この作品でジョディ・フォスターは、アカデミー主演女優賞を受賞した。出演時26歳だった。
ジョディ・フォスターは、サラという品行の悪いウェイトレス役で、町外れの酒場でレイプされる。サラを担当するのは、地方検事補キャサリン(ケリー・マクギリス)だった。
弁護側と過失傷害でレイプと同じ期間の懲役刑で司法取引を行なう。怒ったサラに言われる。「あたしの気持ちが分かる? パンティを脱がされアソコを丸出しにされ、3人の男が突っ込むのを皆は拍手喝采で見物なのに。あんたは何よ、“ベストを尽くした”? まったくいい気なもんだわ! 自分の得のためにあたしを売ったわけね」
それを聞いたキャサリンは、はっと我に返る。確かに大事なことを彼女は言った。紛れもなく日常業務として検事補の仕事をしたに過ぎない。酒飲みでヤク中のふしだらな女という先入観に振り回されて本質を見失った。
ここから二人の女性の戦いが始まる。レイプ行為は勿論それを煽り、そそのかしけしかける教唆の罪を男たちに知らしめるために。陪審は非常に難しい判断を迫られる。二日間の陪審評議がそれを物語る。
映画の壮絶なレイプ・シーンは、息を呑むと同時に嫌悪感も拭えない。ジョディ・フォスターの体当たり演技も見応えがあるが、検事補役のケリー・マクギリスの抑えた演技も好感が持てる。それに彼女にはどことなく色気を感じる。‘85「刑事ジョン・ブック/目撃者」のアーミッシュの女性が印象に残っている。
監督 ジョナサン・カプラン1947年11月パリ生れ。最近はテレビの仕事が多いようで、「ER緊急救命室」など。
キャスト ジョディ・フォスター言わずと知れた大女優。
ケリー・マクギリス1957年7月カリフォルニア州ニューポートビーチ 生れ。50歳になって映画の仕事はしていないようだ。