畑のつぶやき

畑や田んぼの作物の生育や農作業の報告
農家の暮らしの日記
田畑を取り巻く自然の移ろいの描写
食、農への思い

早苗饗

2013-04-28 18:49:20 | 米作り

4月28日(日)  

文句なしの快晴。午前中も早い時間に、最後の田んぼを植え終わる。深い田んぼで、無事に終わるようにと、祈りながらの作業だったが、何事もなく、順調に作業出来た。昼前に、田植機も引き上げてくる。午後は、機械の洗浄も終わり、育苗ハウスの片付けも、ある程度できた。今年は、苗の出来も悪くはなかったし、新しい機械で、株間もより広く植えたこともあるが、苗が予定した数の七割以下で済んでしまった。100枚もの苗箱がそのまま余ってしまう。もったいないので、何人かの人に、苗がいらないか問い合わせた。

米作りの滑り出しは、非常に順調だった。種蒔以後、晴天、高温の日が続き、発芽も早く、初期生育は良すぎる位。4月になって、低温傾向もあったが、それほどの影響も受けなかった。ほどよい雨にも恵まれ、田んぼの準備も苦労しなかった。植え初めも、低温だったから、数日遅らせたが、初日こそ、小雨だったが、その夜の雨で、水を湛えてもらえた。二日目からは、暖かい晴天が続き、快適に作業出来た。終わりまで、中断されることもなく、一気に作業出来た。

こんなに順調に来たことは、今までになかったことだ。昼食時に、そんな話をした。

夕方、タマゴの配達から帰った、連れ合い。

お刺身とお酒を買ってきた。田植えが順調すぎたと、言っていたから、早苗饗をして、神様に感謝しておかなければ。

 


浸種

2012-02-19 17:57:57 | 米作り

2月19日(日)  ときどき 

種籾の種子消毒も、夕方には48時間。消毒液から引き揚げ、いよいよ浸種の過程に入る。種籾に、十分な水分を吸収させることで、芽ぶきの準備が始まる。一般的には、積算100℃と云って、10℃以上の水に10日ほど浸けると云われている。私の場合は、冷たい水に長期間浸けるやり方だ。種籾の発芽抑制物質をなくすには冷水に長期間浸けなくてはならないと云う説がある。また、冷水に浸けることで、寒さを経験させると云う考えだ。今日から、20日以上、水を入れ替えながら、浸種の過程を続ける。

今日は、出荷用のコメを精米しながら、家の周りでの作業。まず、トラックのタイヤの交換。暮の、風呂釜交換時に、ガスの配管も新しくしてもらった。古い配管がそのままだったので、撤去して、ガス台を据え付けなおす。

午後は、ようやくにして、昨日、今日と続けて、晴天になったので、味噌作り時に洗ってそのままだった、ミンチの機械、釜、釜戸などの鉄製品を片付ける。また、一年間使用しないものだから、錆びないように、サラダ油を、薄く塗布して、新聞紙などの紙で、カバーするようにして、収納する。それにしても、鉄釜は重い。


塩水選

2012-02-17 18:23:20 | 米作り

2月17日(金)   ときどき 

昨日からの細かい雨は、夜も遅くまで、続いていたようだ。地面はグチャグチャで、水溜りも大きい。これでは、畑の片付けは、濡れて冷たいと、家での作業を洗濯する。

種籾の塩水選。そして、種子消毒。米作りの本当の、スタートだ。

水に塩を溶かして、比重の大きい液を作り、種籾を入れて、浮く籾と沈む籾とを選別する。沈んだ十分に充実している籾を種籾として使う。購入した籾は、そのまま使うから、自家採種したものだけをやる。手は冷たいし、腰は痛いしで、寒い時期にはしんどいが、これを始めると、「今年も始まる」という気持ちになる。選別した種籾は、小分けして、網袋に入れて、種子消毒だ。

ハウス内に、大きなポリの水槽を置く。水が冷えすぎないように、電気温床に使う電熱マットを敷いて、水温をある程度の暖かさに維持できるように、セットする。消毒用の農薬は、エコホープDJという微生物農薬を使う。種籾にこの微生物を付着させ、この後の育苗過程までの、病原菌類を付着させないようにする、という効能の、微生物農薬だ。水槽の水で溶かし、薬液を作る。種籾の入った網袋を、この液の中に浸ける。この状態で、約48時間浸けこむ。

今日も、作業中に何度か、刑事から電話あり。午後は、再び、資料を借りたいと、来訪あり。


いもち病

2011-07-27 18:29:16 | 米作り

7月27日(水)  いちじ 

早朝、鳥達の鳴き声を、かき消すようなエンジン音が響く。田んぼに農薬を撒く、動力散布機のエンジン音だ。

台風は、少しばかりの雨をもたらしてくれたが、同時に、真夏の太陽は、吹き飛ばしてしまったようだ。曇りがちの日が多く、太陽が出ても、梅雨明直後のような、カンカン照りにはならない。湿度が高く蒸し暑いが、気温は30℃になるかならないか。イネの大敵の、いもち病が、発病している。すでに穂が出ているから、穂首とか、籾のいもち病だ。いもち病菌の最も好むような気候になっている。この先一週間近く、曇りで、気温も低め傾向だと云う。農薬の散布は、予防と、病気の広がりを止めるためにまかれている。粉剤が多いから、早朝の、朝露の残る頃、そして、朝凪ぎの風の無い時にまかれることが多い。

我が家の田んぼも、発病している籾もみられるが、蔓延しないように、天候の回復を祈り、イネの体力を信じて、待っているしかない。

そんな心配をよそに、今日の天気も、どんよりとした曇り空。久しぶりに、花畑に行って、びっくりする。一面、草でびっしり覆われている。太陽熱処理をしている透明マルチの畝間も、草が生え、伸びている。ヤマイモヤゴボウの畝間の草は、伸び放題という感じ。ゴボウなど、草に埋もれて、ほとんど成長できていない。あちら立てればこちら立たずで、相変わらず、後手後手の追われる毎日だ。いくらかでも、回復させようと、一日草取り。午前中は、マルチをたたく雨音が、途切れないほどに、雨粒が落ちる。少しばかりでも水分があれば、発芽してしまう、雑草の種には、充分の雨だ。

田んぼのいもち病、畑の草だらけ。

さあ!頑張らなければ。


稲藁

2009-09-06 19:17:26 | 米作り
9月6日(日) 

午前中は、藁の回収。
今の稲刈は、コンバインで刈り取りと脱穀を同時に行う。稲藁は、カッターで裁断し、排出する。長いままだと耕す時に絡みついて困るから。そして多くの農家は、田植の時に、腐っていない藁が、浮き藁となり、じゃまだからと、火をつけて燃す。稲刈後の晴天の農村は、田んぼの藁燃しの煙が、たなびく風景が良く見られる。
私は、藁は、田んぼの土作り、有機物の投与になるから、燃すことはしない。また、藁は、イモ類の貯蔵や、畑の敷き藁等に貴重な資材である。それで、一部、といっても、10a分くらいだが、裁断しないで、長いまま落としておいて、乾いたところで、収納している。あれば、いくらでも欲しいのだが、回収する手間と、収納する場所の関係で、10aほどにしている
コンバインが走りながら、落とした藁だから、田んぼ一面に広がっている。一応、整然と落ちているのだが、それを集めて、束にして紐で縛る。一抱えくらいづつ、まとめて縛るのだが、腰をかがめながらの作業で、しんどい。20束ほど、軽トラック一台分、収納する。

昼からは、来客。飲食店を開こうと準備中の若者、三名。野菜、たまごのことなど話、畑も案内する。
夕方は、籾すり。乾燥機内の籾を玄米にする。

稲刈は

2009-08-20 19:42:45 | 米作り
8月20日(木)  ときどき 

田んぼを見て回ったが、コシヒカリの刈り取りは、まだ早い。あと一週間くらいは必要のようだ。
今年は、稲刈の応援に、Kさんを頼んだ。
袋取りのコンバインで刈り取る場合、籾袋を軽トラックに積み込み、運搬して、トラックから乾燥機に移す作業が、非常な重労働だ。真夏の太陽のもと、コンバインのエンジンとのサンドイッチ状態で、刈り取り作業をするのは、腰かけて運転するだけだが、消耗する。そんな状態で、重い袋を二度も抱えて運ぶ作業は、かなりしんどい。数年前までは、苦もなく、やれていたのだが。年齢によるのだろう。とくに、頸椎から来る右腕のしびれと、力が出ない状態では、体がバランスをとれないからだろうが、変な形で疲れが出てしまう。
袋を使わないで、タンクに貯蔵して、自動的に、排出するコンバインが、主流になってきた。しかし、その場合、専用のコンテナ(これも動力で、乾燥機に籾を排出する)が必要で、かなり高額の設備投資となる。元気ならば、まだ、10年以上は、農業を続けていかなければならない(生活していくには、年金では無理なので)。ならば、設備投資は、少しでも若いうちにと思う。いろいろ考えたのだが、結論は、今のわが家の現況では、今年は、今まで通り。機械を収納する場所さえないのだから、それが先。
ということで、田植えが終わったころから、Kさんに手伝いを頼んでおいた。
今年は、思いもしない天候異変で、やきもきしたが、あと一週間くらいで、収穫を迎えられそうだ。久方ぶりの、一人でない稲刈になりそう。

ということもあり、軽トラックのタイヤの交換(4本とも)、オイル交換をやっておく。
コンバインのてんけんも始める。シートをかぶせてだが、一年外に置いておいたので、きちんと点検しなくてはならない。
夕方は、ニンジンの水掛け。まだ三日目で、発芽はしていない。

穂肥

2009-07-03 20:21:06 | 米作り
7月3日(金) 

一日、田んぼ作業。コシヒカリの穂肥の散布。早稲のヒメノモチは、一足早く、29日に散布した。
穂肥は、出穂期のおおむね、20日位前にに施す肥料のこと。出穂とは、穂の先の籾が顔を出し始めた状態のことで、全体の50%位の穂が、出穂状態の頃を、出穂期という。米作りでは、この、出穂期を基準に、栽培管理をすることが多い。当然、穂は、そろって出ることはないから、最初に顔を出す穂と、最後出る穂では、かなりの日数の開きはある。これがそろえば、管理は簡単なのだろうが、自然のこと、工場生産のようにはいかない。
稲の生育は、田んぼごとに、微妙に異なる。同じように、肥料をやり、同じ苗を植えるのだが、出来の早いところ、遅いところ。生育の良い、悪いも、現れる。土壌の違い、同じように日当たりでも、地形の違いで、風の動きが、違うのかもしれない。稲にとって、そんな違いが、生育に現れるのだろう。
わたしの管理の悪さもあるかもしれないが、条件が悪く、除草剤を使っていても、草の多い田んぼもある。今年は特に、そんな田んぼが、草の害を受けるほどになっている。3反ほどが、かなりひどい。そこには、穂肥をやらないことにする。
1町5反ほどのコシヒカリに、穂肥を散布したことになる。
穂肥は、どうしても、人力を頼らざるを得ない。散布機に20kgの肥料を入れて、歩きながら、肥料を、吹き飛ばすように撒く。10m位は飛ぶから、田んぼの畔を歩いて散布する。幅の広い田んぼだと、どうしても、田んぼの中に入らざるを得ない。30kgもの重さを背にして、ぬかる田んぼを歩くのはかなりしんどい。

液体マルチ

2009-06-03 21:02:24 | 米作り
6月3日(水) 

液体マルチとは?。除草剤を使わない米作りでは、草対策が、非常に難しい。合鴨、鯉とか、米糠、等々いろいろ試されているが、除草剤にとって代われるようなものはない。といってよいだろう。実際の生産者のなかには、完璧だという方もいるだろうが、個別でなく、全体に固有の技術として、広まらない限り、それは、特殊なやり方と言わざるを得ない。誰でもが、ある程度の経験で、実践できることが必要だ。
で、そんな中の一つで、液体マルチというものもある。これは、活性炭を特殊に製品化したもので、水で薄め、田んぼに散布する。活性炭の液が、田んぼの水に拡散して、田んぼの中の水が全部、真っ黒になる。ことによって、太陽の光が、田の土面に届かず、よって、草の種の発芽、生育を抑制する、ということらしい。
理論的には正しい。畑でも、黒いポリマルチは、草を抑える。発芽は、暗い中でもするが、発芽した命は、太陽の光りなくしては、育てない(光合成)。
しかし、畑雑草と田の草の違いは、発芽、初期生育に酸素や、太陽を必要としない命が、田んぼ(水生植物)に、多いということがある。しかも、かの、液体マルチ、水を黒く保ってくれる時間が短い。日曜日に、一回目を散布したが、もう、水曜日には、黒い水ではなかった。
能書きと現実。という言葉があるが、さまざまな、自然条件、作業する人の個性、それに左右されないものはない。液体マルチも、おおざっぱで、ズボラナ、私には、これもうまくいかない!、の一つになりそうである。もう、5年以上も、高い授業料は、払っているのだが。

液体マルチの散布


田んぼの水全体が黒くなる


畔の草刈り、畑の草刈りなど、ほとんど草刈で終わる。

芽出

2009-03-09 21:36:14 | 米作り
3月9日(月)  のち 

日中は、薄日も射す。夕方、降り始める。
種籾の芽出し。21日から、水に浸しておいた、種籾。たっぷりと水を吸っている。(水に浸しておくことを、目覚ましと云う) この種籾に、適度の温度と、十分な酸素を与えるとと、生命活動を始める。 もみ殻の中の、玄米。その胚芽部分が活動をはじめ、芽と根となって、もみ殻を破って、出てくる。発芽、発根だ。
今まで、休眠していた、米が、水、酸素、温度の、三つの条件が満たされ、命を蘇らせる、瞬間だ。しかし、種まきは、機械で行う。芽や、根が出過ぎると、播種には不適だし、傷つけてしまう。だから、籾を突き破る直前の状態で、ストップさせる。これを、鳩胸状態という。籾の胚芽部分が芽や根となるに充分に、細胞分裂し膨らんだ様を、ハトの胸になぞらえて、そう云う。手播きの時なら、少し発芽する位にしたし、その方が、その後の生育も良かった。機械の場合は、発芽する前の、鳩胸で止めたい。
結構、デリケートなもんだ。農業って。
で、今日は、種籾を水からあげ、ハウス内で、保温する。今日はあいにくの曇りなので、容器の底に、沸かしたお湯を入れて、暖を取るようにした。すのこを敷いて、種籾を並べ、ポリシートを被せる。温床用の電熱線のスイッチを入れ、約二日位で、鳩胸になるだろう。



苗代にポリシートを張り、完成させる。



その後、苗箱を準備し、ハウス内に運んでおく。と云っても、昨年、田植え後、洗って片付けなかったので、一年ぶりの、洗浄、片付けと、同じ仕事で、済ませてしまう。

苗代つくり

2009-03-08 19:42:20 | 米作り
3月8日(日)  いちじ 

朝から、小雨。時々、止み間はあるが、終日、こんな天気。
ハウス内で、稲の苗代つくりをする。一般には、苗は、畑の状態で作る。だから、育苗期間は、苗の水かけが重要な作業になる。時間もかかり、ほとんど毎日のことなので、かなりの時間になる。我が家は、この水かけをさぼりたいから、プール育苗にしている。苗が、ある程度成長したら、水を張って、水田状態で、苗を育てる。
農薬を使わない米作りでは、苗の時の病気が、一番困る。まだ、寒い時に、ハウス内と云う、特異な環境での育苗故、病気になりやすい。その対策として、プール育苗を取り入れた。水と云う環境が、寒暖の差を、いくらか和らげる。また、水の中では、畑状態で繁殖する、病原菌の働きを防止、ないし、弱めてくれる。その上、水かけと云う、毎日の作業から、解放してくれる。プール育苗、様様である。
しかし、その準備には、たっぷり時間をかける。まず、四隅に、杭を打ち、それぞれに、水平の印をつけて、糸を張る。この水糸に合わせて、板で、枠を作る。この板を止める、特殊な手作りの杭を土に打ち込む。その杭に板をはめ込み、幅2m、長さ20m強の、四角の枠を作る。
その後、枠の中の地面が、なるべく、水平に、浅、深の無い様に均す。今日はここまでの作業で、日暮を迎えた。
この後は、ポリシートで覆い、水を張れば、プールになるようにするだけ。ほぼ完成といってよい。終日、しゃがみ込んでな作業。腰が、、、、、。


水糸に合わせて、板で枠を作る


四角い枠ができる