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映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近いExtremely loud and Incredibly close’11」

2012-06-27 15:39:55 | 映画

                
 何事においても頼りにしていた父(トム・ハンクス)を2001年9月11日のテロによるツィンタワー崩壊で失った少年オスカー(トーマス・ホーン)の心の軌跡を描いてある。

 悲しみに沈むオスカーが父の部屋に入ったのは事件後初めてだった。ワイシャツ、ネクタイ、ガラクタもある。このワイシャツもネクタイももう付けることはない。ガラクタで一緒に遊ぶ日も来ない。誰よりも信頼し愛していた人の死が、これほどまでに自分を揺さぶり立ち上がれないほどの衝撃を受けるとは思っても見なかった。

 古いカメラを棚から下ろそうとして青い花瓶が落ちてきて割れた。そこに赤茶けた封筒があって開けてみると鍵が一個入っていた。封筒の表には「BLACK」とだけ書いてあった。
 これには何か意味があるのではないか。とトーマスは思いニューヨークの電話帳から、XXXX・ブラックと言う人名を拾い上げて一軒一軒訪ねて回るという難事業を開始する。

 おばあちゃんの部屋に同居する賃借人マックス・フォン・シドーとの同行訪問にはオスカーの心が動く。なにしろマックスは口が利けない。筆談だ。オスカーはあの事件以来地下鉄も恐怖の対象になっていて、マックスから長い距離を歩くのは無理だと言われて、しぶしぶ地下鉄に乗った。オスカーは、防毒マスクをかぶっていた。

 いろいろなブラックと言う人と出合った。やたらハグをする人、一言の下に拒否する人、話好きな人、同情する人、オスカーは鍵の秘密の答えを探しあぐねていた。しかし、人との交流を通じてオスカーに一筋の光明も見え始めていた。

 アメリカの9.11、日本の3.11は、激甚な喪失をもたらした。被害を受けた人々に、通り一遍の言葉を送るのは慎みたい。その人たちが望むときに望むような手を差し伸べること。これしか道はなさそうだ。脇役陣にも実力者が揃っていて見ごたえがあった。
            
            
            
       
            
            
            
監督
スティーヴン・ダルドリー1961年5月イギリス、イングランド生まれ。

キャスト
トム・ハンクス1956年7月カリフォルニア州コンコード生まれ。
サンドラ・ブロック1964年7月ヴァージニア州アーリントン生まれ。
トーマス・ホーン1997年生まれ。
マックス・フォン・シドー1929年4月スェーデン生まれ。
ヴァイオラ・ディヴィス1965年8月サウスカロライナ州生まれ。
ジェフリー・ライト1965年12月ワシントンDC生まれ。