畑のつぶやき

畑や田んぼの作物の生育や農作業の報告
農家の暮らしの日記
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食、農への思い

距離

2011-04-02 20:26:07 | 農作業

4月2日(土)   のち  

今日の作業。 昨日、掘りだしてきた、種芋類の整理。ヤマイモ、サツマイモ、ショウガは、種にするものと、そうでないもの(食用にするもの)とに分ける。畔付け機の整備、グリスアップやオイル塗布。収納。一年間の御休みだ。苗代プールの水張り。

昨日のブログ。ちょっと乱暴だったかもしれない。原発からの距離の単純な比較は、あまり意味のないことかもしれない。しかし、一応は、その距離を、おおよその目安にせざるを得ない。よく表示されている、同心円を描く距離である。20km内は避難で、20~30kmは屋内退避か、自主避難。かなり危険な距離だということだ。そこから、約200km以上離れたところ。私たちの暮らす所だ。

毎日の新聞記事に、同心円が描かれ、モニタリング地点の最大放射線量が、記載されている。その報道が、事実とすれば、まず、それは正しいだろうが、という前提の上で、私は、この地で、暮らし続けることを選ぶ。今は、春。雛も到着しているし、田や畑は、今やらなければならないことが、山のようにある。

明石に住む娘から、「避難して来ないの?」と電話があったという。娘の連れ合いの、高知の別宅も使えるとも言っていたという。地震後、4~5日後のことである。私たちの知り合いでも、関西の友人の所に、しばらく避難した人もいる。

どう選択するかは、それぞれの判断だ。ただ、判断の基準だけは、正しく公表されなければならないし、それが国の政府の責任だ。風評被害といわれる。しかし、ホウレンソウは基準値以上で、その他の野菜は、基準値以下だから安全、などといわれても、同じ地域の隣り合った畑の作物なら、食べたくないというのは、当たり前のこと。

風評被害も、原発の事故がもたらすもので、原発事故の被害だ。原子力発電所とは、そういうものなのだと、ずっと言われてきた。原発はいらないと、地元も含め、全国、全世界で、声を上げ続けてきた人たち。その声を聞かず、無視し続けてきたのが、国であり、経済界であり、多くの市民生活者だった。本来なら、どんな少数者であっても、その声を報道するべきマスコミも、多くの場合、無視し続けていた。

そして、今、これだけの事故を前にしても、原子力発電は、安全対策を強化して、必要なのだとする声が、最大多数だ。