即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

価格から価値へ

2012年03月28日 18時39分29秒 | 仕事
先日のカンブリア宮殿の話です。

テーマは
安さよりも“感動”を!
圧巻の品揃えで客を呼ぶ急成長スーパーの秘密


大手スーパーとは一線を画した経営で急成長中という北野エースの社長がゲストでした。
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節約志向が今なお続き苦戦をする小売業界の中で、急成長している企業がある。全国に49店舗のスーパーを展開する「エース」だ。その特徴は、客を圧倒する品揃え。関西から関東に進出して10年。無名のスーパーは、今や東京スカイツリーのショッピングセンター「東京ソラマチ」に出店するまでに急成長した。社長の北野が目指すのは、安さよりも「買う楽しさ」、量よりも「質」を売る個性派スーパー。その豊富な品揃えは一体どうやって実現しているのか?エースが作り上げた、客を飽きさせない驚きの仕掛けに迫る。

レトルトカレー350種類!客を感動させる店作り

「この店には毎日寄ります」「ここに来ると何か発見があるんです」。主婦たちが嬉しそうに話す店とは、スーパーの「エース」。野菜、肉、魚というスーパーの“顔”であるはずの生鮮品は一切置かず、グロッサリーと呼ばれる日用食品を中心に揃える。驚くべきはその品揃えの凄さ。例えば東京・調布の店には、醤油だけでも140種類、ドレッシングは195種類、レトルトカレーは何と350種類!他にも、東京ではなかなかお目にかかれない、全国のこだわりの逸品が勢揃い。決して安い品ばかりではないが、客を感動させる店づくりと選べる楽しさで、お客を魅了し続ける急成長のスーパーなのだ。

他にはない質と品揃えの裏に…知られざる攻防戦!

実はエースの品揃えは、各店舗によって大きく違う。例えば高齢者の多い浅草店は「和菓子」が豊富。駅の中に出店する大宮店は、通勤途中に立ち寄る人たちをターゲットにした「弁当」や「総菜」を多く取り揃えている。その品揃えを決めるのは、実は各店舗の店長たち。一般的なスーパーでは、本部が一括仕入れをして店に置くのが普通だが、エースでは「お客の欲しい物は店が一番知っている」をポリシーに、仕入れは店に任せている。
“多品種少量”しかも、全国の珍しい品々。エースにはそれを実現する、独特の仕入れの仕組みがある。商品バイヤーが新たな商品を見出し、それを「社内商談会」の場で店長が買い付けるのだ。売り込む「バイヤー」vs売れる商品を見極めたい「店側」。“真剣勝負”の現場を追う!

「倒産の危機だった…」激安スーパーからの大転換

「エース」の本社は兵庫県尼崎市。その始まりは、実は「激安」を売りにした大型スーパーだった。しかし、90年代に入ると近隣に大手ショッピングセンターが次々と進出し、経営が悪化。
「このままでは倒産してしまう…」社長の北野は大勝負に出る。それが、安売りをやめ品揃えを売りにした、現在の店舗の始まりだった。1号店出店は10年前のこと。だが当初は赤字続きで、関西の店舗の黒字を食うだけの日々…。
だがある日、北野のもとに大手デパートの幹部が訪れる。「うちに出店しませんか」。ここからエースの起死回生の挑戦が始まった!
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もともとは激安スーパーだった北野エースが伸びている秘訣。
実にシンプルな話だと思いました。

価格から価値への方針転換。

今、どの業界も同じ状況にあると思うけど、どんどん価格競争に巻き込まれて疲弊していく企業群と、そこに陥ったら先はないと気づいて自社の独自の価値を生み出している企業群に二分されているのだと思う。

そして、安くはない、ちょっと高いけど、この価値にだったらお金を払ってくれるという客がうまくついて来れば勝ち組になる。

大手スーパーがやっていることの正反対をすればいい。
大手スーパーがその規模ゆえできないことをやればいい。
量より質。
標準化より地域差の最大化。

野菜、肉、魚などの生鮮品は大手にまかせて捨てた。
日用食品の中でも、大手有名メーカーの普及品も捨てた。
醤油でもレトルトカレーでもそれ以外のマイナーなメーカーのものをとことん幅広く品揃えした。

店毎の客層の違いを徹底的に洗い出し、客が要望するものは全部揃えることによりさらに地域密着の店になっていく。

大手にはない自らの価値を創造すること。
大手がやろうと思ってもできない局地戦を展開する。
大手が得意なことはあえて勝負せずに捨てる。

普通ではない特徴を出す。
明確な差別化をする。
はっきりと言える独自性を持つ。

こういう人、こういう動機、ならお応えしてます。
こういうものがほしければ必ず満足できます。

この店だけのシンプルなメッセージがある。

普通の品揃えでなく、この店にしかない壮観な商品が所狭しと並ぶ。
あー、こんなのがあるんだ。
へ~、これ、面白そう。
こんなの初めて見る。
これ、食べてみたい。
これもいいけど、こっちも試してみたい。

見ているとどんどんワクワクしてくる。

以前書いた記事、浜口隆則さんの戦わない経営の話に通じます。

誰も旗を立ててないところに旗を立てる。
戦いを略く(はぶく)ので《戦略》。

今の時代、何でもそうだと思います。

人と違う自分だけの個性をできるだけクリアにする。
エッジを立てる。キャラを立てる。
自分だけの思い、主張、メッセージをできるだけ発信して共感を持ってもらう。

横並びになって価格競争に巻き込まれたらどんどんそっちの方に行ってしまい、泥沼、底なし沼になってしまう。
川島さんもいつも書いているように、自分とは何か、自分の強みや価値は何か、を絶えず追求する姿勢こそが現代を生き抜く唯一無二の方法なのではないかとつくづく思う今日この頃です。
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線路内人立ち入りの心理学

2012年03月24日 10時27分34秒 | 「線路内人立ち入り」研究
最近はかなりブログ更新をさぼっているというのに、時々突然かなりのアクセスが殺到することがある。
そう、ご存じ、「線路内人立ち入り」によるものです。
相変わらず世間では頻繁に人が線路内に立ち入っていて、そのために電車が遅れ、現代人のストレス増加の一因になっているようです。

なんで急いでいるのに電車止まっちゃうんだよ。
えっ、線路内に人が立ち入っただとお?!
なんでまた、線路になんか立ち入るんだよ、人騒がせな。
そんな馬鹿なことしてんのは、どこのどいつだ、出てこい!
大体なあ、電車がしょっちゅう走ってるというのに、線路内に立ち入るなんざあ、自殺行為じゃねーか。
たくさんの人に迷惑かけた上に、そんなあぶねえ橋を渡るなんざ、そんじょそこらの素人じゃねえな。

どちらにしても、線路内人立ち入りはますます横行しているようだし、それに出くわした人は、
『大体、線路内に人が立ち入るっていうのは、どんな奴がどんな時にどんな気持ちで何のために入り込むんだ?』
って疑問が渦を巻くことになる。

そんな折、つい最近のYahoo知恵袋に出てました。
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質問:

心理学の見地から、どう思いますか?
最近も、JR等で「線路内に人が立ち入ったため、遅れております。」と言うのが私のいる地域では多い様に思います。 人が立ち入るにも様々なパターンがあると思うのですが、心理学的に考えて、なぜ立ち入ってしまうのだと思いますか?

ベストアンサーに選ばれた回答

意識して線路内に入り込み、自殺をしようとする人が多いと思います。
瞬間的に“魔が差した”人もいると思います。
それと同じくらいに「無意識」に入り込んでしまう人もいると思います。
線路や踏切、ホームなどに、まるで何かの力で背中を押されるような感じでフラフラと入り込んでしまうのです。
“憑りつかれた”ように夢遊病みたいな感じになってしまうのです。
精神状態が正常な判断をくだせなくなっています。
線路の上で寝転ぶ、うずくまる、しゃがんでしまう、動けなくなる、
みんな自分の意志ではなく何かの意志に操られています。
この人たちの“目の焦点”は合っていなく、しかもうつろで、向こうの世界を見ているのだと思います。
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うーん、線路内人立ち入り研究者から見ると、いかにもというアンサーです。
もちろんケースバイケースなので、上記のような心理状態のこともあるのでしょう。

魔がさした、無意識、夢遊病、とどれも正常な心理状態ではない、とのことですが、これは部分的で一面的な解釈です。

どういう心理状態で立ち入った人が何%か、というデータは残念ながらありません。
東電と同じように、JRもこの手のデータを開示してくれません。
というよりも、どこかの議事録取ってないのと同じ類の話で、基本的にデータ取って分析するということをやってません。
何の問題意識もありません。

過去、この問題について掘り下げ、JRや新聞社などに問い合わせの電話、メールもたくさんしました。
まだまだ解明できてないこともたくさんあり、奥の深いテーマであるので、(最近さぼってましたが)今後もライフワークとして真剣に取り組んでいく所存です。

なぜ、人は線路内に立ち入るのか?

つまり、線路内人立ち入りの問題を研究する、ということは、紛れもなく現代社会そのものを研究する、ということに他なりません。

現代人の、心理、生活、欲求、などが、線路内の事件、事象に見事に凝縮されているのです。


過去数年にわたり研究を重ねてきた足跡をご覧ください。
線路内人立ち入り研究アーカイブ

そして、どうも不可思議で腑に落ちない、適切な解が見つからない、と皆がもやもやしていたところ、一昨年秋に、
『線路内人立ち入りっていうのは、JRの隠語で痴漢が現れたってこと』
という都市伝説が突然流れ始め、このブログはいまだに破られていない過去最高アクセス数を記録しました。
いまだにtwitterをはじめとしてネット上の話題になっているようだし、ハナからそう信じて疑わない人もかなり増殖しているようです。

「線路内人立ち入りは痴漢の隠語」都市伝説
線路内人立ち入りと隠語のお勉強
線路内人立ち入り痴漢隠語都市伝説・その2
線路内人立ち入り痴漢隠語都市伝説・その3

そして、その後の考察、研究について。
うわさを科学する
“線路内人立ち入り”が教えてくれること
電車遅延は時代と共に
「線路に人が立ち入った・痴漢・隠語」でアクセス急増
「線路内人立ち入り」は続くよ、いつまでも~♪

こんなにたくさんの人が「線路内人立ち入り」について興味を示す裏には、
“これだけ頻繁にあるのはどうもおかしい、不思議だ、何か裏にあるに違いない”、と誰しもが思っているからに他ならない。
そういう背景があったからこそ、この都市伝説が生まれた、というわけなのでしょう。

上記「うわさを科学する」、という記事にも書きましたが、この手のことに詳しい中央大学文学部の松田美佐教授(社会情報学)の文献も参考にしつつ導いた結論としては、

「必ずしも意図をもって流されるわけではなく、事態を解釈したいという気持ちが自然発生的に“うわさ”になる。その奥底には隠された我々自身の恐怖や願望がある。」

ということです。

つまり、あれは痴漢のことだよ、と訳知り顔で言うと、あーそうなんだ、どうりで、納得、ということになる。
心の不安が安定につながる。

先が見えない現代社会においては、原発のことだけでなく、わからないことがどうにもならない不安を増殖させる。

ということで震災から1年を経て、今後の日本の明るい未来を描くためには、「線路内になぜ人は立ち入るのか」、を全力を挙げて解明していくことが大きなファクターになると信じてやまない今日この頃なのであります。
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とんねるずのきたなとらん☆三つのお店訪問

2012年03月18日 20時46分25秒 | 外食
さて、ブログ更新もままならない中、久保さん無冠転落のショックも癒えぬ中、こんな記事でお茶を濁します。

先日、鴨川に出かけた際、ずいぶん前にオンエアされてチェックしておいたお店に行ってきましたのでご紹介します。

鴨川市内にある春楽(しゅんらく)というお店。
地図はあったのだけど、見つけるのに結構難航しました。

そして、じゃじゃーん!
やっとのことで発見。こんな店構えです。

やってんの?って感じで恐る恐る壊れかけた戸を開けてみると、いや、びっくり。なんと、満席です。
時間は午後二時を過ぎてたというのに。
さすが星三つだけあります。

番組の紹介コメントは下記。
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・小屋みたいな店
・地元で有名
・看板がボロボロ
・かなり狭い
・エビもイチオシ
・漬物がタダで出てくる
・でっかいイチゴもタダで出てくる
・ノリさん大好きあんがかり焼きそば
・お母さんがカメラにかぶる
・ロースカツも絶品

創業61年 小屋感丸出しというか小屋そのものの食堂
創業当時から変わらない建物で和洋中すべての料理が出る
昭和25年創業 進駐軍にも出前をしていたという老舗の食堂
一風変わった「焼きそば」が地元で古くから愛されている
焼きそば:フライパンでカリカリに固焼きにした麺の上に野菜たっぷりのあんがかかった春楽自慢の一品
エビフライ:超特大のエビを通常の揚げ方の他に先代から伝授された卵を2度づけする揚げ方があり2種類の食感を楽しめる一品
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入れるかどうかと思って逡巡していても誰も何も言ってくれない。
客はもくもくと食べてるし、店の人(年配のご夫婦)は作るのに精いっぱいでこっちなんか気にしてくれない。
いいのかなあ、客は皆地元の知り合いの客みたいだし、帰った方がいいのかなあ、と声もかけにくいししばし迷うけど、ここまで来たのだから勇気を出すことにする。
うろうろして少し待って席が空いてから思い切って入ってみる。
いらっしゃいませ、も、こちらにどうぞ、も何もないので、座敷の空いた狭い席に勝手に座布団敷いて座る。
声かけないとだめだと思って、評判の焼きそばとエビフライを注文する。
もう売り切れ、とか、時間だとか、って言われそうな気もしたけど、結構愛想のいいお母さんが、量があるから、エビフライはご飯つきでなくていいんじゃないって言うので、すんなり従う。
お茶が出る。きょろきょろ店内の様子をうかがう。ほんと雑然というかかまわないまんま。
客は小さな子供を連れた家族連れもいるし、仕事の仲間みたいな若い人たちもいる。
灰皿も置いてあるし、隣の客は食事終わってプカプカしてる。狭い店内に煙がたなびく。

そしてしばし待って出てきたのがこれ。
湯気とともにアツアツの焼きそば。中はかなり焦げてカリカリになったソバ。混ぜて一緒に食べた食感が抜群。

2種の揚げ方の特大エビフライ。とりあえずそのデカさにびっくり。

両方ともその伝統の味はかなり美味しかったのだけど、なんと言ってもそのボリュームがすごい。
特に焼きそばはなかなかなくならないほど具も麺もたっぷり。

無料のおしんこ。これがまた美味い。

せっかくなので床の間から拝借してこんなショットを。(星三つの賞状はどこにもなかったです。)

途中からは客も皆食べ終わって帰ってしまい、僕ら二人だけ。
店主ご夫妻と会話する。
地元の人間だと信じて疑わないので、いろんな地元ネタを聞かされ相槌を打つ。
そこにまた客が来たのだけど、『すみませんね、もう今日は閉めるんで。』ってことで帰してしまう。
聞いてみるとその日はお父さんの71歳の誕生日でこれから娘さんが祝ってくれるとのこと。
もうこんな歳だから誕生日なんて、と言いつつもまんざらでなさそう。
お母さんが、『あたし誕生日のことすっかり忘れてたのよ。娘が言ってきてくれなかったらね。』なんてにこやかに言う。
いい雰囲気だ。
ってことで僕らはその日の最後の客となり、入る時のあの不安感とは打って変わってお茶をお変わりしつつしばし和やかにくつろぐ。
『いつもこんなに混んでるんですか?』
『そうねえ、大体こんなもんだなあ。今日も何組かいっぱいだったんで帰ったよ。もう歳だからあまり来てもらってもねえ。』

こんな店もあるんだなあ。
ちゃんと賑わってるもんなあ。
地元に根付いてるもんなあ。

店内はこんな感じ。座敷とテーブル席。



座敷に貼ってあったポスター。

座敷から台所が丸見え。

メニューはこんな感じ。意外と多い品ぞろえ。



エビフライ1400円と焼きそば650円、〆て2050円をお支払して、誕生日のお祝いを述べ、帰ってきました。
ご馳走さまでした
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前後際断

2012年03月09日 00時15分55秒 | 将棋
つい最近将棋関係の方々と飲む機会に恵まれたこともあり、久々の将棋ネタです。

将棋界の一番長い日、A級順位戦最終局について。
僕もこの日は毎年特別な日で何はともあれできるだけ観戦に没頭できるような環境を整えていました。
毎年自分でもあきれるほどこんなに興奮して下記のような記事を書いていました。

2008年の記事。
一番長い、かつ素晴らしい一日
A級順位戦が終わって

2009年の記事。
将棋界の一番長い日・大胆予想
一番長い日を終えて

2010年の記事。
いよいよ将棋界で一番長い日
一番長い日の大盤解説会
一番長い日の解説 淀川長治バージョン

2011年の記事。
いよいよ決着、一番長い日
一番長い日が終わって・・・

さて、今年も大盤解説会には行かなかったものの、昼はモバイル中継、帰宅後は夜中まで衛星放送としっかりと観戦して、勝負の醍醐味を味わい、それぞれの棋士の心理に思いを馳せました。

相変わらず将棋関連ブログ第一人者の巨匠トップ棋士たちの激闘を生々しく綴ってくれています

羽生二冠の全勝は見事というよりないです。
先日の朝日杯準決勝、決勝と同じように、終始危なげない戦い方で、以前よりも安定感もあり充実ぶりがうかがえます。
昨年の名人戦七番勝負での負けがどれだけ悔しかったことなのでしょうか。
是が非でも奪還するとの意気込みや執念がこの盤石の集中力を生んでいるのだと思います。

さて、今回の僕の見どころ、ポイントは、

久保さーーーん

の一点です。

春は森内、夏は羽生、
秋は渡辺、冬は久保。


なわけで、この時期はさばきのアーティストの華麗な指し回しを堪能する季節です。

今回の王将戦、棋王戦について書いた羽生世代の逆襲という記事をはじめ、以前これだけ久保二冠について書いてます。

充実のアーティスト
アーティストの感性
新王将の人柄
二冠の花が咲いている♪
久保二冠優勝記念+誕生日記念、大和証券杯決勝大盤解説会レポート
折れない心
王将戦第一局
今の自分の力を全部出し切る

王将戦、棋王戦でもかなり苦戦している。
いつもの流麗なアートが描けていない。

そして、丸山・久保という一番冷酷極まりない戦いが一番最後まで残る。
どんなに敗勢でも投げるに投げられないその思いは想像を絶するものがある。

久保二冠は今回絶対に勝つだろうと信じていた。
疑わなかった。

それがまさかの敗戦、そして降級という結末。

以下は昨年の一番長い日の記事の一部です。
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棋士ってかっこいい。
指し手や盤上での勝負の迫力もそうだけど、それぞれの棋士たちの戦う迫力ある姿に感動。
将棋一筋に挑戦や生き残りを賭けて、最後まであきらめずに盤上その一手に全精力を傾ける姿勢。
いくら苦しくても、自分を信じて、己の魂をどこまでも呼び覚まし、限界まで引き出してチャレンジし続けていく。

特に、久保さんの姿勢、表情、所作は美しかった。
最後の最後まで森内玉に喰らいついていく激しさとはうらはらに、そのたたずまいには独特な気品が漂う。
勝負師としてのあくまでも純粋な真剣さ。
研ぎ澄まされた自己の信念の追求。
あまりにセクシーであり、崇高な美しさが漂っていて、妙な気持ちにもなってしまう。
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昨年はこう感じたのに、今年の久保さんはちょっと違った。
ずっと苦しかったのかもしれないけど、どこか弱弱しいというか、うちに秘めた毅然とした強さや信念みたいなものがあまり感じられなかった。

前後際断。

久保二冠が最近いろいろなところで使っている言葉ですね。

禅の言葉で、
『過去はどうあがいても変えられない。
未来におびえても仕方がない。
未来という“前”と過去という“後”を切り捨てて、“現在”に最善をつくす。』
という意味です。

今回の順位戦の結果をきっぱりと切り捨てて、進行中の2つのタイトル防衛に向けて集中することができるかどうか。
二つのタイトル戦ともカド番を迎えていることも全く関係なく、無心に、自然に、目の前の一局一局、盤上の一手一手に自分が今できる最善最大の力を出せるかどうか。

久保さん、応援しています。
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あれから一年

2012年03月08日 17時12分31秒 | 3.11
しばらく更新を怠ってるうちに自分にも、そして世間も将棋もサッカーもいろいろなことが起こっています。

自分のことと言えば、先日の記事でも書いたけど、最近PCがトラブってしまい、かなり追いつめられた状況が続いていました。
仕事もそうだし、何よりも目前に迫った確定申告のデータがおじゃんになってたらこれは一大事ということでかなり青ざめていました。

そして悪戦苦闘の日々。
いろいろ教えてもらったりして、結局はつい最近データ救出に成功しました。
PCからHDを取り出して、借りてきたアダプタをそこに差し込んで他のPCのUSBにつないで読み込むという作業。
いろいろ時間はかかったけどデータを失うことで使わなきゃいけない膨大な時間のことを思えば本当によかったです。
とりあえず確定申告も無事終了、一安心です。

なわけでブログ更新が滞っていたという言い訳なのだけど、マジにブログどころではない心境でした。

ここのところ首都直下型地震に備えて万全の準備を、というニュースや情報でいっぱいだけど、備えあれば憂いなし、何でも先を読んでいざという時のために抜かりなく手を打つことの大切さを思い知らされました。
頻繁にバックアップすることですね。

さて、元旦早々にもあったけど、ほんとよく地震が続きます。

そう、あっという間にあれから一年です。
今週末にかけて、イベントや特番など、かなりヒートアップしそうです。

いろいろな記事を見ていると復興の方はまだまだ進んでいるとは言えないですね。
当然かもしれないけど、ボランティアもかなり減ったみたいし、寄付金もあの頃に比べたら格段の違いらしい。
日本人特有の喉元過ぎれば、ってやつです。

このサイトの写真、あの時と今の違いが一目でわかります。

これは世界報道写真コンテストの1位の写真。
がれきの中から娘の卒業証書を見つけて満面の笑みを浮かべている女性です。


そして、これ。
ほぼ日刊イトイ新聞 - それぞれの3月11日
ずっと1年前のことは忘れずにしっかり受け止めて置きたいと思うし、これから先、自分の生き方を決めていく上でも大きな影響を与える出来事であることに変わりはないと思います。

自分も、社会も、あれを契機によくなった、というようにしないと。
あれがあったからこそ今の自分の幸福がある、と。

あのお蔭で気づかされたこと。
あのことがあったからこそ成し得たこと。

あれがなくてあのまま行ってたらもっとずっと悲惨なことになっていたはず。

あれからいっぱいいろんなことを考えさせられ、下記のようにブログにも書いてきました。

東北地方太平洋沖地震について

東北地方太平洋沖地震について・その2

どう生まれ変わるのか

大地震について考える日々

無事を祈る

役立つように使いたい

無事確認

地震について考える日々・その2

地震について考える日々・その3

地震について考える日々・その4・田坂さんの講演会

地震について考える日々・その5

地震について考える日々・その6

地震について考える日々・その7・「デフォルトを変える」

僕らはどう受け止められるのか

地震について考える日々・その8・公平とは?

原点怪奇

復興の狼煙ポスタープロジェクト

犬が好き

風化させない決意

天の警告?思いやり?啓示?

ニッポンの夏のステキなポエム

3.11からもうすぐ半年

天の警告

書いてた時はわからなかったり勘違いしてたりしたけど、今になって見えてきたこともたくさんあります。
もっともっと勉強したり、追究したり、考えていかなければいけないとマジに思ってます。

そして今年の3.11。
今まで以上にまわりの人やいろいろな人に感謝をしつつ、絶対に風化させてはいけない、と改めて誓う日です。
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