ロッテリアなんて、ついぞ行かなかった。
つい最近、キシリトールの仕掛け人、
藤田康人さんのセミナーに行って、この「絶品チーズバーガー」の仕掛けの話も聞きました。
そして、翌日、当然、食べに行きました。
何年ぶりだろうか?
360円。高い。
オーダーしたら、5分ほどお時間いただきますとのことで、席に座って待つ。
来た。
ボリュームもないし、小さいな、これ。
そして、食べてみて、
今までのハンバーガーのイメージじゃない。
ビーフも、焼き方も、バンズも、チーズも明らかに違う。
野菜なし。変なソースもなし。
あのモワっとした感じがない。
肉もところどころ歯ごたえがある。
いやあ、これはなかなか
食べれる。
じゃない、満足して
食べられるシロモノだ。
ハンバーガーってもの自体、ほとんど食べないし、食べたくもならないけど、
これならたまにはいいかも。
藤田さんの仕掛けの話、面白い。
新商品キャンペーンで10万人を動員するために、どうするか。
マックは大量のTVCFを打って、1千万人にリーチ。そのうちの1%の人に来てもらえば、10万人。
それに対して、ロッテリアは金もないので、1万人の社員・スタッフ・コアなお客様が、1人10人の仲間を連れてくれば、10万人。
そして、店舗を最大の媒体であることを生かし、活動自体をニュースにした話題性作り、そして、まず身近な人に食べてもらい輪を広げていくインフルエンサーマーケティングの手法。(スタート3日で5千件のブログ書き込み。)
そして、学生のマーケティングコンテスト。(下記)
今までのマス媒体を中心としたメディアミックスのやり方とは明らかに違います。
「口コミの作り方」、少し引用します。
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今回のテーマは“リアルとネットが融合した究極のインフルエンサーマーケティング”です。
今回のロッテリアの“「おいしいコト伝えたい」プロジェクト”では、マス広告は一切行わず、ネットでのブログに加えマスPRとリアルのロッテリア店舗での活動を統合的に組み合わせるという新しいチャレンジをしました。
そして私たちがインフルエンサーとして選んだのが、店舗でサービスを提供する「メイト」(店舗スタッフ)と地域のお客様代表としての大学生です。
このプランで最も重要な役割を果たすのは、学生の取り組みです。我々は、学生のモチベーションと想像力を最大限に引き出すため、「学生マーケティングコンテスト」として学生たちに5つのチームを編成してもらい、マーケティング上の3つの課題についてその知力・行動力を競ってもらうことにしました。
その3つの課題とは
キャンペーンブログでの、各チーム記事の閲覧数(認知獲得)
協力店舗における試食チケット回収枚数(販促効果)
協力店舗における新バーガー販売個数(販売実績)
です。各課題について1~5位まで順位に応じて得点を付与し、最終的に3つの課題の合計点で優勝チームを決定します。
まずはマスPRで大きな情報の露出を仕掛けました。
製品発売の前日11月29日の夕方のニュース番組の日本テレビ放送網「リアルタイム」で“絶品チーズバーガー”の開発ストーリーが放映されました。
発売日当日の朝の番組の日本テレビ「スッキリ!!」、フジテレビジョン「めざましテレビ」「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまプラス」に加え、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、の各紙で一斉に新製品発売を露出させることに成功しました。
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学生5チームの取り組み
【上智大学】
上智大学の戦略はとにかく
「足を使う」ということです。担当店舗近隣の大学やお店、先輩が務めている会社のオフィスに顔を出し、インビテーションカードの配布を行い、さらにはデリバリーを請け負うこともしています。
【学生選抜】
複数大学の有志によって構成されているこのチームでも、やはり学生ならではのフットワークを活用した販促活動を行っています。彼らのユニークなところは毎朝7時にチームメンバー数人が店頭に立ち、出勤途中のビジネスマンに大声で挨拶をしている点です。これだけで入店してくれる人は少ないのですが、狙いはそこではありません。
通勤時間が終わる頃から、営業活動を開始します。担当店舗
近隣のオフィスを訪問し、営業をかけるのですが、応対してくれる方は、大抵彼らが早朝から挨拶していることを知っていて、好意的に接してくれるそうです。そこで彼らはチームブログのURLやQRコードによる携帯電話用クーポンが印刷された名刺を渡し、そのうえでデリバリーの注文を取ります。常にデリバリーのオーダーをもらえるわけではありませんが、ブログを見てもらう機会や、携帯電話用クーポンを持って来店する機会を広げています。
【東京大学】
店舗への集客に力を入れているのが東京大学のチームです。彼らが担当店舗とコラボレーションをすることになった時、一番初めに考えたことは
「居心地のいい空間」を創り出すことでした。
具体的には、チーズバーガーをおいしそうに食べる人の顔をデジカメで撮影して、プリントアウトしたものを店内の入口一面に張ることなどで、お客様と一体になってチーズバーガーを盛り上げていく空気をつくり出す、といったことを行っています。
この「居心地のいい空間」作りと並行して、「御茶ノ水にロッテリアがある」ということをアピールするため、様々なイベントも行っています。例えばある日、朝8時から個数限定で大試食会を行い、およそ60人の行列をつくりました。
これにより通勤、通学途中の人に印象づけることができたそうで、実際、営業のため訪問したオフィスで「朝、行列やってたよね」と声をかけてもらえたそうです。ほかにも就職活動生を対象に、チーズバーガー片手に就職内定者との懇親会を開催したり、予備校生を対象に東大生ならではの「受験虎の巻」を配布するなど、担当店舗の地域特性に合わせた企画により、認知度を高め、ファン増を狙っています。
【慶応大学】
慶応大学チームは
ブログへの流入を増やすため、現役の慶応生やOB/OGの著名ブロガーにアプローチし、大々的にチームのブログを紹介してもらっています。同時に一般のブロガーやSNSにコンタクトを取り、自分たちの活動を紹介してもらえるよう取り組んでいます。
頻繁にブログに訪れてもらえるよう、コンテンツは5種類用意しました。その中には著名人の慶応OB/OGを訪問し、実際にチーズバーガーを食べてもらうまでを実況するといった、ユニークなコンテンツもあります。
さらにこの5コンテンツを毎日定時に更新し、それをブログ閲覧者に明確にすることで、閲覧者が頻繁に訪れ、また複数の記事を見てもらえるような工夫をしています。
【早稲田大学】
早稲田チームは
「私たちは頑張るアナタを応援します!!」をテーマに活動を進めています。彼らは、このテーマに基づき、
ブログへの誘因による商品の認知向上と店頭での販売促進の2つに力を入れています。
まずブログでは、何よりもより多くの人に新商品を認知してもらうために、ブログへの訪問者を増やすことに注力しました。そこで行ったのが「The Straight Contest」です。
これは、「早稲田で一番、まっすぐ真面目に頑張るストレートな男を決める」コンテストで、4人の候補者の写真とプロフィールを大学内外の様々な場所に掲出し、人々の投票により優勝者を決めるというものです。投票はPCから投票用のURLにアクセスするか、プロフィールとともに印刷されているQRコードに携帯電話からアクセスする形になっています。このアクセス数で優勝者が決定するのですが、投票時にアクセスしたページが早稲田チームのブログになっています。投票後に表示される画面を見ると、お礼とともに新商品が表示されているわけです。
店頭での販促活動では、朝早くから頑張っているビジネスマンを応援する企画「行ってらっしゃいキャンペーン」を実施しています。
これは、毎朝6時からチームメンバーたちが店頭に立ち、出勤途中のビジネスマンに無料で温かいコーヒーと手作りのメッセージカードを手渡しするというものです。手渡しする際には「朝早くからお疲れさまです。コーヒーいかがですか? 今日も頑張ってください」と声をかけるのです。手渡しするカードには学生選抜チームと同様にQRコードによる携帯電話用クーポンが印刷されているのですが、同時にチームメンバーによる手書きの応援メッセージが書かれています。
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これらの“究極のインフルエンサーマーケティング”の結果、“絶品チーズバーガー”は事前の予想をはるかに上回る販売実績を上げています。
口コミはやはりコンテンツの強さと伝える人の熱意が必要です。
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学生たちがそれぞれ工夫を凝らし、汗を出し、楽しみながら競っています。
そしてこれは実際の集客の経過、結果がすぐわかるので、どれだけ自分たちの知恵や力が通用したのかが目に見えるわけで、学校での座学よりもとてもいい勉強になったと推測できます。
時代は明らかに変化しており、従来どおりの手法ではモノが売れなくなっています。
ウェブ2.0がもたらした新たなコミュニケーション手法。
インフルエンサーマーケティングの方向にどんどんシフトしていくんじゃないかと思っています。