ケイコは早く歳を取りたい。あの頃に戻りたいということも全くない。漫画なら、「それから色々あって10年の月日が流れ……」みたいな展開もあるのだが、現実はそうはいかない。まだ40代だなぁ、早く歳を取りたいなぁと思いながら日々を生きている。若い頃からその傾向はあったが、最近は特に強くなった。それはきっと、ケイコの周りには素敵な歳の取り方をしている人がたくさんいるからだ。
父は定年退職してからパークゴルフに夢中で、とても楽しそう。コロナ禍からウィーキングも始めたことも素晴らしい。母は子育てが一段落してから勉強をして資格を取り、仕事に繋げた。最近では孫と連絡を取るためにLINEの使い方を必死に覚えたというのも純粋に格好いいなぁと思う。そして、さらに歳を取ることを魅力的に思わせてくれたのは、波風先生とママヨさんだ。お宅にお邪魔をしてお話しさせていただくと、なおさらその人間としての深みがわかる。歳を取ったからこその魅力。ケイコは恵まれている。素晴らしい先達たちに囲まれて、歳を取ることが嬉しいと思える。
バンジージャンプをしてスカイダイビングをして、ラフティングもしてみたい。70歳になったときにも、「毎年恒例なんですよ」と広い空や激しい濁流に飛び出せたら最高。そのために身体も鍛えないと。お金も貯めないと。素敵歳歳を取るためには、今やることはたくさんある。
【波風氏からのご連絡】『言葉のケイコ』は次回をもってシリーズⅠを終了します。