栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

東京ダートと「ナスキロ」(4)~フェブラリーSと「ボルキロ」

2011-02-15 15:12:47 | 血統予想
「NasrullahとPrincequillo」の組み合わせを「ナスキロ」、「HyperionとSon-in-Law」を「ハイインロー」と略してしまう言い方は少しずつ定着してきた感もありますが、私は「NasrullahとPrincequilloとLa Troienne」を「ナスキロラトロ」、「Bold RulerとPrincequillo」を「ボルキロ」、「Grey SovereignとPrince Bio」を「グレビオ」と略しまくってます(だって文字数ばっかり食うのです…)

近ごろの活躍馬の血統表によく見られる有力な「ボルキロ」血脈には、Secretariat、Seattle Slew、Bold Bidder、Chieftain、ボールドラッド、ターゴワイスなどがあげられますが、「シンボリクリスエス産駒が東京ダートで走るのは」や「東京ダートと“ナスキロ”(1)~(3)」で書いてきたように、東京ダートは基本的にはナスキロ血脈の影響を受けたストライドで走る馬に向いたコースで、特にフェブラリーSはボルキロ持ちの活躍が例年目立ちます

Secretariat…アグネスデジタル、メイショウボーラー、サンライズバッカス
Seattle Slew…ヴァーミリアン、サクセスブロッケン
Secretariat&Seattle Slew…シーキングザダイヤ、カジノドライヴ、テスタマッタ
Millicent(フジキセキの母母母)…カネヒキリ

まあ昨年も一昨年も同じような理屈でA.P.Indyから入って、運よく当たってるわけですが…

東京11R フェブラリーS
◎3.テスタマッタ
○6.サクセスブロッケン
▲8.レッドスパーダ
△1.ダイショウジェット
×4.エスポワールシチー
注12.グロリアスノア
注14.リーチザクラウン
東京ダ1600mは馬場が軽く直線が長いので、典型的な力馬よりも柔らかさしなやかさを兼備したタイプが台頭する。昨年は◎カジノ○カネ△サクセスとしたが、シアトルスルーやセクレタリアトのようなダートも巧いナスキロ血脈を持ち、ダート馬にしては柔らかみもあってストライドが伸びる走法の馬を狙うのがコツだ。◎はテスタマッタ。父タピットはウッドメモリアルS(米G1・ダ9F)勝ち馬で、その父プルピットは武蔵野Sのピットファイターを出した。そこからエーピーインディ→シアトルスルーへとさかのぼる。母父コンサーンはBCクラシックの勝ち馬で、その父ブロードブラッシュはノボトゥルーやブロードアピールの父でもあり東京ダの決め手には定評のある血脈だ。体型や走法がマイラーっぽく見えるし、展開の恩恵もありそうで絶好の狙い目だろう。

東京11R フェブラリーS
◎14.カジノドライヴ
○2.カネヒキリ
△5.バンブーエール
△15.サクセスブロッケン
×3.サンライズバッカス
×9.ヴァーミリアン
注10.ビクトリーテツニー
注12.エスポワールシチー
◎は「ウォーアドミラルとラトロワンヌ」の組み合わせを5本持つスーパー力馬だと評してきた。だから前走はメンバーが楽だから勝つだろうが、脚抜きのいい馬場でゆっくり構えると案外苦労するのではないかとも思っていたわけだが、4角から抜け出すときの身のこなしがこれまでにないほどしなやかで、これを見るとJCダートは帰国初戦でビッシリとは仕上げられてなかったのかもしれない。今回も中間の調教が軽いのは気になるが、あのエーピーインディやブラッシンググルームのしなやかさが出た走りならば、東京のダートでも最強ではないかいう夢を引き続き見れる。カネヒキリを差し置いて他に◎を打つわけだから、距離適性やコース実績を持ち出すだけでは説得力がない。ダート馬としての器でカネヒキリをねじ伏せることができるかどうか、そういう期待可能性がないと説得力がないと思うのだ。

今年の登録馬では、カジノドライヴ(Secretariat&Seattle Slew)、クイックリープ(Bold Bidder)、コスモファントム(Secretariat&Seattle Slew)、ダイシンオレンジ(Secretariat)、ダノンカモン(Seattle Slew)、テスタマッタ(Secretariat&Seattle Slew)、パワーストラグル(Seattle Slew)、ビクトリーテツニー(Secretariat)、マチカネニホンバレ(Seattle Slew)の9頭がボルキロ血脈を持っています

シンボリクリスエス産駒が東京ダートで走るのは
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/688def8ed9ebdfa66f72fcf3d5cd58bf
東京ダートと「ナスキロ」(3)
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/371be87ca98fb4a82c4cffea2ff1fb42/?ymd=201002&st=0
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勝負強い

2011-02-15 10:46:14 | 血統予想
ステイゴールドといえば現役時代は通算【7.12.8.23】、重賞の2着3着が計17回という善戦マンのイメージが強いですが、産駒の重賞成績は【23.13.16.173】と、2着3着より1着が多いのです

しかもこの23勝のうち22勝は2着とのタイム差がコンマ3秒以内、17勝はコンマ1秒以内の接戦で(見た目に圧勝といえるのはドリームジャーニーの小倉記念勝ち0.5秒差ぐらい)、重賞に出てくるようなステゴ産駒は、むしろ混戦激戦で勝負強く勝ちきっているのが面白いですね~

当然のことながら、重賞では単回値141、複回値79と、単勝のほうが圧倒的にうま味があります
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そうや、内から乾くんやった…

2011-02-15 00:51:02 | 血統予想
ウインズ常連のオバチャン二人から、バレンタインの差し入れが(^ ^;)(^ ^;)
私がチョコ食えないの知ってるので、一人はSNAFFLE'Sの有名なチーズケーキ「チーズオムレット」、もう一人は「無添加 黒豆豆腐の味噌漬け」もはやスイーツでもなんでもないやん…(^ ^;)



休憩時のコーヒーのお供に…流行りの濃厚なやつです



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東京11R 共同通信杯
◎5.サトノオー
○11.ダノンバラード
△4.ダブルオーセブン
×12.ベルシャザール
×13.ディープサウンド
注1.オンリーザブレイヴ
人気通りだが◎○の一騎打ちとみる。2頭軸という買い方でいきたいが、母系のスピードの質からいって○はどちらかというと2000m>1800mで、◎はどちらかというと1800m>2000mだと思うから、1キロ軽いぶんも含め◎が少しだけ優位ではないかという見立て。ベルシャザールはセクレタリアトの重厚さが出てポップロックのような重々しい持続系の斬れ方をするから、東京なら良の1800mより重の2000mのほうが買いやすい。穴はダブルオーで、血統は地味だが配合形はサンデー系×ヘクター牝馬と同じで、決してスプリンターではないのにスギノエンデバーをねじ伏せたすずらん賞はソコソコ評価できる。

京都11R 京都記念
◎4.ダノンシャンティ
○12.ヒルノダムール
▲2.トゥザグローリー
△1.オウケンブルースリ
×5.メイショウベルーガ
注3.ビッグウィーク
トゥザとヒルノの56キロは買いやすいが、トゥザは母譲りのあの頭が高く前を手繰る走法が、京都外回り良で上がりの競馬になったときに斬れ負けしないか、そこが一つ不安点としてあげられる。ヒルノにとって京都外2200mはベストコースかもしれないが、日経新春杯でも58を背負って仕掛け遅れ気味のローズキングダムに詰められていた。となると58を背負ってもローズキングダム級の4歳ならば、つまりまともにG1級ならば56のヒルノと五分にやれる可能性は高い。◎はフジキセキ産駒で体型に伸びがないが、ヘイローのクロス馬らしい無駄のない脚捌きはマイラーというより1800~2000mベスト。燃費のいい走りなので、極端にスタミナを要する流れにさえならなければアッサリ差し切りだろうという読みで。

京都9R 木津川特別
◎6.リアルハヤテ
○14.ランリョウオー
△9.ザバトルユージロー
×8.ガンダーラ
注10.エリモクイーン
傑出馬不在で難解。格上挑戦の連闘でも○の上がり目に期待する手もあるが、◎はマンカフェ×ブラッシンググルームの黄金配合で、サンディエゴシチーに似たマイラー体型だが、ホットスパークが出る牝系が軽くてハビタットを引く馬に多い後肢が非力なタイプ。だから平坦芝マイルがベスト条件で、現実に昨年9月のUHB賞(札幌芝1500m)ではブリッツェンと接戦の2着がある。あれだけ走れば足りるメンバーだけに、この人気なら少し手を出してみたい。

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重賞の予想は木曜に「血統クリニック」の原稿を書き上げた時点で大方固まっていることが多いわけですが、先週の場合はとにかく東京と京都は開催が通常通り行われたということと、また日曜は良でやれそうだという見通しが立った時点でなんというか幾分ホッとしたというか力が抜けてしまったところがあって、土曜夜の段階では「東京芝は内から乾く」にまで頭が回ってなかったというのが正直なところで、寺町オメガさんが指摘してましたが、私は当日の8Rや10Rを見て「あ、そうや…これは内伸びのパターンやった」とやっと気づいたんですが、共同通信杯は昨秋の毎日王冠を思わせるようなイン3頭の叩き合い

まあしかし、この3頭がラチ沿いを走ってくると踏んだとしても、百日草のパフォーマンスを思い起こせば、同じ舞台でナカヤマナイトがディープサウンドを逆転するとは私には想像できませんでしたね…

いずれにしても、金取って予想してる人間がこういう予想のイロハみたいなところを忘れてるようではアカンなあ~と、そこは深く反省……

惜しかったのはダブルオーセブンで、スタート後はイン好位というこの日の馬場バイアスでは最高のポジションがとれかけたのに、最下位に沈んだパッションローズが前にいて少しずつ下がってくるのでいっしょにポジションが悪くなってしまい4角では最後方、ゴール前の伸びはサトノオーと並んで目立ちました

京都は9Rが父Redoute's Choiceと父オペラハウス、10Rが母父デインヒルと父オペラハウスで決まって、「外伸びで時計一つかかる馬場で、ヨーロピアンなパワー馬場になってるんじゃないか」的な話をメタボ博士としていたんですが、博士は母父Sadler's Wellsのメイショウベルーガから入ってました

ダノンシャンティはベストは1800mぐらいと思われるだけにスローの決め手勝負は望むところでしたが、スローすぎて前半1000mぐらい引っかかり気味でした…

このペースと上がりですからヒルノダムールの仕掛けのタイミングが早すぎたということはないと思いますが、ここ2走の内容はルーラーシップやトゥザグローリーに比べて成長がないといわれても仕方ないし、それは酷な言い方をすると母系の地力や底力の差がジワジワと出てきたということかもしれません

マンハッタンカフェはBlushing GroomやCaerleonやミスプロといった相性の良い血をもってくれば、フサイチコンコルドやラムタラやジェネラスやハートレイクの肌でも重賞勝ち馬を出してくる素晴らしい種牡馬ですが、しかしそれでも中距離のチャンピオン級を狙う配合となると、やっぱりレッドディザイアのようなキズがなく奥のある母系でないと難しいのではないかと

ヒルノダムールの場合はラムタラとL'Emigrantという、ズブさや力馬っぽさを伝えて成功したとはいえなかった種牡馬を通じてNijinsky≒The Minstrelの2×3を母が持つことが、G1級に抜け出せるかどうかというところにおいては少なからず配合的な弱点といえるのではないかということは、昨年のクラシックの前から指摘してきました

トゥザグローリーは母似の頭が高く手繰る走法で、京都外回りのスローで鋭く斬れるタイプにはとてもみえないのにこの強さで、パワーと粘りでチャンピオンを狙えるぐらいの馬になってきましたね~
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