「しかし(Hペースの逃げを後続も追いかけて前崩れになったという意味で)レッツゴーターキンの年みたいになったねえ…」という話をメタボ博士としていたんですが、あの92年の秋天で先行して沈没した馬たちは、トウカイテイオーは次走JCを、ダイタクヘリオスは次走マイルCSを、そしてメジロパーマーは次走有馬を勝ちました
「…ってことは、JCはエイシンフラッシュ、マイルはシルポート、有馬はアーネストリーですかね?」(博士)
メイショウベルーガは骨ではなく腱をやってしまったようで、とにかく最悪の事態は免れたようでよかったです
血統をやる人なら皆思うことでしょうが、ダンシングブレーヴ牝系にSadler's Wellsとフレンチデピュティがかけられて、Northern Dancerとナスキロラトロをクロする相似配合で、Halo≒Droneのニアリークロスになるのでどのサンデー系種牡馬を付けてもだいたい配合が決まるし(もちろんサンデー系でなくともいいですよ)、果たせなかったG1制覇は子供に期待しましょう
競馬総合チャンネルでは「血統クリニック」と題して、毎週のメインレース(2歳3歳戦中心) の出走予定馬の血統解説をしています(木曜更新)
天皇賞はこんな感じです
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◆左回りの2000mならば
ペルーサは今週の追い切りで柔らかみのある動きで弾けるような伸びを見せた。父ゼンノロブロイも母の全姉Differentも2000mベストだったし、母父Candy Stripesはバブルガムフェローの半兄でBlushing Groom×Lyphardだからリュパン賞のグルームダンサーと同じ配合。自身も2000mは[3.1.0.0]で、左回りの2000mが最も力を出せる条件だろう。母系に欧スタミナが強いアウトブリードで、これからまだ強くなる可能性を秘めた馬だとも思っているし、昨年に続いて◎としたい。
◆東京で前受けならば
ローズキングダムはMill Reef5×4のクロスを持つので小柄だが東京向きの斬れ味があり、「サンデー×Lyphard×ハイインロー」の配合形だから京都大賞典のように前受けでしぶとさを発揮する血統でもある。東京で好位抜け出しならJCやダービー以上に走れるかもしれないという期待もあり、名手メンディザバルがどう乗ってくるか注目。
◆東京の中距離ならば
ブエナビスタはマルゼンスキー≒Caerleon3×2などきれいな相似配合で、父と母と母父の特長が表現された名牝だ。父譲りの胴長体型と母譲りのナスキロ的斬れで走る馬だから、戦績通り東京の中距離戦がベスト。宝塚の怒濤の追い込みをみると衰えの心配もなく、昨年よりメンバーは揃ったが連覇も十分。
ダークシャドウはGreen Desertやトワイニングなどが出るCourtly Deeの名牝系で、母はNumbered Account≒Foreign Courier2×2という魅力的なニアリークロスを持つ。この母系の高い資質で走っている馬で、スピードの乗りは少し緩慢だが最高速度を長く持続できるG1級の中距離馬だ。エプソムCのような競馬ならばここでも勝ち負けになるだろう。
アーネストリーはグラスワンダー×トニービン×ノーザンテーストで、父譲りのパワー捲りと母譲りのHyperion的な粘り腰で走る小回り向きの中距離馬。今年に入っての地力強化が著しく昨年3着よりも走れるだろうが、宝塚の着差や内容からすると、東京ならブエナのほうがまだ少し上だろうとは思う。
エイシンフラッシュは春は天皇賞で◎にした。母は芝2800mの独セントレジャー勝ち馬で、ドイツ血脈とHyperionを基調とするスタミナと成長力に富んだ配合をしていて、俊敏さや器用さもあるので宝塚のようなレースでも好走はするが東京なら2000mより2400mで力を込めて買いたい馬ではある。
トゥザグローリーは春天では引っかかり、宝塚ではピークを過ぎていたようで春は尻すぼみの成績に終わったが、ハイレベル4歳世代のトップクラスの一角なのは間違いない。ただ母トゥザヴィクトリー譲りの重心の高い掻き込む走りは、どちらかといえば急坂小回り向きだろう。
以上7頭が上位で、ジャガーメイルやトーセンジョーダンやミッキードリームあたりも善戦の余地はもちろんあるが、馬券圏内に食い込むにはこの7頭のうち5頭を負かさなければならないわけで、それはなかなか高いハードルではないかと思う。
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ダークシャドウの唯一の弱点は追い出してからのスピードの乗りが緩慢な点で(それはスピードに乗ってからが長いという長所でもありますが)、だから秋天も毎日王冠もそうですが馬群の中にいると勝負所で前に入られたり狭くなったりということが起こりやすい脚質ではあり、だから後ろから行くなら最後は外に出す意識で乗ったほうがベターかもしれないですね~
東京11R 天皇賞
◎8.ペルーサ
○11.ローズキングダム
▲7.ダークシャドウ
△5.ブエナビスタ
×4.エイシンフラッシュ
注18.アーネストリー
◎は今週の追い切りで柔らかみのある動きで弾けるような伸びをみせた。父ゼンノロブロイも母の全姉ディファレントも2000mベストだったし、母父キャンディストライプスはバブルガムフェローの半兄でブラッシンググルーム×リファールだからリュパン賞のグルームダンサーと同じ配合。自身も2000mは[3.1.0.0]で、左回りの2000mは最も力を出せる条件だろう。母系に欧スタミナが強いアウトブリードで、これからまだ強くなる可能性を秘めた馬だとも思っているし、昨年に続いて◎としたい。エイシンフラッシュは俊敏さも器用さもあるがドイツ血脈とハイペリオン基調の血統でやっぱり2000mよりは2400mで力を込めて買いたい馬で、アーネストリーは昨年より強くなってはいるがそれでも父譲りの走法は東京向きとは言い難い。2着まで、馬連で買うなら○▲△までとみたが。
京都11R カシオペアS
◎15.ネオヴァンドーム
○3.ショウリュウムーン
▲12.マッハヴェロシティ
△11.ダイワファルコン
△14.ゲシュタルト
×1.スピリタス
×10.オースミスパーク
注5.ドモナラズ
注17.オートドラゴン
ダイワファルコンは右回りが得手で左回りが不得手なのではなく、ダイワメジャー牝系のパワーで走るので急坂小回り向きでようするに中山の1600~1800mが合っているのだ。だから京都外回りで中山実績をスライドさせるのは少し違うと思う。ミッキードリームは東京と外回り1800mでは[4.2.1.0]とほぼパーフェクトで、この馬に先着したのはダノンシャンティとダークシャドウとリアルインパクトと、そして都大路Sのネオヴァンドームだけ。きさらぎ賞勝ちはダテではなく、直線の長い1800m戦ならG2も狙えるほどの裏付けのある馬が55キロなら◎だろう。母がトニービン×ノーザンテースト×ナスルーラという配合形は東スポ杯でローズキングダムと叩き合ったトーセンファントムと同じで、ネオユニ産駒でも長い直線向きの斬れを出せる配合パターンだ。
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ちょうど発売中の「サラブレ」の「名配合展覧会」にてトーセンジョーダンの配合を取り上げてますので、まずはその部分を
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母母クラフティワイフはMr.Prospector、Bold Ruler、Buckpasserなど米スピード血脈の塊で、Hyperionは全く持たない。そこにLady Angela(Hyperionの娘)3×2を持つノーザンテースト、Hyperion4・6・6×6・6・7・7・7・8を持つジャングルポケットと、米血が薄くてHyperionだけが濃い種牡馬が連続してかけられたのがトーセンジョーダンだ。
このように血統表を父父、父母、母父、母母と4分割したうちの3/4で同じ血(HyperionとNorthern Dancer)のクロスを重ね、残りの1/4にはそのクロスしている血とは縁遠い血を入れておく、というのは成功例の多いセオリーの一つ。
同じクラフティワイフにノーザンテースト、トニービンとかけられたレニングラードや、ノーザンテースト、ミラクルアドマイヤ(父トニービン)とかけられたカンパニーも「3/4Hyperion、1/4米血」の形になっている。
トーセンジョーダン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103169/
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ようするに「配合史」における「1/4異系」的な概念ですね~
ちなみにジャングルポケットは母父Nureyev、ミラクルアドマイヤは母父Sadler's Wellsなので、トーセンジョーダンとカンパニーは13/16ぐらいが同血ということになります
「な~んや、またサドラーとダルシャーン?またガリレオとデインヒル?欧州の競馬も変わり映えせんのお~」なんて日本の血統屋は訳知り顔で言うわけですが、あちらはあちらで「な~んだ、またトニービンとノーザンテースト?東京の競馬も、エアグルーヴの頃から変わり映えしないねえ~」なんて言ってるかもですね(^ ^;)
トーセンジョーダンもカンパニーもG1では善戦止まりのG2大将というポジションに落ち着いたかと思わせておいて、秋の東京の大レースでさらに一皮むけてしまうというのは、「ノーザンテーストは三度変わる」、Hyperionの成長力としか言いようがないです
もちろんHyperion的な特長である我慢強さや持続力が活きる質のレースになったことも勝因ですが、デムーロのような思い切りもリスポリのようなセンスもないけれど、雨の府中で上がりがかかるとバテかけた馬を追って追ってもってくる、マジメな豪腕イタリア人を配したのも大正解だったというべきでしょう
ダークシャドウもこれぐらい走って不思議ない馬で、それは何度も書いてきたように母マチカネハツシマダがA級牝系のA級配合馬だからに他なりません
ペルーサはまあ、展開はハマってたし力は出し切っての3着でしたが、トモにもいい筋肉がついてきて出遅れの心配もない今ならば、あんなところから追い込むんじゃなくて中団より前から追い出して、母系のHyperionを振り絞るようなレースをして欲しいし、それができたときには勝ち馬のようにもう一皮むける可能性もあるんじゃないか…とも
だってこの馬は、またそれかと言われるかもですが、「サンデー×Lyphard×ハイインロー」の配合形でもあるのです
ブエナはパトロールを観るとかわいそうなぐらい何度も進路が塞がってましたが、でもまだまだ衰えはないことを証明するには十分な内容でした
では最後に、本日の悶絶3連単馬券を貼って、もう一杯ビール飲んで寝ましょうか~
直線半ばまで、アドマイヤセプターだけは届くはずだと、そう信じて疑いませんでした…
相手は迷ったんすよ…トウカイテイオー×キングヘイローってのが私好みなんですよね(^ ^;)
トニービン父系×クラフティワイフ牝系
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/7df890f20ad94cae90991dfd7d5172bb