即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

足るを知ること

2012年11月24日 20時29分08秒 | 雑感
今日は天野祐吉さんのコラム、成長はもういい [ことばの元気学]について。

少し引用させてもらいます。
-----------------------------------------------------------
電球は1000時間で切れるように、いままでつくられていたんですって。
電球だけじゃない。
いまも電気製品の大半は、もっと長持ちできるのに、早く壊れるようにつくられているんですって。
そういう話は前から聞いてはいましたが、それが本当の話であることを、みごとに実証したテレビ番組を見ました。
先日NHKで放送されたフランス・スペイン合作のドキュメンタリー番組「電球をめぐる陰謀」です。

このことはぼくの「CM天気図」にもちょっと書きましたが、ひどい話です。
つまり、電気製品が長持ちしたら、買い替えが進まない。
どんどん買い替えてもらうためには、早く寿命がくる継続しているようにしなきゃならない。
そうしなければ、大量生産・大量消費の歯車が勢いよく回らない。
歯車が勢いよく回らなきゃ経済成長が持続しない。
というわけですね。
こわれた商品の修理を頼むと、「買い替えたほうが修理より安いですよ」と買い替えをすすめる。
それもまた、この戦略の一環です。

  <中略>

そう、いまの政治家や財界人は、やたらに「成長」を口にする。
「成長」抜きに未来は語れない、という。
それには大量生産・大量消費の歯車を回し続けることが不可欠だという。
で、それは、原発抜きではとても考えられないという。

でも、番組の中でセルジュ・ラトゥーシュさんというフランスの著名な経済学者がいっていましたが、
それは「人間のための成長」ではなく、「成長のための成長」です。
彼によれば、いまのぼくらは、運転手のいないスピードカーに乗って猛スピードで突っ走っているようなものだという。永久につづく成長なんて絶対にあり得ないわけですからね。
「経済成長なき社会発展は可能か」というラトゥーシュさんの本を、野田さんに送ってあげたいと思いましたが、送ってもたぶんあの人は読まないでしょうね。
-----------------------------------------------(引用終わり)
不況、デフレ脱出。
明るい未来のためには経済成長ありき。
そのためには原発も必須。
どんどん自然を開拓、いや破壊して、ダムを作り、ビルを建てる。
国民の豊かな暮らしのために経済を強くして文明発展を推進していく。

経済成長というものは当然ながら使用済み核燃料も含め大量の廃棄物を生み出している。
そのことまで含めての評価をし直さなければいけないし、豊かさを測りなおさなければならないはずだ。
大局的、長期的に見た将来への影響も視野に入れた上で、総合的に本当の豊かさにつながるのであればいいのだけど、少なくても成長のための成長はやめるべきだと思う。ここでしっかりと終止符を打つ時だ。

足るを知る。

最近とみに思うのはこのこと。

3.11でやっと気づいた部分もあるのだろうけど、まだまだ高度経済成長の神話、伝統はしっかりと息づいている。
心の欲求はどこまでも果てしない。
足りなければ満たそうとするのが心の常。
しかし次第に満たされていったとしても、ここまでで達成、おしまい、という限度は存在しないから、もっと、さらに、と永遠に続いていく。
どこまでもひたすら満たし続けようとする人間の悲しい性。

そうであれば今を満ち足りたものとすればいい。
天気がいいことに、ご馳走でなくてもゴハンがおいしいことに、毎日咲いてる花が美しいことに、好きな人と一緒にいられることに、心の底から感謝して、満足して毎日を過ごす。
身の程を知り、謙虚にささやかに、日々のさりげない幸せを見つけて、ゆったりと暮らすこと。

少なくとも、早く壊れるような電球とか、無駄に廃棄している食料とか、誰も使わないハコモノとか、そういう馬鹿なことはやめにして、まっとうに、きちんと、誠実に生きたいと思う。

歳をとったからなのかわからないけど、ちゃんとしないとあかんよなあ、とつくづく思う今日この頃なのですね。
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都会の表情

2012年11月14日 12時22分05秒 | 日記とニュース
今日はつい先日の地下鉄の駅のホームで見たちょっとした話、2題。

昼間、地下鉄の駅のホーム。
きちんとした身なり、ダークスーツの40代サラリーマン。
パッと見、仕事もできそうだし、クールで理知的な感じ。
立って電車待ちながら、イヤホンで音楽を聞いている。
次第に乗ってきたのか、手足で軽くリズムを取り始めた。
体全体も使って、スイングし始めた。
見るからに楽しそうな、幸せそうな光景。
顔はといえば、もううれしそうでたまらないほどの満面の笑顔。
人前で、ここまでの魅力的な笑顔ができるんだろうか。
仕事の最中なんだろうけど、これだけあからさまに幸せに浸れるっていうのはなんともうらやましい限り。
音楽の力、恐るべし。
仮に彼に辛いことがあっても、一瞬にしてこうなれる力を備えているのか。
この閉塞した生きにくい世の中では、この才能は素晴らしい。
サバイブするには最高の武器だ。

珍しい、貴重なものに偶然出会って、写真撮るのも忘れ、目を丸くしてじっと見ていた僕。

上の話の五分後。
別の地下鉄の駅での出来事。

ホームの向こうからサラリーマンのオジサンたちのグループが歩いてきた。
先頭を歩いてきた二人のうちの片方がもう片方に対し、突然切れて大声で怒鳴りかかった。
『コノヤロー、ふざけんじゃねえ!』
そして掴みかかり、傘を持った手で殴りかかった。
頭を殴りつけ、さらに罵詈雑言を吐きつつ、パンチを繰り出そうとする。
残りのオジサンたちが両側から羽交い締めにして止めに入る。
ホームに戦慄が走る。
大声を聞いて野次馬が集まってくる。

まだ殴ろうとして興奮して顔を真っ赤にしてるオジサンに、殴られたオジサンが殴られたところを押さえつつ冷静に一言。

『これはれっきとした傷害事件ということですよね?』

まあ、世の中いろいろです。
コメント (8)
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紅葉三昧

2012年11月08日 10時33分31秒 | 
週末、草津に行ってきました。
温泉もいいのだけど、この時期の紅葉の見事なこと、しばし呆然、言葉を失いました。

草津は温泉の泉質がそんじょそこらの温泉とは違うし、濃密で滑らかで柔らかくてすごく気に入ってます。
ということで年に1,2回は必ず行ってます。

きれいな写真満載なのも、携帯から更新したものも含め過去の記事、かなりありますね。
(新しいものから順に。)

草津で九撮
コミュニケーションは十人十色
観光利権の現状
地域になじむこと
町の共同浴場
現場主義
草津の湯畑
風呂談義
温泉がなくなる・・・

ではどこもかしこもあまりにも美しい光景をゆっくりとご堪能ください。

























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偶然の出会い

2012年11月03日 22時12分44秒 | 友達・絆
先日、偶然の出来事があり、一生忘れられない日になりました。

定期健診で行った病院の待合室で偶然大橋巨泉さんと会ったんです。
それもたまたま待合室の席が隣。
ちょっとドキドキしながら本を読んだりしながらモジモジしていた。
一緒にかなり長い時間待たされていたので、どうしようかなあと逡巡した挙句、思い切って話しかけてしまいました。
すごく柔和で腰も低く、ちゃんと僕にも質問してくれたりもするし、気さくにいろんな話に付き合ってくれました。
体調のこと、ゴルフのこと、ここにきて同期(坂上二郎さん、玉置宏さん、長門裕之さん)がどんどん亡くなっていってすごく寂しいこと、などなど、なんか親戚のおじさんにでも会ったような感じでほんとカジュアルな感じでお話しさせてもらいました。
薬のことや体調管理のことなどいろいろ知らないことを教えてもらったりもしました。

そもそも僕がこの業界(広告)に興味を持つきっかけになったのは、巨泉さんの11PMでやっていた宣伝部のパロディでした。
巨泉さんが社長、藤村有弘さんが宣伝部長になり、何人かの宣伝部員には土屋耕一さんや浅葉克己さんなどが出てました。そして若かりし日のコピーライターの岩永嘉弘さんも出ていました。

これが当時の写真です。(岩永さんがわざわざ探してくれました。ありがとうございました。)


越中ふんどしを『JAPANTS』、コンドームを『ムードンコ』と名付けて、そのポスターを作ったりとか、売りにくい商品をアイディアを駆使してどう売るか、というコーナーをずっとシリーズでやっていました。(今でもよーく覚えています。上の写真は“まる巨”マークのJAPANTSです。)
これがたまらなく面白いと思った大学生の僕は、その後広告業界に興味を持ち、広告代理店に入りました。
それから数十年。業界に入っていろんな仕事をさせてもらいました。
後にその岩永さんと一緒に仕事をさせていただくとは想像もしていませんでした。
今でも時々お目にかかったり、facebookで毎日のように交流させてもらってることがとっても不思議です。

そしてついに、11PMでこのコーナーを作ってくれた巨泉さんにもお目にかかりお話しすることができました。
直接感謝の気持ちを伝えることができるなんて思ってもみませんでした。

『僕が一生ずっと好きで続けてきた広告の仕事に巡り合えたのは巨泉さんの11PMがきっかけだったんです。本当にありがとうございました。』

と、直接お礼を言うことができました。

僕の言葉を受けて、ニコニコしつつ、あの頃を思い出し、
『あの頃の彼らはすごく才能もあったし面白かったですねえ。岩永君は元気なんですか?よろしく言ってくださいね。』と温かく返してくれました。

あの11PMを見なかったら、ぼくは一体どんな仕事をしていたんだろうか。
どんな人生を歩いていたのだろうか?

たくさんのエキサイティングな仕事に出会えたこと。
仕事を通じて多くの素敵な人に出会えたこと。
そしていろいろな経験をさせてもらい成長させてもらったからこそ今の僕があるということ。

心の中でずっと思っていたことを、直接伝えることができて本当にうれしかったです。
そんな偶然の出会いに心から感謝します。
コメント (2)
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