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難曲の演奏を促す脅迫、珍しい切り口のミステリー「グランドピアノ狙われた黒鍵’13」

2014-09-08 18:29:04 | 映画

              
 天才ピアニストといわれるトム・セルズニック(イライジャ・ウッド)は、5年間の空白期間を乗り越えて恩師パトリック・ゴーダルの追悼コンサートの舞台に立つことになった。

 コンサートが行われるシカゴへ向かう飛行機に不安を持ち、演奏にも気乗りしない様子。完璧主義者のトムにとって演奏を間違えることは死に等しい。このコンサートでも難曲中の難曲「ラ・シンケッテ」が待ち構えている。

 恩師パトリックの遺品、最高級のグランドピアノ、ベーゼンドルファー・モデル290が舞台の中央で手招きしている。楽屋でコンダクターから「キーを間違えても聴衆にはわかりゃしないよ」と元気付けられてはいるものの完ぺき主義の虜から抜け出せない。

 やがて演奏が始まり楽譜を1ページめくる毎に「音符を1つでも間違えたら君を殺す」「助けを呼んだら眉間を打ち抜く」という脅迫の文字。

 そして見ろ! という間もなくピアノのそばで銃弾がうがつ。「ローチェスター47 レーザー照準 消音器つきだ。精度最高級の銃だ」
そして難曲「ラ・シンケッテ」へと流れていく。

 クラシック音楽を背景に脅迫するというアイデアは斬新だ。トムはこれからどうするのだろう。なぜ、脅迫するのだろう。どういう結末になるのだろう。徐々に分かり始めるが、上質のミステリーを読んだような幸福感も与えてくれる。

 難曲といわれる「ラ・シンケッテ」は、この映画の監督エウヘニオ・ミラの作曲によるものという。
          
          
監督
エウヘニオ・ミラ1977年9月スペイン生まれ。

キャスト
イライジャ・ウッド1981年1月アイオワ州シーダーラッピッズ生まれ。
ジョン・キューザック1966年6月イリノイ州エヴァンストン生まれ。
ケリー・ビシェ