英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season15 第15話「パスワード」

2017-02-16 21:51:16 | ドラマ・映画
ツンデレの恋物語
・ヘアカットの不満に関する真奈美と小松崎の言い争いは、気心が知れた者同士のじゃれ合いにしか見えない
・真奈美と吉田ののろけ振り(石焼き芋、ラブレター)は、上っ面だけっぽい
  ラブレターを後悔しようとする真奈美に、「ちょっとそれやめてよ~、恥ずかしいよぉ」という口調も、聞いていて恥ずかしかったが、「君が泣きたいと思った時、泣ける場所に僕は成りたい」…内容も恥ずかしかった
・「なんでもづけ漬け言ってくるし、あの人(小松崎)がどんな顔なのか知らないけど、私の中では相当“憎たらしい顔”になっていますから」
・小松崎が真奈美にあてた手紙……縦に一字ずつ読むと「あいしてます」
・真奈美を愛してしまった小松崎は改心した……その結果、吉田と仲間割れの末、殺されてしまう


「あたし、何が嘘で、何が本当とか、見えないし、
 あなたがどんな顔を手を差し伸べていたとしても、あたしにはそれが見えないし、
 あたしは勝手に幸せでいられるから……それでいいい。
「せっかく暗い所から出てきたのに……
 あなたが明るいところを思い出させたの。
 普通の幸せなんか見ないようにしていたのに、あなたがそれを見せてきたの」
「お前がいる世界にはさぁ、やさしさとか、愛情があふれている。
 それをまっすぐ受け取らず、不幸だと拗ねているだけなんだよ。
 おまえのおかげで、どうしても抜け出せないところから、やっとさよならできる。
 ………………ありがとな」
(小松崎)
「あたしのこと、どう思ってたの?」
「俺が何を言っても信じねえだろ」
真奈美は香水『シエル・ブルー』を小松崎に手渡し、その場を去る……

…………ここまで彼女に言わせたのなら、小松崎も素直に気持ちを告げればよかったのに、あんな捻くれた暗号手紙なんか渡さないで…………


頑張ったトリックや技法・手法
盲目女性の頑張った殺人計画と侵入者察知システム
・香水を引き出しに入れておいて、誰かが開けた場合、匂いで察知できる
・香水の材料の無水エタノールが揮発性の高く引火しやすいことを利用して、それを地下室に充満させて、吉田を殺害しようとした
・「小松崎からの手紙を読んで」と頼み、吉田に遺産のありかを教え、殺害場所におびき出す

詐欺コンビ関連
・「メールサイトを利用して、下書きを保存、パスワードとメールアドレスを共有していれば、下書きを見ることができるという手法で、連絡を取る(メールをやり取りしなくてもよい)」という手法は、どこかで見たような気がする(『相棒』?)
・点字は右から左に文字を打つが、吉田は左から右へ文字を打つ仕草をしていた(吉田は点字を打てない)。
 ドラマ冒頭、点字を打つシーンがあったが、点字を打っている者を画面上にして、視聴者には「点字は左から右に打つ」と錯覚させるのは反則に近い


真奈美の名言集
「私は何をされているか分からないことの方が多いですから」
「“普通”が私の場合、“特別”なんですけど」
「あなた(右京)はきっと、血も涙もないロボットみたいな顔してるんでしょうね」
 これに対し、冠城は香水を嗅いで「いい匂いだ」と。
 冠城らしい締め方だ。尊だったら、「確かに、仰る通りですね」と言うような気がする。


 ツンデレ恋物語、私は好きだな……脚本はseason15 第3話「人生のお会計」の櫻井智也。≪なるほど≫という感じ。
 
 いろいろなトリックやベタな暗号も評価できる。

 しかし、不可解なストーリー展開も散見
・実の娘には何も残さず、愛人の娘に財産を譲るのは不自然。罪滅ぼしという意味は分かるが、実の娘にもちゃんとした父親ではなかったようなので、等分するのが自然ではないだろうか?それなのに、それなり仲良くつき合い異母姉は心が広い
・自宅ならともかく、相続した別荘には慣れていないはず。目の見えない真奈美が、そこにあのたくさんの香水の瓶を並べるのは無理がある
・困難が多い殺害より、小松崎が託した犯罪証拠(メールのやり取り)を警察に提出し、詐欺と小松崎殺害で服役させた方が小松崎の意志に沿うし、真奈美も罪を犯さないで済む
・真奈美に殺人の罪を犯させなかったのは良かったが、阻止するのなら、瓶の中身を水にすり替えなくても、撤去するだけでよかったはず。そうすれば、「殺人未遂」にもならなかったかもしれない。
 地下室で伊丹と芹沢がちまちまとした作業をしていた図は面白いとは思うが……
・小松崎が吉田と手を切ろうとしたが、吉田が逆上するのは予想できたはず。
 吉田も安易に人を刺し過ぎ。

【ストーリー】番組サイトより
介護ヘルパーが自室で刺殺される事件が発生
事件の鍵は、盲目の女性が手作りした香水!?


 胃潰瘍で入院した幸子(鈴木杏樹)の見舞いで病院を訪れた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、思いがけず病室で伊丹(川原和久)たち捜査一課と出くわす。聞けば、小松崎(小林且弥)というヘルパーが刺殺された事件に関して、腕を負傷して入院中の真奈美(橋本真実)という盲目の女性に事情を聞きに来たらしい。
 真奈美は訪問介護サービスを利用する際、度々小松崎を指名していたという。捜査に乗り出した右京と亘は、被害者である小松崎にも不審な点があったことを知り、部屋を捜索。すると亘が、部屋に置いてあった手作りの香水と、同じ香りをさせていた人物がいたことに思い当たる。それは、交際相手について真奈美と病室で揉めていた姉の貴子(池津祥子)だった。
 さっそく、本人から話を聞くと、香水は真奈美が趣味で作っているものだという。ただ、貴子いわく、真奈美と小松崎はいつも言い争いばかりしていて、プレゼントを渡すような関係ではないらしい。だとしたら、なぜ小松崎が真奈美の手作りの香水を持っていたのか!? また、貴子の話から、真奈美と貴子が実は腹違いの姉妹であることや、吉田(田中幸太朗)という真奈美の恋人を、貴子がいぶかしく思い、交際に反対していることも分かる。
 そんな中、小松崎が介護をしていた相手から、詐欺まがいの寄付を集めていたことが発覚。さらに、小松崎の部屋から、なぜか貴子の指紋が発見されて…!?

盲目の女性を取り巻く人物それぞれに不審な動きが…
ヘルパーは誰に、なぜ殺されたのか?
右京の正義感と優しさが、意外な真相をあぶり出す!


ゲスト:橋本真実

脚本:櫻井智也
監督:池澤辰也
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「恣意的」と「意図的」

2017-02-16 10:18:57 | 日記
 最近の記事で「~したのは恣意的なものを感じる」という表現をした。
 「恣意的」=「意図的」と考え、「恣意的」の方が格好いいと思い、「恣意的」を使用したのだが、誤用で「格好悪く」なってしまった。

 「恣意的」を検索すると
・[形動]気ままで自分勝手なさま。論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさま。「恣意的な判断」「規則を恣意的に運用する」(『goo辞書』)


 また、「“意図的”と“恣意的”の違い」で検索すると

 意図は「何かを行おうと考えている事柄や、思惑、もくろみ」のことで、意図的は「目的や考えを持ってわざとするさま」を表す。
一方、恣意は「気ままな考えや、自分勝手な考え」のことで、恣意的は「論理性がなく、思いつきで行動するさまや、自分勝手なさま」を表す。
 「意図的に編集する」といった場合、何かしらの目的や思惑を持って編集することを意味するが、「恣意的に編集する」といった場合は、自分勝手に編集する、思いつきで編集するという意味になる。
 また、意図的の類語に「作為的」があるが、意図的は良かれと思ってする場合にも、悪意を持ってする場合にも用いるのに対し、作為的は良かれと思ってする場合には用いられないため、必ずしも、意図的を作為的に置き換えられるとは限らない。
(『違いがわかる事典』)

 さらに、旺文社『国語辞典』では
「恣意的」…①その時々に思いついたままにふるまうようす。②必ずしも必然的な関係にないようす

とある。

 ②の意味が良く分からないので、更に検索すると『orange情報舎』「恣意的の意味・意図的との違いなどを分りやすく丁寧に」の記事に
1.その場の思いつきで行動する様子
2.好き勝手に物事を解釈する様子

 とあり、辞書の②が拡大解釈されて、2の「好き勝手に物事を解釈する様子」と使用されていると考えられる。


最近は、この「好き勝手に物事を解釈する様子」の意味で使用されることが多いので、「意図的」=「恣意的」と思ってしまったようである。
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新・情報7daysニュースキャスターの天気キャスターの導入コメント

2017-02-11 23:29:16 | 時事
 新・情報7daysニュースキャスターの天気キャスターの導入コメントがあまりにも無神経だったので、TBSへ「番組へのご意見」に意見を送りました。
 おそらく、無視されるので、ブログに挙げておきます。

===============================
「今日の関東は良いお天気でしたね。あすも良いお天気です」
正確ではありませんが、こんな感じで、天気概況・解説などを始めました。
直前は大雪の報道だったので、繰り返す必要はないと考えたのかもしれませんが、だからこそ、大雪の件から触れるべきでしょう。
この番組に限らず、関東中心の天気予報が多いのですが、「今回の大雪は関東地方には全く関係のない」というような意識が感じられ、あまりにも酷い導入のコメントでした。
===============================


内容種別欄があり、選択項目は次の通り。
・お問い合せ
・要望
・好意的意見
・批判的意見
・苦情
・他メディア
・その他

 やけに細かい分類です。「他メディア」てどういう場合なのでしょう?
 ちなみに、この選択欄は“必須項目”です。
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小浜市、大雪……積雪75センチ、鳥取県鳥取市も85センチ(2017年2月10日~11日)

2017-02-11 12:21:02 | 気象
「小浜の24時間降雪量、最多記録 積雪60センチ超は5年ぶり」(『福井新聞 オンライン』2017年2月10日午後9時55分)

 福井県内は10日、上空に強い寒気が入り込み、奥越を除く県内全域に大雪警報が発表された。降雪は夕方以降強くなり、小浜市では6時間で60センチの雪が積もり、5年ぶりに積雪が60センチを超えた。同市の午後9時までの24時間降雪量は74センチで、1980年の観測開始以降で最多を記録した。福井地方気象台によると、雪は嶺南を中心に12日にかけて断続的に降る見込み。

 小浜市の積雪は10日午後9時現在で69センチとなり、過去5番目の多さを記録。そのほかの同時刻での積雪は大野市九頭竜104センチ、大野市27センチ、福井市22センチ、越前市15センチ、南越前町今庄35センチ、敦賀市10センチとなった。小浜市は午後3時に8センチだったが、夜にかけて1時間に約10センチずつ雪が積もった。気温は県内10観測地点全てで氷点下を観測した。

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 小浜市が凄いことになっている。昨日午前9時では積雪1センチ、午後3時で8センチだったが、午後4時21センチ、5時32センチ、6時39センチ、7時48センチ、8時58センチ、午後9時には69センチと、1時間にほぼ10センチずつ上積みされていく……
 昨日の福井市の最低気温は-0.9℃、最高気温は3.3℃だったg、最高気温を記録したのは午前5時半ぐらいで、午後は1℃台、夕方以降は氷点下に下がっていった。
 福井県嶺北地方は夕方過ぎから雪が本格化し始め、昨日午後5時で福井市9センチ、武生7センチだったのが、昨夜24時では福井市23センチ、武生20センチに。
 今日午前11時現在の各地の積雪は、福井市28センチ、武生26センチ、今庄59センチ、敦賀市47センチ、小浜市75センチ、大野市50センチ、九頭竜123センチ、金沢0センチ、富山市8センチ。
 敦賀は、今朝4時は20センチでしたので、それから27センチも積もったようだ。

【寒気の様子】
上空5000m


上空1500m


1月14日、15日(センター入試の頃)の寒気(まとめの記事はこちら


 先月のセンター入試の頃と比べて、寒気の規模はやや小さいが、西日本寄りに南下している。(上図では分からないが、寒気の芯の冷たさは今回の方が低いようだ)

 今回、予報が正確で、福井県嶺北よりも嶺南(敦賀~小浜)の方が“要警戒”と言われていた。
 また、降雪の分布予想も小浜市と丹後半島、山陰が濃い紫色(強い雪)になっていて、かなり正確な予報だった。


 下図は小浜市に掛かり続ける雪雲の様子。

 時折、黄色の雲(降雪が強い)も掛かっていた。青の分布が予想図とほぼ一致していた。

現在の雲の様子


 寒気は弱まりつつあるが、今日(11日)明日(12日)は大雪を降らすポテンシャルは維持しているので油断はできない。
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相棒 season15 第14話「声なき者~突入」 (前後編スペシャル)

2017-02-09 21:37:46 | ドラマ・映画
 まず、【前編で感じた疑問点(謎)の検証】
・暴行の被害者・真渕は、なぜ、少女を誘拐(声掛け)をしようとしたのか?
   ⇒“CARS”に依頼され、DVから逃げていた子供を父親の下へ返そうとした(実質は誘拐)
・立てこもり犯と母親は、何から逃げようとしているのか?
   ⇒DV夫から逃げていた
・クラウドソーシングサイト“CARS”の正体は?(真渕を雇った組織)
   ⇒社長は元暴力団で、あくどい行為を行っている
・立てこもり犯が要求した吉井聡美は、どういう女性なのか?
   ⇒立て籠もり犯・新堂司一家と親交があり、聡美も夫からDVを受けており、息子を強引に連れ戻され、疲れて自ら命を絶った(ホームに転落死)
・神部は誰の命令で何の捜査で動いていて、吉井聡美とどういう関連があるのか?
   ⇒職務ではなく、大河内も神部も個人的依頼で聡美の相談に乗ろうとしていた
・警察上層部のふたりは、事件とどういう関連があるのか?
   ⇒ひとりは法務省矯正局のホープ・新堂誠で“DV野郎”、もう一人は警察庁長官官房総務課長の山崎で、ふたりとも女性蔑視の思想を持つ団体の会員。新堂誠は今回の元凶。
・冠城が隠匿した封書は何だったのか?なぜ、隠匿したのか?
   ⇒冠城が、なぜ隠匿したのかは不明。特命係が捜査することが多く、時間的にも切迫していたので、冠城が勝手に捜査してくれた方が脚本的に都合が良い。
・高級腕時計も気になる
   ⇒関係はなかった(単に、一般的にいう“人生の勝ち組”を描写したかったのだろう)
・ニュースで報じられていた国際的犯罪組織“バーズ”は関係するのか?
   ⇒劇場版で暗躍するテロ組織らしい


 前編に散りばめられた情報(謎)が、後編で無難に集約されていた。
 “無難”という表現を使ったのは、≪もっと面白く出来た気がする≫から。

 前編でも感じたのだが、情報・謎が多く、さらに、籠城事件なので時間に猶予がないこともあり、特命の2人が捜査・推理するのがスピーディ過ぎて、じっくり考える余裕がなかった。一番の被害者は米沢さんかも。
 前編から1週間の間が空き、事件を整理することができていたので理解はできる。しかも、事件の根本は複雑ではないので、≪DV夫から逃げている≫という状況さえ把握できれば、展開や真相も見えてくるので、展開の速さと相まって推理する楽しみやドキドキ感は少なかった
 これが、2時間SPなら、もう少し時間配分(展開バランス)を工夫できたように思える。

 さらに、劇場版への導入や宣伝も兼ねているので、通常より脚本に制限が多かった。
 ニュースでテロ組織“バーズ”や“レイブン”の言葉が流れるのはご愛嬌だとしても、警察庁長官官房総務課長の山崎の事件の展開を見極め新堂誠を切り捨て、事件解決を自分の手柄にしてしまう狡猾さや、特命係を歯牙にもかけない傲慢さを表現しなければならなかった。(そのため、籠城事件捜査はさらに足早)
 “してやられた感”を充満させ、「スッキリしたいのなら劇場へどうぞ」というメッセージがくっきり見える。上手いなあと思う反面、面白くない。


 私は「DV夫から逃げていた」という主因に考えが及ばなかったが、巷では推定していた人が多かったようだ。
“妻や子供に暴力をふるう”など、全く理解不能。息子の生命より、自分の保身……許せない最低男だ!死刑にすべきだ。

 吉井聡美親子の件で立件しようとしたが、山崎に「パニック発作を起こすような子どもの証言では、公判が維持できない」と証言が不採用になった云々だが、証言が採用されても真渕や“CARS”の水野社長の逮捕までだろう。新堂と山崎が、吉井聡美の件に直接関与しているとは思えない。

 「人にモノを問う前に、キミも警察官として、まともに事件を解決しては如何です。失敬」
と、右京を相手にしなかった山崎の言葉だが、この言葉の意味がよく分からない。
 右京が違法捜査することを批判しているのか、山崎にとってみれば右京の功績など取るに足らないものだと言いたかったのか?もう少し、分かりやすい辛辣な言葉にして欲しかった。

 ラストで現在に戻って、冠城が今回の事件の半年後の事件(劇場版4)を回想する言葉が出る。でも、現時点から言うと“半年前”になり、やや興醒め。
 大盛り上がりの劇場版『相棒4』の予告映像が流されて、
「標的は50万人の命……『直ちに現場の捜査員全員に伝えてください!』『撃ってはいけませんっ!』という右京の叫びも、普通に進行している『相棒15』を観ているので、≪大丈夫だったんだよなあ≫と思ってしまう。(相当なひねくれ者である)
 甲斐峯秋あたりが、『相棒15』で一度も登場していなかったら、緊迫度が上がるのになあ。

 前後編や劇場版への導入など難しさもある中で、面白い出来だったと思う。

【ストーリー】番組サイトより
不可解な立てこもり事件の背景に権力者たちの陰が…!?
亘と尊、2人の相棒が右京と共に難事件に挑む!!!


 今から一年前に右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が遭遇した謎の立てこもり事件。膠着状態に陥る中、右京は尊(及川光博)から犯人の要求している女性・吉井聡美(及川莉乃)に関する情報を入手する。尊によると、すでに亡くなっている彼女の死因は自殺の可能性が高いのだが、なぜかその前の2か月余り幼い息子と姿を消していた時期があるという。
 いっぽう、亘は右京が立てこもり犯と目星をつけている新堂司(田中偉登)という高校生の家族について調べていた。司の父・誠(永野典勝)は法務省矯正局のホープだが、家族に暴力をふるっていた疑いがあり、妻や子供たちと別居中であることが判明。さらに、誠が女性蔑視の思想を持つ団体の会員であることも分かる。その団体には、省庁の重役も多く、警察庁長官官房総務課長の山崎(菅原大吉)も名を連ねていた。
 司は、誠から逃げるためにシェルターに身を寄せていた母と妹を通じて、同じくDVから逃れようとしていた聡美と知り合ったのではないか? しかし、だとしたらなぜ司は真渕(三浦英)に重傷を負わせ、人質を取って立てこもりなどしているのか…!?
 そんな中、右京の依頼で真渕のパソコンを調べていた米沢(六角精児)の報告である疑惑が浮上し、右京は真渕になりすまして立てこもりを続ける司の真の目的を察知。人質を含め全員を無傷で確保しようと動き出す。しかし、立てこもり犯が真渕でないことが公となり、司が危機的な状況に陥ってしまう。そんな中、なぜか事件を隠蔽しようと暗躍する山崎により、特殊部隊の強行突入が刻一刻と迫っていた。

立てこもり事件を起こした高校生の本当の目的とは!?
右京と亘は真実を解明し、巨悪の陰謀を阻止できるのか?
衝撃のラストが、「劇場版IV」に関連する因縁をもたらす!


ゲスト:及川光博 菅原大吉 六角精児

脚本:太田愛
監督:橋本一
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そんな馬鹿な!……三浦九段「許せない」観戦記者小暮克洋と名指し非難 【追記(謝罪)あり】【さらに補足(訂正)あり】

2017-02-08 14:15:36 | 将棋
将棋ソフト使用疑惑騒動で、谷川会長が辞任するなど余波が続いている中、三浦九段の復帰戦(竜王戦・対羽生三冠)も近づきつつある中、昨日、とんでもない記事が飛び込んできた。

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『「どうしても言いたいことがある」 三浦九段が初めて語った騒動の内幕』『IRONNA』)の一文……

 ………連盟も今回の騒動で大変な被害を被ったと思うんですけど、ただやっぱり悪意を持って、私のことや将棋界全体を苦しめた一部のメディアと一部の棋士、そして私が不正をしているという噂をまき散らし将棋界を無茶苦茶にした観戦記者の小暮克洋氏だけは、許せないという気持ちはありますね。
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 谷川会長辞任や『将棋世界』誌の経緯説明記事などに対する批判記事を書くつもりだったが、あまりに連盟理事会の呆れる対応や都合の良い理屈が多すぎて、キーボードを打つ手が重くなっていたが……

 小暮氏とは面識がある。
 どちらかと言うと?強面。言葉に強い意志がこもり、文章も同様である。
 将棋(将棋界)のことを熱く語るその言葉の端々に、将棋(将棋界)への熱い思いが感じられた。
 

 今回、渡辺竜王が三浦九段について疑念を持ち、大騒動に発展してしまった。

 人を疑うのは良くないが、行動を見て疑念を持つというのは良くあることではないだろうか。
 竜王が抱いた疑念を連盟の理事に相談したが、そこまでは通常の行為の範囲と考える。

 巷では、渡辺竜王が「“タイトルを剥奪されても構わない”と連盟の常務会(理事会)を脅して、三浦九段を追い落とした」とバッシングを受けているが、
「渡辺竜王の発言“疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない”について ~伝達力と読解力~」
 で書いたような渡辺竜王の覚悟を示した言葉だと私は考えている。
 しかし、将棋界のトップタイトル者の発言は大きく、慎重に動くべき理事会が暴走してしまった。
 週刊誌や世間の目を気にしすぎて大局を見誤り、小細工に走ったり、過ちを過ちと認めず、踏みとどまることができなかった。

 竜王も、≪竜王戦開催中にすっぱ抜かれては一大事≫と重大に考え、動きすぎてしまった……

 小暮氏は、渡辺竜王と親交が深く、初期の段階で竜王から相談を受けた小暮氏があれこれ動いたと考えられる。
 その動きがどういうものだったかは知り得ないが、三浦九段が述べたような「悪意を持ってめちゃくちゃにした」のでは決してない!と考える。
 小暮氏が、そんな恣意的な感情で行為を為すことは考えられない!


 渡辺竜王の行為に端を発し三浦九段にとって壊滅的ダメージ、将棋界にとっても大打撃となってしまった。
 しかし、その一番の原因・責任は、将棋連盟理事会(常務会)にあるのだ


 『IRONNA』の記事を読むと、三浦九段と家族は、苦しい…本当に辛い思いをしたと切に伝わってくる。
 その三浦九段だが、谷川会長(前会長)には「感謝している」と述べ、常務会の対応に多少の不満(将棋連盟があのとき「三浦は不正をやってないと信じています」という発表をしてくれていたらと思うことはあります)を述べているが、
「悪意を持って、私のことや将棋界全体を苦しめた一部のメディアと一部の棋士、そして私が不正をしているという噂をまき散らし将棋界を無茶苦茶にした観戦記者の小暮克洋氏だけは、許せないという気持ち」
 と感情を吐露している。

 “一部のメディア”“一部の棋士”に対しても怒りを表しているが、小暮氏だけ実名を挙げたのは、≪“三浦九段は連盟とはうまくやっていきたい”と思っているから≫と勘ぐりたくなる。
 連盟外部の一個人なら反発も少ない。 


 確たる証拠もないのに処分を下したのは、常軌を逸した行為である。(“休場届不提出”という処分理由もおかしい)
 その後の対応も、理事会独自の理屈、第三者委員会の“やむを得ない処置”(まあ、この判断も大いに疑問だが)を“妥当な処置”と歪曲、その後の身分復旧行為も全くの不十分(七番勝負のやり直しは行わず、順位戦も現状維持さえされない)。
 これだけ不誠実な理事会に対してではなく、個人に敵愾心を向けられるのは、私は納得できない。

 

【拙ブログの関連記事】
「将棋連盟には呆れ果ててしまった(三浦九段不正疑惑問題)」
「第三者委員会(三浦九段の将棋ソフト使用疑惑)の調査報告について」
「三浦九段不正疑惑、出場停止問題 “その3 明らかになった連盟の呆れた対応”」
「三浦九段不正疑惑、出場停止問題 “その2 連盟の対応に関する疑問”」
「三浦九段不正疑惑、出場停止問題 “その1 不可解な処分理由”」

「渡辺竜王の発言“疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない”について ~伝達力と読解力~」


【追記】
 本文中の「打ち消し線」を入れた部分、また、コメントレスの中で、「小暮氏だけ実名を挙げたのは“恣意的なもの”を感じると、憶測で述べ、三浦九段の人格を傷つけたことを、深くお詫びします。
 申し訳ありませんでした。


【補足(訂正)】
「恣意的」という表現を用いましたが、その意味を誤認していました。
「意図的」と同様の意味だと思っていましたが、「意図的に行う」は「目的や効果を考えて」行為をするという意味を伴うのに対し、「恣意的に行う」は、「思いつき」や「何となく」とか「心のままに」行為をするという場合に用いるようです。(ただ、「好き勝手に物事を解釈する様子」という意味もあるようです。詳しくはこちら

同じ意味だと思い、何となく格好いいので、「恣意的」を用いましたが、逆の意味でした。……カッコ悪……恥ずかしいです。
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『嫌われる勇気』 第4話「承認欲求を否定せよ」

2017-02-04 19:51:13 | ドラマ・映画
今話のテーマの前に………
狸穴勝利の妻は、何故?医師の死亡診断を拒否したのだろうか?
 実際に心不全(心筋梗塞)だったのだから、隠す必要はなかった。
 長女のさゆりが何かしたのではないかと疑い、それを庇おうとしたとは考えられるが……
 発作を起こし倒れた時に軽く打撲した右側頭部の内出血しかなかったのだから
 完全な“ヤブヘビ”

レディ・リリィの斬新すぎる「芸術は爆発だあ!」………理解不能
 デビュー作の『アローン』は面白いと思う(もちろん10万ドルを出すほどではない)
 しかし、あの色遊びは理解不能(最初の段階の方が遥かに綺麗だとは思う)


≪承認欲求を否定せよ≫
自由に生きるには?
 嫌われることを怖れるな……すべての人から嫌われないような生き方は、不自由極まりないし、不可能である

 しかし、ひとは誰でも嫌われずに認めてもらいたい……≪承認欲求≫
 他者の期待を満たすために生きているのではない。 
 自分のことだけを考えて生きればいい(自分が自分の為に自分の人生を生きる)
     ……承認欲求(他人の期待や評判)を考える必要はない

「“承認されないかもしれない”というコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことは出来ない」
「嫌われることを恐れずに、自由に生きる」(蘭子の生き方そのもの)



今週の説教タイム
「あなたは“狸穴家の御嬢さん”という立場から逃れたかったんですよね。
 でも、逃れようと思うこと自体、家に囚われている証拠じゃないですか。
 自由になりたければ、他の人にどう思われるか、気にするのをやめちゃえばいいんですよ。
……ああ、すいません」(by 青山)

 部分的には肯定できる(前半部分)。
 “他の人にどう思われるかを気にするのをやめればいい”も同意できる。
 しかし、さゆりの事情を考えると、若干ずれている。
 芸術家は他人の評価は重要な要素は避けられない。(もちろん、真の芸術家なら、他人の評価を気にせずに、自分の芸術を究めようとするが)
 「“狸穴家の呪縛”から逃れ自由になること」と「他人にどう思われるかを気にするのをやめる」というのは関係ないように思う。

 “狸穴家の呪縛”とさゆりの事情を考えるなら、
「“父の親ばかの大金購入”は気にせず、“現在の自分の芸術に対する高評価”を信じればよかったのだ」と説教すべきだった。

 とにかく、蘭子の「明確に否定します」も気になるが、青山の“ダメ押し説教”が鼻について仕方がない


 事件の展開はどこかで見たような気もするが、面白かった。

【ちょっとしたツッコミ】
「天才は天才に惹かれるものよ」(by めい子)……これに対しては、「明らかに否定」して欲しかった。




【ストーリー】番組サイトより
 蘭子(香里奈)は、青山(加藤シゲアキ)とともに元大臣・狸穴勝利(山田明郷)の葬儀に現れると、葬儀は中止だと言った。勝利の死に不審な点があると説明する蘭子に、勝利の妻・治子(朝加真由美)は、夫は病気で死んだのだと主張。蘭子はそれをさえぎり、霊柩車に収められた勝利の遺体を帝都大学の解剖室へと送った。その様子を、家政婦・吉川(小松彩夏)が見ていた。
 狸穴家のかかりつけ医によると、数日前、治子からの連絡で狸穴家に駆け付けると、自室で勝利が死んでいた。医師が死因を調べようとすると、治子、長男・寿也(水橋研二)、秘書・武藤(平野貴大)が反対した。不審に思った医師は、警察に相談したのだ。事情を聞いた浦部(丸山智己)は他殺を疑い、半田(升毅)も賛同するが、小宮山(戸次重幸)は相手が国会議員だと聞き、躊躇する。
 一方、蘭子の行動に怒りを爆発させた青山は大文字(椎名桔平)を訪ね、自由過ぎる欄子を理解するにはどうすればいいか、と問いかけた。大文字は、自由とは他者から嫌われることであり、嫌われることを怖れるな、と答えたが、青山は反発する。
 勝利の遺体を解剖しためい子(相楽樹)は、直接の死因は心不全だが、左側頭部(←右側頭部の間違い)に内出血があると報告。さらに、遺体の髪にガラスの破片が付着していたことも指摘する。
 その後、蘭子は小宮山らと、狸穴の邸宅に捜査に行く。そこで蘭子は、勝利、寿也、長女・さゆり(前田亜季)が写っている家族写真に目をとめた。

脚本:大石哲也
演出:及川拓郎
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相棒 season15 第13話「声なき者~籠城」 (前後編スペシャル)

2017-02-04 14:46:32 | ドラマ・映画
前後編仕立てのサスペンスは好きではない。

 前編である程度、話を進めないと面白くない………後半にキーポイント要素をが偏ると、前編の意味が薄くなる
 かと言って、前編で進め過ぎると、後編が間延びしたものになってしまう。
 前後編のバランスが難しいのである。


前後編スペシャルと言えば「神隠しの山」 前編後編を思い出してしまう。
あまりに酷かった。たとえ凝縮して1話にまとめても、面白くなるとは思えない……



 今回の前編は、少しじれったさは感じたが、伏線(謎や推理材料)が多く、これらが後編でうまく収束してくれれば非常に面白い話となりそうだ。
 今回の脚本担当の太田愛氏は、それだけの力量はあると考える。期待したい。
(先入観を失くすため、普段は視聴後に確認するのですが、今回は、この記事を書くために、前編を見た後、確認しました)

≪伏線……謎、推理材料など≫
・暴行の被害者・真渕は、なぜ、少女を誘拐(声掛け)をしようとしたのか?(真渕は雇われ、一家を探していた)
・立てこもり犯と母親は、何から逃げようとしているのか?(真渕を雇った組織)
・クラウドソーシングサイト“CARS”の正体は?(真渕を雇った組織)
・立てこもり犯が要求した吉井聡美は、どういう女性なのか?(刑事たちがこの女性の素性などを、ほとんど調べないのが不思議で不満)
・神部は誰の命令で何の捜査で動いていて、吉井聡美とどういう関連があるのか?
・警察上層部のふたりは、事件とどういう関連があるのか?
・冠城が隠匿した封書は何だったのか?なぜ、隠匿したのか?
・高級腕時計も気になる
・ニュースで報じられていた国際的犯罪組織“バーズ”は関係するのか?

 過去(1年前)に遡って、現在(映画)に繋げるというのは、あまり好きではない………
 及川光博と六角精児がゲスト扱いというのは悲しい。


【ストーリー】番組サイトより
1年前の冬、法務省から出向中だった亘が右京と共に謎の立てこもり事件に遭遇!!
解決のカギを握るのは元相棒・神戸尊!?
「劇場版IV」にも関連する因縁を2週連続の前後編で描く!!


時は、今から1年ほど前にさかのぼる…。
2016年2月。住宅街の一角で、若い男が頭から血を流して倒れているのが発見される。目撃者の情報から、現場から逃げた車の持ち主が司法浪人の真渕(三浦英)と判明。スマホの位置情報などから、小さな町工場に逃げ込んでいることが発覚する。立てこもり事件の発生を受け、警視庁から特殊部隊が出動。その様子がテレビで生中継されるなど、現場は騒然となる。そんな中、たまたま現場に居合わせた右京(水谷豊)と、法務省から出向中だった亘(反町隆史)は、独自の捜査を開始。すると事件直前、『若い男が女児に声を掛けている』という不審者情報があったことが分かる。その頃、捜査本部には真渕からメールが届いていた。吉井聡美(及川莉乃)という女性を連れてくれば、人質は解放するという。しかし、彼女は3週間前に死亡しており、警察は犯人を刺激しないよう、亡くなっていることを伏せて説得を続けることに。くしくも彼女は、尊(及川光博)が大河内(神保悟志)からの個人的な依頼で、身辺を調査していた女性だった。また、警察庁長官官房総務課長の山崎(菅原大吉)も、吉井聡美と何らかの繋がりがある様子で…!?

いっぽう、捜査を続けていた右京と亘は、真渕が企業や団体がネットを通じて不特定多数に業務を外注するクラウドソーシングに登録していたことを掴む。その仕事が今回の一件と関係しているのではないかと考えた2人は、その頃まだ鑑識の米沢(六角精児)の協力を得て、押収されていた真渕のパソコンを調べることに。そうこうするうち、立てこもり現場では、捜査本部の指示を受けた特殊部隊が強行突入に踏み切ろうとしていた。しかし、まさに突入しようとした瞬間、現場を大混乱に陥れる不測の事態が発生する!

立てこもり犯が要求した女性は一体何者なのか?
尊や米沢の力を借りて真実を追う右京と亘
事件はやがて予想を超えた緊急事態へと発展する!


ゲスト:及川光博 菅原大吉 六角精児

脚本:太田愛
監督:橋本一
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フェデラー復活 ~2017全豪オープンテニス~

2017-02-03 23:41:29 | スポーツ
夢でも見ているんじゃないだろうか………
確かに、1月22日、卓球の全日本選手権の石川選手が敗れ、女流名人戦第2局で里見女流名人が敗れ0勝2敗と追い込まれた日に、フェデラーが錦織を破り、何とか落ち込まないで済んだ日、フェデラーの復活度が非常に高いレベルに到達していることを感じてはいたが…

 第17シード……シードの低さなど関係なく、フェデラーがカムバックしてくれたことが嬉しかった。
 ≪フェデラーと早い段階でぶつかるシード選手は災難だな≫とトーナメント表を見ると第5シードの錦織と同じ山だった。この時点では、4回戦まで勝ち上がるかどうか、半信半疑だった。
 ふたりが勝ち進み4回戦で対戦することになり、改めてこの二人の試合を考察すると、フェデラーが錦織に敗れるというイメージが起きなかった。フェデラーにとって錦織は戦いやすい相手のように思える。
 今大会のフェデラーは1回戦はユルゲン・メルツァー(AUT・グランドスラム大会である程度勝ち進めでいる実績はあるが、昨年は不出場)に1セット落としているが、3回戦ではトマーシュ・ベルディヒ(CZE)に3-0で快勝しており、復活を強く感じさせていた。

 そして4回戦の錦織戦
 今回、フェデラーがカムバックしてくれたことが嬉しく、優勝なんて期待していなかったが、早い段階での敗退は悲しいので、ベスト8には残ってほしいと思っていた。ところが、第2シードのジョコビッチが2回戦で、第1シードのマレーも4回戦で相次いで敗れる波乱。4回戦で錦織に勝てば、準々決勝はマレーと当たる予定だったので、これは風が吹いてきたかなという予感はあったが、まずは錦織戦。これに勝ってとにかくベスト8という思いが強かった。
 当のフェデラーも
「準々決勝くらいまで勝ち進み、シーズンの残りに向けてポジティブな流れをつくれれば、と思っていた」
「僕は今回、第17シードで早いラウンドで強敵と当たるタフなドローになるだろうから、通常よりずっと厳しくなるだろうとわかっていた」とフェデラーは言う。
「自分がトップ選手にとって危険な存在となることが可能だとは思っていた。もしかしたらひとりくらい倒せるだろうが、でもおそらくそれが限界だろうと想像していた。なぜって体が痛み始め----実際そうだったが----そのせいでレベルが落ちるだろうと思ったから。ところが、体が痛んでもレベルのほうは落ちなかった。僕のレベルが安定していたということ、これは僕自身にとっても大きな驚きだったよ」(YAHOO!ニュース:「フェデラー、優勝後のお祝いの様子と今後の話 [全豪テニス]」

 試合は錦織のブレークで始まった。
 しかし、その後、フェデラーも立て直し、随所に錦織を翻弄するプレーを見せた。結局このセットは錦織に奪われたが、フェデラーにも十分勝機があると感じられた。
 その予感通り、第2、第3セットを制し、完全にフェデラーペース。第4セットも押し気味にプレーを展開したが、錦織が踏みとどまり、ファイナルセットに持ち込まれた。
 ファイナルセットに持ち込まれると、35歳で故障上がりのフェデラーの方が不利と思えるが、第4セットまでゲームを支配していたフェデラーは質の高いプレーを維持し、錦織の方が消耗が激しく動きが重くなってきていた。
 ファイナルセットは6-3でフェデラーが取り、準々決勝進出を決めた。できれば、3-1ぐらいで勝って、体力の消耗を押さえてほしかったが、それは贅沢というモノだろう。

 準々決勝は、マレーを破ってくれたズべレフ。徹底したサーブ・アンド・ボレーでマレーを3-1で撃破したが、相手の仕掛けに反撃するのは得意とするフェデラー。3-0で快勝。
 他の準々決勝は、ワウリンカ(第4シード)3-0ツォンが(第12シード)、ナダル(第9シード)3-0ラオニッチ(第3シード)、デミトロフ(第15シード)3-0ゴファン(第11シード)。

 準決勝は第4シードの昨年の全米オープン覇者ワウリンカ
 7-5、6-3、1-6、4-6、6-3……フルセットの大激戦だった……大激戦だったはずだが、そんなに苦労した印象が残っていない。フェデラーが内容的に大きく上回っていた……という訳ではなく、決勝戦の印象が強くて準決勝の記憶が薄れてしまった……という訳でもない。
 実は、WOWOWとは未契約なので、NHKの録画放送を観ることができない。ダイジェストなので、2セット連取(ここも途中を端折ってある)の後、第3、第4セットを落とし(第4セットは完全カット)。最終セットも押され気味だったが、第6ゲームをブレークして一気に持っていった。つまり、フェデラー優位の部分の放送が長かったのだ。
 しかし、改めて振り返ると、2ゲーム連取から追いつかれて、ファイナルセットも押され気味……生中継(あるいはオールタイムの録画中継)を観ていたら、私はぐったりしていただろう。
 そんな大苦戦だったが、下手に楽勝で決勝戦に勝ち上がるより良いのかもしれない。
 準決勝のもう1試合は、ナダル×デミトロフ。(“出味トロ不”…「でみとろふ」と打ち込んでスペースキーを押すとこう変換された)

 デミトロフは“ベビー・フェデラー”の異名を取るプレイヤー(本人にとっては嬉しくない異名かもしれない)。
 この試合、≪どちらが勝ちあがった方がフェデラーが勝ちやすいか?≫という視点(邪念)で観ていたが、それを恥じたくなるような死闘、素晴らしい試合だった。6-3、5-7、7-6、6-7、6-4……抜かれたら抜き返す、押されたら押し返す、相譲らない戦いが延々と4時間56分。≪どちらにも勝って欲しい≫…そう思わせる激闘の末、ナダルが勝利した。
 とは言っても、≪この激戦でナダルは消耗。しかも、ナダルは中一日で決勝を戦わなくてはならない(フェデラーは中二日)≫……この考えは大きな間違いだった。


 決勝戦。第17シード・フェデラーと第9シードのナダル。シードのランキングだけ見ると、“大穴”と言える組み合わせだが、文句なしの黄金カードだ。とは言え、ひと月前、いや、開幕後もこの決勝戦を予想した人は、ほとんどいないだろう。
 準決勝のナダル×デミトロフを観戦中は、いろいろ打算的思考が浮かんだが、やはり、「フェデラー×ナダル」が観たいよなぁと。

 第1セット。第7ゲームをフェデラーがブレークし、そのまま第1セットを6-4で奪取。
 ラブゲームでキープするなど、フェデラーが楽にサービスゲームをキープしていた感がある。また、ラリーなどもフェデラーが主導権を取ることが多かった。

 第2セット。立ち上がり(ナダルのサービスの第1ゲーム)もフェデラーペースで始まったが、ナダルがしつこくフェデラーのバックにボールを集め、主導権を握る。
 フェデラーは、ライジングで打ったり、体を開いて打球のコースを変えるなど絶妙な球捌きが大きな武器だが、その微妙なコントロールは高い技術が求められる。その中で、バック攻めに加えて、ナダルがボールに回転を与え、高く弾ませたボールをコントロールするのは至難の業。フェデラーのミスショットが増える。第2、第4ゲームのサービスゲームをブレークされてしまう。
 第5ゲーム、ナダルのサービスをブレークしたものの、第2セットは押し切られ、3-6で失う。
 そういえば、こんな展開でナダルには痛い目に遭わされてきたなあ……過去の対戦成績は11勝23敗とダブルスコア以上にやられている。直前の対戦ではフェデラーが勝利しているものの、その前の19戦は4勝15敗(5連敗を2度)。ただ、ハードコートは7勝9敗とほぼ互角。

 第3セット。第1ゲーム、40-0と簡単にサービスをキープするかと思われたが、ナダルの打球のプレッシャーに返球が甘くなりウィナーを決められたり、ミスショットをするなどして、デュース、そして、ブレークポイントを握られてしまう。3度のブレークのピンチに陥ったが、サービスエースで凌ぎ、なんとか、キープ。
 ピンチを凌いだことで意を強くしたのか、第2ゲームに入ると、フェデラーのラケットの振りぬきが強くなったように思える。時折、回転を掛けた高くて深いボールも織り交ぜるようになった。一段レベルを上げないと、ナダルにラリーの主導権を奪われてしまうと考えたのかもしれない。
 その中で、コースを打ち分け、ナダルを左右に振り、オープンコートに強打を決めたプレー。ナダルの返球をギリギリ低い位置でコースを変えて決めたライジングショットは見事で、このゲームをブレーク。
 第3ゲームをラブゲームでキープし、一気にこのセットの流れをつかみ、6-1でセットを奪う。

 第4セット。第3ゲームまで互いにサービスキープの静かな展開。
 第4ゲーム、フェデラーのサービスゲーム。ナダルのリターンが甘くなったのを前に詰めて決めに出たショットがアウト。イージーミスが増えてきている。
 さらに、ナダルの深い返球をフレームショット、0-30。このあと、ナダルがウィナーを決めるなどして、このゲームをブレーク!
 第5ゲーム、第6ゲームはデュースにもつれ込むが、互いにキープ。フェデラーはフォアのミスやイージーミスが目立ったが、サーブで何とか持ちこたえる。ナダルは、第5ゲームのスーパーショットの応酬の末、更なるスーパーショットでキープを決めたプレーが素晴らしかった。
 ゲームポイント2-4から、第7ゲーム(ナダル)、第8ゲーム(フェデラー)、第9ゲーム(ナダル)と互いにサービスキープを果たし、ゲームカウント3-6で、ナダルが奪取。ファイナルセットに!
 ナダルは楽にキープし、フェデラーはようやくキープするという感じ。ラリーを支配できなくなり、ミスショットも増えてきた。サービスエースで切り抜けると展開で、“ナダル勝利”のパターンになりつつある。私の心に、暗雲が漂い始める。

 第5セット
 開始前にフェデラーがメディカルタイムアウトを取ったらしい(NHK中継は録画で、そのシーンはカットされており、この件については後に実況で触れていた)

 最初のポイントは、ナダル。ラリーの中でフェデラーを左右に振り、ウィナーを決める。次のポイントも、長いラリーの末、フェデラーがネットに掛け、ナダルの連続ポイント。
 フェデラーが1ポイント返すも、次のフェデラーのサーブをナダルが回り込んでフェデラーのバック側に強打。フェデラーも回り込んで、逆クロスのフォアの強打で返すが、ナダルがこれをダ見事にウンザラインで打ち抜き、ブレークポイントをつかむ。
 フェデラーもラリーでナダルのバックを執拗に攻め、最後はフォアを打ち抜き、30-40と追い上げる。
 しかし、次のラリー、フェデラーがライジングで打球の方向を変える得意のショットがネットに掛かり、ナダルがブレーク!
 ナダルペースで迎えた最終セット、いきなりブレークをされ、私の心に暗雲が立ち込める。

 第2ゲーム、ネットに出るなど、積極的に仕掛けるフェデラー。ナダル15-30フェデラーから、浅くなったナダルのボールを前に詰めてバックハンドの強打でクロスを打ち抜き、15-40のブレークチャンスをつかむ。
 次のプレー、ラリーの中から、バックハンドで強打。これが惜しくもネットに掛かる。
 しかし、30-40と依然ブレークチャンス。フェデラーのリターンが浮いたのを、ナダルがフォアで強振、ダウンザラインが炸裂!そこまで強振して、あの際どい所に決めるのか!という見事なショット。デュースに。
 次のプレー、フェデラーのショットがネットイン。風が吹いているぞ。
 再びのブレークポイント。ナダルはワイドのサーブでフェデラーをコート外へ追いやり、3球目を逆サイドに振る。フェデラーも何とか追いつき、返球後センターに身体を戻すが、その逆をついてナダルがショット。再びデュース。この後、ナダルが2点連取し、サービスキープ。フェデラーは3度のブレークポイントを活かせなかった。

 第3ゲーム、フェデラーがラブゲームでサービスキープ。このファイナルセット、ショットに気迫が籠もっている。しかし、コートチェンジ時にベンチで足の治療を施される姿が……

 第4ゲーム。ラリー中、バックのクロスの強打を決めるなど、このゲームはフェデラーがラリーを支配、デュースに持ち込む。
 さらに、ラリーを展開、今度はバックをストレートに打ち抜き、ブレークポイント。
 しかし、ナダルはボールに強烈な回転を加え、フェデラーに身体を伸び上がっての返球を余儀なくさせ、それをバックのクロスの強打。
 次のプレー、フェデラーがネットに出るバックのアプローチショットをミスし、さらに、ナダルのサーブを返せず、結局、このゲームも、ナダルがサービスキープ。
 ゲームカウントは、フェデラー1-3ナダル。
 ゲーム開始から3時間8分。時刻は3時18分(録画中継)。これ以上起きていると、明日の仕事が辛い。
 最後まで観戦し、負けた時の私のダメージが非常に大きい。一旦、寝ることにした。
 サービスブレークをされて、2ゲーム続けてブレークのチャンスを活かせなかった……嗚呼…ZZZZZ……


(テニス関係の情報はシャットアウトして、翌日の昼休みに、観戦を継続)

 第5ゲーム。淡々と黙々とプレーを続けるフェデラー。
 静かだが、闘志は内に燃え続けており、サービスをキープ。

 第6ゲーム。
 長いラリーの主導権を握っていたフェデラーがバックハンドのクロスを決める。次のラリーも制し0-30とフェデラーが三度チャンスをつかむ。
 しかし、ナダルも次のラリーを打ち勝ち、さらに、サーブで崩し強打を叩き込み、30-30と戻す。
 ナダルがフェデラーのボディにサーブを打ち込み、浮いた返球を強打し、ラリーを支配する。しかし、決めに動こうと強打したボールがラインをオーバー。珍しいナダルのミスで、このゲームもフェデラーがブレークポイントをつかむ。
 次のプレー、ナダルもセンターへ厳しいサーブを打ち、浮いたリターンをフォアで強打。デュースに。
 更に次のサーブを、フェデラーがリターンミス。……やはり、ダメなのか………
 ナダルの強いサーブを何とかフェデラーがリターン。これを強打したナダルだが、ネットに当たり、跳ねたボールがアウト。再びデュース。まだ、分からないぞ。
 ナダルのセンターへのサーブを、なんとかバックで合わせリターン。そして、4球目、浅くなったナダルのボールを、バックハンドのクロスがエース!このセット、6度目のブレークポイント。
 次のナダルのサーブもなんとかバックで返すフェデラー。この後のラリーもバックで振り抜き、ナダルが回り込んで放ったフォアのショットがわずかにアウト。ついに、フェデラーブレーク。ゲームポイント3-3!

 第7ゲーム。
 ファーストポイントをサービスエースで取ると、ネットに奪取しボレーを決めるなど、ラブゲームでサービスキープ。ゲームポイント4-3とリード(ブレーク数は同じ)。

 第8ゲーム
 スライスを織り交ぜたり、フォアの強打や巧打でポイントを連取。さらに、ダブルフォルトで、0-40。フェデラー、トリプルのブレークポイント。
 しかし、さすがはナダル、ワイドへのサービスから、オープンコートへフォアの強打を決め、15-40。
 さらに、ボディへのサーブとワイドのサーブで、フェデラーのリターンミスを誘い、デュース。
 次のプレーが凄かった。逆を突かれたフェデラーが苦しいサービスリターンとなり、その後のラリーも何とか返すという状況。しかし、徐々に建て直し、互角のラリーに。さらに、深い返球や、回転を変えたリターン、更にバックハンドの強打でラリーの主導権を握り、ナダルを左右に振り回す。しかし、ナダルも驚異の守備力で盛り返す。ならばとフェデラーは、打点をライジングに切り替えラリーのリズムを変え、最後は、ライジングのフォアで打球の方向を変える神技を繰り出す。これには、ナダルも打球を見送るのみ。フェデラー、ブレークポイント。
 ここで、ナダルもセンターにサービスエースを決め、デュース。
 次のプレーは、フェデラーがバックにフォアに振り抜き、ナダル堪らずミスショット。フェデラー、このゲーム、5度目のブレークポイント。
 ナダルのワイドへのサーブを、フェデラーがラケットを合わせ、ネットに並行に近いようなリターン。これをナダルがネットに当て、フェデラーがブレーク。ゲームポイント、フェデラー5-3ナダル。

 第9ゲーム。
 フェデラーのサービング・フォー・ザ・チャンピオンズシップ。
 フェデラーのサーブアンドネットに対し、ナダルがリターンを沈める。0-15。
 次のプレー、長いラリーになったが、主導権はナダルが握っており、フェデラーがミス。0-30。
 ここで、フェデラーがサービスエース。15-30。
 しかし、次のプレー、ナダルが強打で主導権を握り、厳しいアプローチショットからボレーを難なく決め、15-40。ダブルのブレークポイントを握る。
 フェデラーも、センターへサービスエースを決め、30-40。
 次のプレー、ナダルのボールを回り込んでのフォアの強打を放ち、フェデラー、デュースに持ち込む。
 そして、フェデラーのサーブをナダルがリターンミスし、ついに、フェデラーにチャンピオンズシップ・ポイント。
 ここで、フェデラーが3球目をミス、デュースに。
 フェデラーのワイドへのサーブがエース。2回目のフェデラーにチャンピオンズシップ・ポイント。
 観客の声援から静寂に切り替わり、フェデラーのサーブはセンターに。ナダルのリターンが浮き、フェデラーがフォアで強振。ボールはナダルのコート、サイドライン付近に突き刺さる。「イン」!
 しかし、ナダルが“チャレンジ”を行使。
 皆が固唾を飲んで、スクリーンを見守る………イン!
 何度も飛び跳ね、喜びを全身で表すフェデラー!

フェデラー、7年ぶり5度目の全豪制覇
グランドスラム、18回目の優勝!


諦めて、寝てしまった。ごめん、フェデラー。おめでとう、フェデラー。
昨年のウインブルドン準決勝敗退。ラオニッチに力負け、転倒する姿を見て、その後の欠場……
もう、フェデラーの優勝を、いや、プレーを見ることもないかもしれないと思っていた。
まさか、優勝する姿を見ることができるとは!

35歳のフェデラー。
羽生三冠も、そして、私も(だいぶ、年を喰っているが)、まだまだ頑張れるはずだ。
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2017大阪国際女子マラソン

2017-01-31 20:27:30 | スポーツ
…………以前から思っていたが、≪日本陸連て、頭良くないんじゃないの?≫


新たに加えられた日本陸連「東京五輪メダル獲得へ」強化方針
★後半にペースアップできる選手の育成
★判断力と勝負強さの強化

 これについて高橋尚子氏が補足した
「今の世界大会は、後半のハーフに(ペースが)上がることが多い。
 やはり、ペースメーカーをひとつの目安と考えて、自分で考えてレースをコントロールする力をつけてほしい。
 それが世界で戦える選手に繋がる」

 確かに、後半ペースアップし、そこを抜け出した選手が栄冠に輝いており、日本選手はそのペースアップにほとんどついていけずにズルズル後退している状況が続いている。それを踏まえての陸連の方針なのであろう。
 しかし、ペースメーカーのいない五輪のレースでは、例えスローペースであっても、ペースの上げ下げが多く、誰が飛び出したか?すぐについて行くべきなのか?など精神的に消耗したり、大集団の中での給水やその位置取りにも神経や体力を要してしまう。
 ペースメーカーに、ただついて行って、体力も精神力を消耗せずレースの半分をやり過ごせる国内のレースとは雲泥の差がある。その意味で、高橋氏の述べた「自分で考えてレースをコントロールする力」は必要だ。そして、それなら、ペースメーカーを付けずにレースを行う方が「世界で戦える」選手を育てられるはずだ。
 そして、今回の方針で一番問題と感じたのが、「後半のペースアップ」を評価するのなら、同じ2時間25分で走った場合、レース序盤は自重して後から追い上げた方が評価が高いということになること。
 しかし、前半ハイペースの走りの方が好タイムを出すのが困難で、後半に追い上げる走りの方が結果を出しやすい。つまり、2時間25分の同タイムなら、前半型の方が難易度が高いのである。
 結果に拘るなら、後半型のレースを組み立てた方が良い。しかし、それが通じるのは、実力者の少ない国内レースだけ。世界大会の場合、実力者が多く参加しているので、ハイペースでレースが進んだとしても、レース終盤まで走りを維持できる選手が少なくとも5、6人はいるであろう。自重して、バテてくる選手を捉まえるなどと悠長なことをしていては、メダルには絶対届かない。
 もちろん、最初からハイペースで突っ込むべきだとは言わないが、今回の指針で、レース前半を自重して、追い上げる走り方をした方が得になるのは間違いない。後半型がレースに於いて“有利”になる」と言うのではなく、「後半型が“得”になる」というのが、問題なのである。

 毎回、不合理で不可解な代表選手の選考基準を設けて選考で揉めているが、今回の指針も短絡的思考としか言えない。
 ちなみに、2017ロンドン世界選手権(世界陸上)の代表内定条件は
・2時間22分30秒以内
・日本人1位



 さて、今回、レース解説者は一応、豪華メンバーだ。増田明美氏、有森裕子氏、高橋尚子氏、千葉真子氏、野口みずき氏。
 その解説者が推す有力選手は

伊藤舞選手(増田氏推薦)
 「リオ五輪の前に故障し、46位(2時間37分27秒)に終わってしまった悔しさを晴らしてほしい」とのこと。13回目で初優勝を目指している。
 彼女は、「世界選手権で日本人最上位の入賞(8位以内)」という甘い選考基準で、五輪代表内定した選手(世界陸上は7位、2時間29分48秒)。過去の成績を見ると、それなりのタイムは出しているが、日本で3位以上に位置する選手とは言えず、五輪選考基準の矛盾を感じさせる要因となってしまった。
 彼女がズルをしたのではなく、そのことで叩かれるのは気の毒だと思うが、テレビで「リオ五輪代表」と紹介されるのを見ると、モヤモヤした感情が湧いてしまう。
 彼女の走り方は、手の横振りが大きく、とくに左手はエルボーをかますような動きになるのが、見ていて気になって仕方がない。上体の横揺れも大きい。
 ベストタイム、2時間24分42秒 2015名古屋ウィメンズマラソン

竹中理沙選手(高橋氏推薦)
「笑顔がキュート。普段の雰囲気はおっとりしているが、走り始めると、度胸があって強気な走り。クラシックバレーのバネの利いた走りで、世界の壁をポ~ンと越えてほしい」
 容貌や性格を述べただけ。“闘争心宿る美女ランナー”“マラソンで世界を狙う元バレリーナ”というテロップが出ていたので、テレビ局の要望があり推したのだろうか?
 これまで、ここ数年、駅伝やトラックレースなどで活躍するも、あと一歩、壁を突き破れないでいる印象がある。
 ベストタイム 2時間28分09秒 2015名古屋ウィメンズマラソン

加藤岬選手(野口氏推薦)
「一緒に合宿したことがあり、その時は、明るくムードメーカー的な存在だった。負けず嫌いで強気なので、気持ちの切り替えもできる。初マラソンから1年経ち、成長も期待できる」
 番組のキャッチフレーズ?は“爆走お祭り娘”
 恥ずかしながら、これまでの彼女の走りはほとんど記憶に残っていない。昨年の実業団女子駅伝のエース区間の3区で区間3位ぐらいだ。5000m 15分23秒98 10000m 31分59秒72も、走力はあるが、傑出というほどでもない。
 ベストタイム 2時間31分04秒 2016大阪国際女子マラソン

 この他は、「ここ大阪からロンドン五輪代表の切符を勝ち取った名門天満屋の重友梨佐選手からも目が離せない」とアナウンサーから一言。

 千葉氏は“ネクストヒロイン枠”(若手実業団・大学選手)から、“学生界屈指のスピードランナー”の新井沙紀枝選手を推薦。


 最初の2kmは1km3分30秒前後というスローペース。その後、少しペースが上がったが、5km17分21秒とやや遅いペース。10kmも34分26秒この5kmは17分5秒で設定タイムに近いタイムらしい)。
 しかし、10kmでペースを仕切っていた白人ランナーが抜け、もう一人のペースメーカー・ダニエルがレースを引っ張り始めると一気にペースが上がり、11kmで小崎まりが遅れ出す。12km付近で集団が縦長になってきた。
 加藤岬、吉田香織、ツェガ(エチオピア)、堀江美里、竹中理沙、重友梨佐、前川晴菜、前田穂南、伊藤舞、田中華絵、ハブテゲブレル(バーレーン)、宮内宏子、古瀬麻美のペースメーカーを除けば13人の隊列。中継カメラも縦長の集団をアップでフォローしていたが、その間、集団の先頭付近にいた前田が最後尾に落ちていく。
 第2放送車は21位グループにつけている。先頭から400m遅れており、この集団に“ネクストヒロイン枠”の新井選手が含まれている。1km3分30秒ペースを目指しているそうだが、予定のペースより遅いようだ。

 映像がトップ集団に切り替わり、13.3km地点。前田が70m遅れている。12kmから13kmの1kmのペースは3分17秒とさらに上がり、前田だけでなく、古瀬、宮内もついていけない。その前の前川、重友も離されかけている。
 ほどなく、竹中と田中も離れ出し、14kmで先頭は6人に。
 14.7kmで伊藤が遅れだす。

 15km51分13秒で通過。この5kmは16分47秒。増田氏がここまでスプリットタイムを3回告げたが、不正確。高橋氏は自分が間違えたと思い、謝っていた。
 ツェガとハブテゲブレルも離れ出した。ペースメーカのダニエルにピタリと付けるのは加藤(ベストタイム2時間31分04秒)。堀江(2時間26分40秒)も余裕がありそうだ。吉田(2時間28分43秒)もまだ走りに力を感じるが、力を使って走っているという感じ。
 16km手前で、ツェガ、ハブテゲブレル、伊藤、竹中、田中が集団となる。トップとの差は6秒。ジワジワ離れているようだ。
 18km、トップ集団と第2集団の差は11秒。第2集団から8秒離れて重友。重友は第2集団に追いついてきているように見える。
 19km、トップ集団と第2集団の差は20近くに広がったが、重友が集団に追いついて逆に引っ張り始めている。伊藤は集団の最後尾に位置し、2~3m離れ気味。
 淀屋橋付近(18.8km付近)、トップ集団から21秒差で重友と田中、1秒遅れて竹中、ツェガ、ハブテゲブレル。さらに5秒遅れて伊藤の順。
 20kmは1時間8分04秒。この5kmは16分51秒。重友、田中は21秒差と差は変わっていない。ツェガ、バブテゲブレル、竹中も22秒差と表示されているので、重友に食らいついているようだ。
 中間点、1時間11分46秒。第2集団の5人との差は24秒。
 ここで、ペースメーカのダニエルが離脱。通常、ペースメーカーがいなくなると、ペースダウンする。そう感じたのか、吉田が先頭に立って引っ張る(高橋氏によると、21~22kmは3分25秒でペースを保っている)。
 折り返し地点、吉田を頂点に堀江と加藤がターン。22秒差で第2集団。伊藤は先頭集団から52秒遅れている。その後方に見えるのは前川だろうか?さらに、その後方はユニフォームの色からすると古瀬か?(もっと、詳しく中継してほしい)

 画面はトップ集団に切り替わり
「後ろなんですが、差が縮まってきていませんか?」と実況アナ。
「そうですね。縮まっています。明らかに大きく見えるようになってきました」と高橋氏。しかし、私の観測では20秒以上差があり、カメラの映し方による錯覚であろう。しかし、差が開いていないのも確か。第2集団(4位グループ)の中からツェガが離され気味。
 先述したように、ペースメーカーが抜けたのでペースが落ち気味になる先頭集団と、重友が積極的に引っ張る第2集団(ペースメーカー離脱の影響はない)、縮まるのが普通だ。吉田の奮闘が功を奏している。
「伊藤さんの姿がないですね」と増田氏。……何を今さら!
 伊藤については、第2放送車の野口氏が解説。
「先程から気になっていましたが、ちょっと腕振りが横に広がってきていますね」
最初からだと思うが、状態のぶれも大きくなってきており、腕振りも乱れている。
 24km、吉田がややスパート。堀江、加藤を3m引き離すが、堀江もすぐ背後につける。加藤はやや離され気味。この間の1kmは3分27と表示される。ペースメーカが抜ける前は1km3分22秒、抜けた後の3kmは1km約3分27秒のペースだ。
 24.5km、加藤が5mほど離れる。25km手前で堀江が吉田の前に出る。
 25km、1時間25分17秒で通過。この5kmは17分13秒とややペースが落ちている
 このスプリットタイムを見て、増田氏が
「この5km、ちょっとペースが落ちているんですよね。ハーフを過ぎて…17分15秒となっているので……まだ分かんないですよね、これは」
 何を今さら!
 ≪ペースメーカーが離れてペースがどうなるか≫とか、≪後ろの集団の姿が大きくなってきているのでは?≫という会話をしてきたというのに!
 堀江はペースが落ちたと感じたからなのか、もともと25kmからペースを上げるつもりだったのかは不明だが、明らかにペースを上げている。吉田もつくのが精一杯。加藤は20m離れている。
 25kmでの4位グループとの差は18秒。ツェガは落ちて、4位グループは重友、田中、ハブテゲブレル、竹中の4人。
 堀江の走りは力強い。身体もがっしりしている。日本人離れした走りだ。4位で追う重友も同様のスケールの大きさを感じる。
 25.4km、吉田が離され始める。
「これまで練習では強いが本番では弱いと言われた堀江さんが、今回は“本番に強い選手”に生まれ変わるかもしれないですね」と高橋氏。これに対し、増田氏が即座に
「でも、ちょっとまだ早いなあと思いますねえ。勝つために、もうちょっと人の後ろについていれば良いのに。はぁっとここで出るという…やっぱりこれも性格的な……」
と反論。これに、高橋氏も即座に切り返す。
「あのぅ、レースを見たんじゃないですか?吉田選手の走りを見て、≪今なら≫っていうチャンスを窺った……瞬間をしっかりと受け止めたんではないでしょうか」

 これは、判断が難しい。
 増田氏の言うのも尤もで、≪勝負に出るには25kmは早すぎる。折角、吉田選手が引っ張ってくれていて、今はそれを利用して、終盤に力を残しておくべき≫でオーソドックスな考え方であろう。
 一方、≪吉田選手の走りを見て、“一杯一杯”だと感じて、勝機と捉えてスパートを掛ける≫というのもありだろう。しかし、それでもやや早いようにも思う。
 また、後方から追いかけてきている重友選手、田中選手を考慮すると、≪ここでふたりに差を詰められるのは、重友選手らに勇気と勝機を与えてしまう。ここでペースを上げ、突き放すべき≫。ただ、レースを見ているコーチならともかく、後方の重友選手の走りが分からない堀江選手が、こう判断するのは難しい。

 
 今中継は5人もの女性解説者が揃い、有村氏は総合的な解説、野口氏は2号車での解説、千葉氏はバイク中継解説と贅沢な起用となっており、増田氏と高橋氏が同じポジション(実況に即した解説)となり、会話できる状態となっていた。(普段は増田氏が実況に即した解説で、高橋氏が第2放送車、または、レポーター兼総合的な解説と住み分けている)
 つまり、意見を交換出来る(反対意見を言う)状況でにあった。
 今回、増田氏が高橋氏に反対意見を言う場面が多かったように思う。中継序盤で、増田氏が「スタート時点で10℃を上回る気象条件を不安要素に上げた」のに対し、高橋氏が「五輪本番は、真夏の暑さの中で(夕方か朝方になると思うが)走ることになるので、このくらいの気象条件で走れないのでは…(話にならない)」と反論したことに起因しているのかもしれない。この件については、レースの終盤で、「暑さの得手不得手は個人差もある」とこだわっていた。
 

 それはさておき、堀江がペースを上げたことにより、吉田も5m近く遅れだし、加藤はぐんぐん置いていかれる状況。第2中継車から「重友、田中が差を詰めてきている」というレポートがあったが、それは25km地点での差で、25.5kmでは逆にやや開いている。それでも、重友のペースも悪くなく、ハブテゲブレル、竹中は二人から30mほど離され始めている。
 26kmで堀江と吉田の差が20mに広がる。この1kmは3分23秒と5秒ほどアップ。
「勝負勘が凄いですね。高橋さんが言ったように」
と、増田氏が高橋氏をフォロー。
「スパートは自分ひとり感覚だけではなく、残りの距離、相手の疲れているところなど、すべてが一致した時に、パーンと弾丸のように行けるかどうかがポイントなんですが、その瞬間をしっかり逃さなかった」
と高橋氏が語り、
「Qちゃん(高橋氏)もね、シドニーの時もサングラスをシュッと投げてからパッと出たあの瞬間と言うのは勝つ瞬間でしたね」
と、増田氏もすかさず、ヨイショ。
「やはりそうですね。残りの距離と自分の余裕と相手の落ちたところ、すべての重なった時があの瞬間だったと思います」
とやや得意気な高橋氏。

 27.3km地点、で堀江と4位の重友、田中との差は30秒(高橋氏の計測)。加藤が吉田を捉え前に出るが、トップの堀江との差は20秒は離れている。
 第1放送車の画像では、加藤・吉田(トップとは20秒差以上)、重友・田中、竹中・ハブテゲブレルが2人ずつ等間隔(10秒差)で走っている。

 ここで、ランナーは大阪城公園内に。ここでTHE ALFEEの『創造への楔』(挿入歌)が大阪城公園内を走るランナーに重ねて流され、番組を盛り上げる。
 3分30秒ほど実況解説なしになり、映像以外の情報がなくなるが、高揚感あふれるメロディ・歌詞に疾走するランナーが交互にアップで映る……けっこう好きである。
 この間、加藤が吉田を引き離す。ほどなく、重友も吉田を抜き去り、加藤に迫る。田中も吉田も懸命に食い下がる。
 曲の終了直後、重友が加藤を捉え、5m間隔で重友、加藤、田中、吉田の隊列になる。重友の28~29kmのスプリットタイムは3分24秒。
 画面ではトップとの差は180mと表示されていて、この情報が正しいとすると、27.3km地点よりは開いていることになるが、29.6km地点の実況は
「堀江との差もちょっと縮まってきているような印象もあります」
「明らかに重友さんに勢いがあって、姿が大きくなってきました」と高橋氏。
曲がり角でタイム差を計った高橋氏は
「25秒と5秒差を詰めてきています」
しかし、私もビデオで確認したが29秒差で27.3km地点と比べるとほとんど変わっていない。整理すると、25km地点で両者の差は18秒。これが、25kmで堀江がスパートし30秒まで広げ、そこからは差は変わっていない。加藤、田中、吉田は置いていかれている。(曲がり角では田中と加藤が並走している)

 30km、1時間42分08秒で通過。この5kmは16分51秒。1km平均3分22秒で25kmからスパートしたそのペースをひとりで維持していることになる。見事な走りだ(最後まで極端に落ちなければ)。
 2位重友は25秒差。この5kmは16分58秒と堀江より遅いが、曲がり角(29.6km付近)からの400mの間に4秒も詰めていることになる。
 32秒差で田中、33秒差で加藤。

 30.7kmの2号車の映像では差が120mと表示されている。29~30kmのスプリットが3分19秒というレポート。やはり、この1kmに限ると重友の方が3秒速い。単純計算すると、38km地点で重友が堀江を捉えることになる。3位田中とも15秒差はついていると思われる。加藤は田中に離されているようだ。
 第1放送車から望遠画像では、加藤の後方やや遅れて吉田、そこからかなり離れて竹中とハブテゲブレルが並走。さらに、はるか後方に、ぽつんとぽつんと2人のランナーが見えるが、誰かは確認できない。
 31.3km、高橋氏の計測で21秒差。確実に詰まってきているようで、映像でも重友の姿が大きくなってきている。
 31~32kmの堀江のスプリットは3分27秒。スパート時より4~5秒遅くなってきているが、走りの変化はほとんど見られない。しかし、重友が急追、32.5km地点で差は14秒(高橋氏計測)。
 (吉田が加藤を抜いて4位に上がるというバイクレポート・32.4km付近)
 この後も堀江と重友の差は縮まってきているようだが、カメラがめまぐるしく切り替わり、第1放送車のカメラの望遠の度も変わるので、映像での差の判断も難しい。ランナーの表情も必要だが、もう少し、差を把握できるような配慮もして欲しい。
 33.6km地点で、11秒差とバイクレポートの千葉氏(ナイスレポートだ)。
 竹中が加藤を捉え、5位に浮上。加藤の背後にハブテゲブレルも迫ってきている。
 加藤の失速に、実況アナは脱水症状を心配するが、高橋氏は
「脱水症状までは起こしていない。足に来ている。30km過ぎのマラソンの壁を感じてきているのでしょう」
 これに対し、増田氏は
「さっき、がぶがぶ水を飲んでいましたから、……脱水もちょっとあるんじゃないかしらって思いますけど」
 やはり、暑さの議論のことを根に持っているのかもしれない。

 34.1km地点で堀江と重友の差は10秒。
 35km、1時間59分23秒、この5kmは17分15秒。その前の5kmより24秒、1km当たり5秒近く落ちているが、落ち込みはそれほど急激ではなく、1km3分27秒と3分30秒を切るペースを維持している。
 追う重友は、7秒差で通過。この5kmは16分57秒で、その前の5kmとほぼ同じ(1秒速い)。1kmを3分23~24秒のペース。計算上はあと2kmで追いつくことになるが、背中が目前に迫ってきているので、ストライドも伸び、もっと早く追いつくだろう。
 3位の田中は、35kmをトップと59秒遅れで通過。この5kmは17分42秒掛かっており、トップを追う余力はないようだが、ペースダウンを最小限に抑えていると言える。

 
 35.5km地点、ついに重友が堀江を捉える。重友は道路中央寄りに進路を変え、堀江を抜いていく。しかし、堀江も重友の背中に付け、歩調を重友に合わせ何とかついて行こうとする。
 しかし、その頑張りも長く続かない。100mで走りが乱れ出し、200mで推進力を失い離れ出す。追いつかれて300m(35.8km地点)で10m差がつくと、ズルズル後退し始めた。重友の35~36kmのスプリットタイムが3分23秒と表示される。依然、快ペースを維持しているようだ。
 37.8km地点を走行中、画面で現在の順位が表示され、4位はブルラ(米国)。ブルラって誰?……今日、初登場。35km地点では、4位が竹中でトップとは1分56秒差。5位吉田、6位ハブテゲブレル、7位がブルラで、2分1秒~2分3秒差で一団で通過したようだ(公式記録より)。加藤は8位に後退したようだ。
 ブルラは竹中には7秒差に迫っている。竹中やハブテゲブレルがこの5kmを18分以上かかっているのに対して、ブルラは17分13秒。20~25km17分12秒、25~30km17分17秒とペースを維持していた。

 40km地点、重友は2時間16分42秒、この5kmは17分12秒(1km3分26秒5)とさすがにペースが落ちてきた。増田氏は17分21秒と告げたが、9秒違っている。増田氏のスプリットタイムはずっとズレている(35km地点も違っていた)。
 堀江は重友から53秒遅れで通過。足の運びの力強さが消え、ストライドが伸びず、推進力を失っている。この5kmは18分12秒と大きくペースダウン。
 3位田中1分45秒差、4位ブルラ2分24秒差、5位グループで竹中とハブテゲブレル3分30秒差。以下、7位バーナルデッリ(ポーランド)、8位ツェガ、9位加藤、10位古瀬。

 重友の走りはこの後も乱れず、2時間24分22秒でフィニッシュ。40kmからの2.195kmは7分40秒(1km3分29秒)。若干、スピードは鈍ったが、走りの力強さは失われることはなかった。
 1分22秒遅れて、2位の堀江がゴール。2時間25分44秒、40km以降は8分9秒(1km3分42秒)と踏みとどまり、ベストタイム(2:26:40)を更新した。
 3位は田中、2時間26分19秒。35~40kmは18分5秒(1km3分37秒)、40km以降は7分52秒(1km3分34秒5)と踏みとどまり、最後は若干盛り返しているのが素晴らしい。
 4位はブルカ、2時間26分53秒。35~40kmは17分40秒(1km3分32秒)、40km以降も7分47秒(1km3分32秒)。最初から最後まで5km17分台を維持し続けた。アメリカはこういうタイプのレースをする選手が多い。五輪や世界選手権で終盤追い上げてメダルに絡むシーンをよく見る。
 5位、ハブデゲブレル、2時間28分36秒(40km以降は8分23秒)。6位、竹中、2時間28分44秒(40km以降は8分32秒)と相次いでゴール。このふたりは、ずっと競り合っていたように思う。
 竹中は悔しいレースだったのではないか。3位の田中は同級生という。集団から遅れ始めても粘れる選手だと思う。しかし、マラソンは長いので、苦しい時はやや緩めて、走りの立て直しを図るのも一策で、そうしていれば、田中と終盤競り合え、少なくともベスト記録は更新出来たのではないだろうか(優勝は狙えないが)。
 7位バーナルデッリ、8位ツェガ、9位古瀬、10位加藤。
 リオ代表の伊藤は11位。12位前田穂南、13位高田晴奈、14位キャシー・フィン(オーストラリア)、15位内田梨絵。
 新井沙紀枝(千葉氏推薦)は19位、41歳小﨑まりは21位(2:35:52)だった……感服。
 中盤、レースを引っ張った吉田香織は35kmでは5位と踏ん張っていたが、残り3キロの地点で低体温症と過呼吸で途中棄権

 優勝した重友選手の見事な走りだった。
 10kmでペースメーカーがペースを上げた時は、自分も身体が動いておりいいペースで走れていたと思ったので、ペースを維持して走ったら、思いのほか差をつけられてしまったとのこと。
 それでも慌てずに走りを崩さず、15~18km地点でリズムに乗り始め、追い上げに掛かったが、25kmで堀江がスパートし、再び差が開いた時も慌てず走りを維持し、追い上げ続けた。
 予定は≪30km付近まで集団について行き、そこから勝負≫で、それとはかけ離れた展開だったが、落ち着いて気迫あふれる力強い走りを貫いた。
 今回、奇しくも陸連が推す“ネガティブスプリット”的な走りとなってしまったが、意図したものではなかったようだ。


 2位の堀江選手もそうだが、重友選手はここ数年は故障に苦しんだ。
 ロンドン五輪の79位2時間40分6秒 と惨敗。選考レースでは失速する福士選手とは対照的に快調な走りで、2時間23分23秒の好タイムでマラソン初優勝を飾ったが、五輪前の6月下旬に右足首を痛め、練習不足のまま本番に向かわざるを得なかったという。
 その後も、世界陸上北京大会のマラソンに出場するなど、ある程度の成績は残しているが、本人が満足できる到底本人が満足できるものではなかった。
 諦めず努力し続けた彼女に拍手を送りたい。
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