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映画 ニコール・キッドマン「ステップフォード・ワイフ(04)」

2005-08-21 13:17:55 | 映画
 ニューヨークのテレビ局で成功を収めていたジョアンナ(ニコール・キッドマン)が番組の失敗からクビになり、落ち込んで入院。同じテレビ局に勤めていた夫ウォルター(マシュー・ブロデリック)も妻をクビにした職場に憤慨して退職。人生をやり直すため郊外のステップフォードという町に引っ越す。

 豪邸が並ぶ美しい町ではあるが何かおかしい。奥様方は若く美人だし笑みを絶やさないがしっくり来ない。ジョアンナは落ち着かない。ミステリアスな雰囲気を盛り上げながら、エンディングで真相が明らかになる。

 監督 フランク・オズ
 キャスト 
 ニコール・キッドマン(ジョアンナ)
 マシュー・ブロデリック(ウォルター)
 ベッド・ミドラー(ボビー)
 グレン・グローズ(クレア)
 クリストファー・ウォーケン(マイク)
 フェイス・ヒル(サラ)
 ロジャー・バート(ロジャー)

 出演者が口々に言うステップフォード・ワイフとは、
 「ステップフォード・ワイフたちはみんな同じだ」
 「従順でロボットのような女性」
 「夫のためだけに存在している」
 「何でも言いなり」
 「魂が抜けた人形だ」
 「お飾りみたいな妻」
 「体制に順応する人の典型」という。

 次のように、ある程度社会に定着している言葉であることも確かなようだ。ニコール・キッドマンは「ステップフォード・ワイフって日常でも使う表現よ。男女を問わず特殊なタイプの人を指すの。有名な言葉よ」

 マシュー・ブロデリックは「日常の会話に出てくるよ。“あの人はステップフォードだ”と」そうは言っても、日本人の私にはさっぱり分からない。原作本に何かヒントがあるかもしれないというわけで、図書館から借り出した。

 本が書かれたのが1972年、このころはウーマンリブ運動(Women’s Liberation Movement)が活発化し、女性の地位向上や性の解放が叫ばれた。そんな時代の中で、原作者も離婚に見舞われ三人の子供を抱え浮かぬ顔であったそうだ。何か女性に対するわだかまりなり鬱積が、ユーモアと揶揄のユニークな本を書かせたのかもしれないと訳者は言う。本の売れ行きがよくて、ステップフォード・ワイフが一般化したのかもしれない。

 さて映画はウーマンリブ運動のかけらもなく監督が言うテーマ「対立ある結婚生活。ステップフォードでの生活を通して変わっていく二人についての物語」だそうだ。夫たちの乗っている車は普通のセダン、スポーツカーやバイクで子供だまし、着ているものもさえない。

 反面妻たちの着飾った服装や乗っている車は全員SUV(多目的スポーツ車、俗に言う四駆車)で、集まりがあると豪邸のドライブウエイにずらりと並ぶ。そういう均一化され個性を奪われたステップフォード・ワイフたちを開放するのがジョアンナとウォルターだった。一言で言えば印象に残る映画とは思えない。ニコール・キッドマンを見るだけで満足する人にはいいかもしれない。

 ニコール・キッドマンの出演の弁は、“Birth”を撮り終えた直後だった。重い作品だったから、外に出て映画を撮るのもいいかなって、サマーキャンプみたいだと誘われたのという具合。コメディでチョット息抜きってな感じ。それにしてもキッドマンの身長が180センチもある。ステップフォード・ワイフになる女優さんたちもみんな長身でスタイル抜群、勿論ルックスも申し分ない。それにひきかえAOLやマイクロソフトの幹部といいながら、男どものなんとさえないことか。要するに男の本心は、ステップフォード・ワイフのような妻に憧れているのだろう。
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