォーと似た配合なのですが、この馬はPrincely Giftのクロスもあるので動きにコルモバルク的しなやかさ柔緩慢さがあって、だからオルフェーヴル兄弟のような鋭敏な反応はなく、それだけに長い直線で追える騎手が乗るとこれぐらい斬れるのだ…ということが判明しました

京都記念は去年のような上がりの競馬を何の疑いもなく想定していたので、ジリ脚のトレイルブレイザーは古都Sのようにリッツィースターにも差されてしまうかもしれない…なんてタカをくくってたんですが、和田が浜中に絡んでいったので後ろの馬でも上がり35秒の持続戦になったのがそもそも読み違い…

そしてこういう脚をダラダラ使わされるレースになるとダークシャドウはもう一つ弾けない…ということも確認できましたが、しかしここはユタカとトレイルブレイザーをほめるべきでしょう

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スピ「あの~先輩、血統屋の望田が、スピルバーグはもっと前受けにしていかないと、ペルーサの二の舞になるとか言っとるんですけど…」

ペル「あ~あれやろ、リファールがどうたらとかバブルガムフェローがどうたらとか、屁理屈こねとるオッサンやろ、んなもん相手にせんでエエで」

スピ「こんなことしてたらクラシックに間に合わんと」

ペル「お前もしかし、強い馬にばっかり当たってちょっとついてないな…。大丈夫大丈夫、脚はあるんやから、相手が軽けりゃ追い込みでも楽勝やって」

スピ「ま~折り合いはつくしゲートも普通に出れるようになったんで、北宏さんに前に行け言われたら行ける思うんですけどね」

ペル「…なんか癇に障ること言うなあ…。別に前受けなんかせんでもエエんよ、追い込み僅かに届かず!っちゅうんが客は一番盛り上がるんや、俺の人気はそこなんやで~」

スピ「でもやっぱり、ダービーには出たいすからね~」

ペル「ダービーなあ…なんかまた癇に障るなあ…」

栗山求の血統BLOG「共同通信杯はゴールドシップ」
http://kuriyama.miesque.com/?eid=123
土曜のレース回顧~猛烈なイン伸び馬場で、スマートロビンが2人気ですか(^ ^;)
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/8e0ae10dee12cb81e82e715066a99821

コメント (15)
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ディープばっかりやん…とはいうものの

2012-02-13 11:56:12 | 血統予想

明日はバレンタインデーですが私は甘いものはだいたい苦手で特にチョコとアンコは勘弁なので、ウインズ常連のオバチャン二人からは鮭トバとエイヒレとイカみりん焼きとおかきをいただきました…って全部ツマミやん(^ ^;)

レースリプレイが録画予約しておいたはずなのにされてなかったので、日曜の回顧は夜のリプレイを見直してからやりますが、ちょっと書いておこうこなと思ったことを先に

毎週毎週ディープばっかりやん…といわれる今年のクラシック路線ですが、だいたいリーディングサイアー級の一流種牡馬は配合に素直で相手牝馬の長所を引き出すもので、ジョワドヴィーヴルもワールドエースもアダムスピークもベストディールもディープブリランテもヴィルシーナもジェンティルドンナもヒストリカルもスピルバーグもエネアドもそれぞれ配合パターンや母の個性がレースぶりや脚質や距離コース適性などにちゃんと反映されていて、ナスキロ的柔斬れディープ、Halo的機動力ディープ、Lyphard的粘着型ディープ、ハイインロー的持続型ディープといろいろいて、いろいろいるからこそ毎週いろいろな重賞をポンポン勝つわけです

だから「ディープ産駒だから」だけではなかなか的中にたどり着けるはずもなく、「どんなディープ産駒なのか」の見極めがクラシック路線を見極めることにもつながるはずで、それはサンデー産駒が出てきたときもそうだったんですよね…

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