マハティール元首相、日本の政治にもの申す
マレーシアのマハティール元首相のインタビューです。
一向に埒が明かないどころか、どんどん沈没していく日本の政治、経済、外交、原発やエネルギー問題など、すべてにおいて核心をついた発言です。
一部引用させてもらいます。
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ただ最近の日本を見ていて残念なのは首相が2年以内に交代してしまうことです。1つの施策をしっかり根づかせるにはそれなりの時間がかかります。1年や2年で交代して、また別の方針を打ち出していたら、何もできません。時間が足りなすぎます。
私は22年間も首相の座にいましたから、マレーシアのことをじっくり考える時間があった。1つのことをやり切ろうと思ったら最低でも3~4年はかかります。それだけの時間を国民は首相に与えてあげるべきでしょう。
<中略>
完璧なリーダーなど世界中のどこを探してもいません。あらゆるリーダーは良い点も持っているし悪い点もある。大切なのはそのリーダーがどのようなプログラムを考えているかです。
そのプログラムが、日本経済を再生して発展させようというのであるならば、首相に対して、どのようにすれば日本経済が良くなるか具体的な政策を立てて実行する時間的な余裕を持たせてあげるべきです。
もし、首相が日本経済を弱めるような政策しか持っていないならば、それは話になりませんが、仮にも首相になろうとする人なら、そんなことはないはずです。
繰り返しますが、世界中に完璧なリーダーなどいないのです。日本の国民は自分たちが選んだリーダーの悪い点をあげつらうのではなくて、良い点を実行できるだけの時間をぜひ持たせてあげるべきです。
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これは日本のリーダーの人気ではなく、任期の話。
資質の問題、派閥の問題、いろいろな原因はあるだろうけど、自民党時代の小泉政権以降、全部が短命内閣ばかりだったことが日本の複雑化した問題を全部先送りすることになっている。
新たなリーダーに代わると、政策の議論になる前に、何かしらの細かい齟齬を見つけては寄ってたかって足を引っ張る土壌。
どういう信念、情熱を持っている人なのかの前に、以前こういうことをしてた人、とか、ワイドショー的なわかりやすい方に話を持って行ってしまうマスコミ。
もちろん本人の落ち度もあるのだろうけど、せっかく張り切ってやろうとしたのに、あいつはダメ、そんな器じゃなかったという空気が蔓延して表舞台から去ることになる。
そして、政治家が短期間で代われば官僚の思う壺になり、何も変わらないどころか、リーダーが代わる度にどんどん日本の総合力や我々の生活の豊かさは下降線をたどっていく。
政局のゴタゴタばかりで、正極には行かずに負極へまっしぐら。
消化不良、というか、なんだか本質のところでものごとが動いてない感覚。
こういうのは、政治の世界だけのことではない。
短期的に結果を出さないと生き残れないビジネスの世界でも同じこと。
ちょっともたもたしてると、もう左遷、交代。
すぐに組織や人事をいじくって、その狙いがどうだったのかを検証する前に、また代わっちゃう。
自分の仕事の業界においても、昔はクライアントの担当部署の人たちはそれほど代わることはなかった。
専門部署のプロとして、しっかりした見識や方向性を持っていたし、一緒になってじっくりと完成度の高い仕事をして結果を出していた。
しかし近年になり、不況の波にもまれ、すっかり時代が変わった。
あっという間に担当者が代わり、せっかくいろいろ覚えてコミュニケーションできるようになったと思ったらもう交代。
また新たな何も知らない人が来て一から説明、という徒労感。
結局、企業の方針もはっきりしないまま、以前と似たようなことをやってお茶を濁す。
『全部俺が責任取るから、思い切ってこの路線を進めてみよう。』というような気概のあるプロフェッショナルはどこかに行ってしまった。
誰もリスクは取れない、取らない寂しい世の中。
『はいはい、問題起こさないように、無難な路線で、それで、安く上がるようにね。』ってことで、それがスタンダードになる。
僕が通ってるスポーツクラブも全く同じような様相。
支配人、なんとまあよく変わることか。
1年とか、ひどいと半年で替わっちゃう。
誰が来たって、別に現場はそれなりのマネージャーなどがいて回ってるから、その施設での方針も何もあったもんじゃない。
そのエリアの特徴やその店の会員特性など覚える間もなくまた別の店へと異動していく。
また代わっちゃいました、と現場もあきれているし、頼りになんかしてもない。
こういうことやっていていいのだろうか。
結局は現場での本質など掴むこともなく、それなりの重要な判断を下すこともなく、本社の言うとおりに問題起こさないようにして、細々とサラリーマン生活を続けていく。
何度も書いてるけど、コンプライアンスとか個人情報保護法とか、その辺からすべての歯車がおかしくなっている。
時間がない、スピードが肝心、後れを取るな。
それもわかるんだけど、こういう時こそ、きちんとした長期的な将来ビジョンを作るべき。
全体像の中で、大局観に基づき、一歩一歩進んでいくのでないと、焦れば焦るほど後退してるような状況。
交代してるから後退してる。
ということで、『短期は損気』というお話でした。
お後がよろしいようで。
マレーシアのマハティール元首相のインタビューです。
一向に埒が明かないどころか、どんどん沈没していく日本の政治、経済、外交、原発やエネルギー問題など、すべてにおいて核心をついた発言です。
一部引用させてもらいます。
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ただ最近の日本を見ていて残念なのは首相が2年以内に交代してしまうことです。1つの施策をしっかり根づかせるにはそれなりの時間がかかります。1年や2年で交代して、また別の方針を打ち出していたら、何もできません。時間が足りなすぎます。
私は22年間も首相の座にいましたから、マレーシアのことをじっくり考える時間があった。1つのことをやり切ろうと思ったら最低でも3~4年はかかります。それだけの時間を国民は首相に与えてあげるべきでしょう。
<中略>
完璧なリーダーなど世界中のどこを探してもいません。あらゆるリーダーは良い点も持っているし悪い点もある。大切なのはそのリーダーがどのようなプログラムを考えているかです。
そのプログラムが、日本経済を再生して発展させようというのであるならば、首相に対して、どのようにすれば日本経済が良くなるか具体的な政策を立てて実行する時間的な余裕を持たせてあげるべきです。
もし、首相が日本経済を弱めるような政策しか持っていないならば、それは話になりませんが、仮にも首相になろうとする人なら、そんなことはないはずです。
繰り返しますが、世界中に完璧なリーダーなどいないのです。日本の国民は自分たちが選んだリーダーの悪い点をあげつらうのではなくて、良い点を実行できるだけの時間をぜひ持たせてあげるべきです。
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これは日本のリーダーの人気ではなく、任期の話。
資質の問題、派閥の問題、いろいろな原因はあるだろうけど、自民党時代の小泉政権以降、全部が短命内閣ばかりだったことが日本の複雑化した問題を全部先送りすることになっている。
新たなリーダーに代わると、政策の議論になる前に、何かしらの細かい齟齬を見つけては寄ってたかって足を引っ張る土壌。
どういう信念、情熱を持っている人なのかの前に、以前こういうことをしてた人、とか、ワイドショー的なわかりやすい方に話を持って行ってしまうマスコミ。
もちろん本人の落ち度もあるのだろうけど、せっかく張り切ってやろうとしたのに、あいつはダメ、そんな器じゃなかったという空気が蔓延して表舞台から去ることになる。
そして、政治家が短期間で代われば官僚の思う壺になり、何も変わらないどころか、リーダーが代わる度にどんどん日本の総合力や我々の生活の豊かさは下降線をたどっていく。
政局のゴタゴタばかりで、正極には行かずに負極へまっしぐら。
消化不良、というか、なんだか本質のところでものごとが動いてない感覚。
こういうのは、政治の世界だけのことではない。
短期的に結果を出さないと生き残れないビジネスの世界でも同じこと。
ちょっともたもたしてると、もう左遷、交代。
すぐに組織や人事をいじくって、その狙いがどうだったのかを検証する前に、また代わっちゃう。
自分の仕事の業界においても、昔はクライアントの担当部署の人たちはそれほど代わることはなかった。
専門部署のプロとして、しっかりした見識や方向性を持っていたし、一緒になってじっくりと完成度の高い仕事をして結果を出していた。
しかし近年になり、不況の波にもまれ、すっかり時代が変わった。
あっという間に担当者が代わり、せっかくいろいろ覚えてコミュニケーションできるようになったと思ったらもう交代。
また新たな何も知らない人が来て一から説明、という徒労感。
結局、企業の方針もはっきりしないまま、以前と似たようなことをやってお茶を濁す。
『全部俺が責任取るから、思い切ってこの路線を進めてみよう。』というような気概のあるプロフェッショナルはどこかに行ってしまった。
誰もリスクは取れない、取らない寂しい世の中。
『はいはい、問題起こさないように、無難な路線で、それで、安く上がるようにね。』ってことで、それがスタンダードになる。
僕が通ってるスポーツクラブも全く同じような様相。
支配人、なんとまあよく変わることか。
1年とか、ひどいと半年で替わっちゃう。
誰が来たって、別に現場はそれなりのマネージャーなどがいて回ってるから、その施設での方針も何もあったもんじゃない。
そのエリアの特徴やその店の会員特性など覚える間もなくまた別の店へと異動していく。
また代わっちゃいました、と現場もあきれているし、頼りになんかしてもない。
こういうことやっていていいのだろうか。
結局は現場での本質など掴むこともなく、それなりの重要な判断を下すこともなく、本社の言うとおりに問題起こさないようにして、細々とサラリーマン生活を続けていく。
何度も書いてるけど、コンプライアンスとか個人情報保護法とか、その辺からすべての歯車がおかしくなっている。
時間がない、スピードが肝心、後れを取るな。
それもわかるんだけど、こういう時こそ、きちんとした長期的な将来ビジョンを作るべき。
全体像の中で、大局観に基づき、一歩一歩進んでいくのでないと、焦れば焦るほど後退してるような状況。
交代してるから後退してる。
ということで、『短期は損気』というお話でした。
お後がよろしいようで。