即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

一番長い日を終えて

2009年03月04日 21時37分05秒 | 将棋
昨日、将棋界の一番長い日・大胆予想を書きました。

今日は、その結果発表と回顧。

昨日した大胆予想は、

1.△佐藤-▲藤井は佐藤勝ち。

2.▲森内-△三浦は森内勝ち。

3.△丸山-▲深浦は深浦勝ち。

4.一番注目の▲谷川-△鈴木は谷川勝ち。

5.挑戦争いの一番、▲郷田-△木村は木村勝ち。

結果は、3勝2敗でしたね。

昨日、ずっと見ていて、やはり技術とか戦略とか言うよりも、
メンタル面、いわゆる、気迫とか、執念というものが、勝敗を決めたのかな、と強く感じました。

まず、予想が当たった、佐藤、森内、谷川に関しては、
静かなる闘志、気持ちが充実、凛と張り詰めている様子。
ぎらぎらしたものでなく、気負いも無く、勝つと固く決めた決意のようなものが漲っている。

佐藤は序盤から圧倒的なリードをして、そのまま危なげなく勝ち切る。
森内も、充実した指し回しで、一分将棋になっても、落ち着いて、堂々と、指し手を続けて勝ち。

そして、谷川。
意表の▲9三桂成り。取られる桂をわざわざ別のところで取らせる深慮遠謀。
そして、千駄ヶ谷の受け師も真っ青な、金銀を玉の周辺にベタベタ打ち鉄壁な牙城を作る作戦。
ある意味谷川らしくない、並々ならぬ闘志、決意を感じたのだけど、結局しっかりと鈴木を押し切って見事残留を決めた。

残る2局は、予想が甘かった。まるで浅い読み。
もっとしっかり深く読むべきだったと、反省。

△丸山-▲深浦戦。
深浦勝ちと予想したのだけど、今、王将戦であとひとつ、と王手をかけている局面。
その疲れもあるのか、集中力が続きにくいのか。
初の2冠目のタイトルを獲ることに、今深浦はどれだけ賭けているか、をもっと考えるべきだった。
ここは、チャンス、あの羽生から2つ目のタイトルを獲るということ。
羽生との対戦成績も棋界広しと言えども、右に出るものはない。
羽生を倒せるのは、今のところ自分しかいない。
棋界の第一人者に近づくためには、この王将戦をものにすることが目の前の重要なミッション。
そんなこともいろいろ影響して、結果、深浦は勝ち切れなかったのか、と。
でも、4勝5敗での降級ではなかったのが、まだ救いだった。

ということで、去年昇級した二人が、1期で転落。
現役タイトルホルダーまでもが落ちてしまうというA級の凄さをあらためて見せ付けられる結果となった。

そして最後に、
挑戦争いの一番、▲郷田-△木村戦。
これは、佐藤の挑戦者への怨念がここにも伝わるか、なんて、
念力的な発想だけでの予想をしてしまったことが無理筋。

郷田、木村の心理を考えたわけではなく、強引な理屈を持ち出したのが敗因。

木村は、どうもここ一番と言うところが勝負弱い。
竜王戦の挑戦者決定三番勝負もそうだし、今回の棋王戦決勝トーナメントでもそうだし、ここぞというところでなかなか勝てない。
そこを乗り越えてタイトル戦に出たとしても、その壁は高い。
和服を着て気合を入れると尚更勝てない。
勝率はいいけど、ここぞという一番での勝負弱さ。
気合が結果に結びつかないところが木村の課題なのだろう。
(結果論ではあるが。)

そこへ行くと郷田は、タイトル3期獲得、各棋戦優勝6回を含め、しっかりと自分のポジションを固めている。
ここぞというところでもしっかり結果を出している。
今回も大混戦のA級順位戦の中で、一人だけ頭一つリードしてきたことが、郷田の充実振りを示している。
そして、おととしの森内名人への挑戦で、フルセットの末に敗れた屈辱も忘れられない。
今回は、あの悔しさを晴らすためにも、是が非でも挑戦する、という強い執念。

そこが勝負を分けたのでは。

ということで、こういう結果になりました。

渡辺竜王、山崎七段の丁々発止の掛け合い(漫才?!)、楽しかったです。
(横で聞いていた将棋の事何も知らないうちの奥さんが、二人の声、似てるわね。しゃべり方も。と言ってましたよ。)
(多分、解説には向かない)スーパーあつしくんの存在感もすごい。
たまーに発する一言、『それは詰まないです。』なーんて。
いやあ、なんちゅう重み。
そして、時折登場した勝又教授のデータ分析力と理論と説得力のすごさ、感心しました。

そんなことで、今年も夜中まで、一番長い日を堪能させてもらいました。
関係者の方々、ありがとうございました。
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