畑のつぶやき

畑や田んぼの作物の生育や農作業の報告
農家の暮らしの日記
田畑を取り巻く自然の移ろいの描写
食、農への思い

さなぶり

2010-04-30 19:50:47 | 農作業
4月30日(金) 

よく晴れて暖かい。しかし、風は強い。午後からは、昨日のような強風が、吹き荒れる。皮肉なことに、夕方、植え終わる頃には、強風も止む。
田植が終わる。最後の日は、最も条件の悪い場所。以前、田植機が、脱出できなくなった田んぼ。底なし沼ではないが、とにかく、耕盤ができず、土が柔らかで、深い田んぼだ。機械の車輪が深く土の中に入るから、抵抗を受け、エンジンをふかしても、ゆっくりとしか進めない。スピードを最低にして、植えるから、時間がかかる。深いところでは、回らないよう、注意しながら植える。
他の田んぼの倍くらいの時間をかけるが、どうにか、無事植え終わる。二か所、35a弱。これで、とりあえず、予定した田植えは完了。無農薬の田んぼの苗は、これから育つ。20日過ぎになるだろう。
「さなぶり」だ。「早苗饗」が語源らしい。田植を終えたお祝いだ。そして、私の、62歳の誕生日でもある。こちらは、祝いといってよいのかどうか、また一つ歳を取った。
しかし、今日は、何にも準備していない。落ち着いたら、うまいお酒で、何か食べよう。

今日は、忘れないで、七十二候
牡丹華(ぼたんはなさく) ボタンの花が咲き始めるころ。もうそんな季節か。明日からは5月。初夏の陽気が続くようだ。


運搬

2010-04-29 20:26:24 | 農作業
4月29日(木)  のち 

朝のうちは曇っていたが、すぐ晴れて、暖かい良い天気となる。しかし、風が強く吹き始める。強風の中での田植えは、植えにくいだけでなく、ハウス内で、箱入状に育てられた苗には、かなりのストレスとなる。葉を巻いて、水分の蒸散を防ごうと、痛々しい姿になる。そんな状態だが、田植を再開する。予定よりは、かなり遅れているので、強行だ。
午前中は、一昨日残した9aほどの田んぼを植え、機械を家の近くの、5枚の、棚田に移動する。この田植機の運搬が、一番疲れる。トラックに積むときは、まあ気は使わずに済む。問題は、下ろす時だ。バックで下すのだが、田植機は、他の農業機械と違い、車輪が特殊で、でこぼこや、傾斜に、敏感に反応する。ちょっと失敗すると、歩み板から、落ちそうになる。かなり、神経を使い、緊張する。
今回も、棚田の脇の坂道を占拠して、機械を下す。トラックを、下りの方向に止めると、歩み板の勾配が、緩くなり、いくらかは楽になるからだ。無事下ろし終わり、ホッとして、昼食を取りに帰る。
午後は、ますます、風が強まり、苗を外した苗箱が、吹き飛びそうになるほどの中、田植を続ける。浅水にしてあるから、苗が水没することもなく、目印になるから、それほど苦労なく、植えることができた。
40a強、植え終わる。これで、後一日で、とりあえずは、田植は終わる。


春嵐

2010-04-28 18:57:25 | 農作業
4月28日(水)  

昨夜から、雨は本降りになる。その上、強風は、続いた。まさしく、春の嵐だった。眠っていても、強風がもたらす、なにやかやの音が、耳から離れなかった。
その嵐は、日中も続く。畑は当然だが、田んぼ作業もやるような状態ではない。連れ合いが、患者会の当番だというので、出荷作業を手伝う。端境期で、品数が少なく、午前中には、ほぼ終わる。
午後、少なくとも、15時以降は、晴れの予報だったので、晴れたら、田んぼの見回りをしようと思い、それまではと、ハウス内で、育苗作業を始める。
生姜と、アピオスを、ポットや、トレイに播種する。育苗培土も調合しながら、外の様子を気にしている。しかし、明るくなり、薄日が差したかと思うと、急に、ハウスのポリシートをたたく雨音。ハウス内だと、雨音は大きく響く。その音は、小さくなったり、耳をつんざくほどになったり、断続的に、繰り返す。結局、夕方のチャイムが鳴っても、雨が、完全に上がることはなかった。
おかげで、育苗作業は、全部終わる。
生姜を作付けるのは久しぶり。生姜は、植え付けてから、発芽するまで、かなりの時間を要する。一月もかかる。私たちのような、ずぼら農業では、その間に、草の方が早く生育し、生姜が負けてしまう。発芽したばかりの生姜の芽は傷みやすく、なかなか上手くいかなかった。ヤマイモ、ヤーコン、サトイモなども同じようなものだが、この間、ポットや、トレイで、発芽させてから、定植して、うまくできるようになった。
生姜は、上手に作る友人がいて、出荷分も譲ってもらっていたので、この間、それに甘えていた。が、今年は、作付ける事にした。一つは、若取りの、葉生姜を取りたい事。初夏のビールのつまみに、緑と赤と白の新生姜。わが家のお客さんに、料理店が増えたこともあり、旬の野菜の一つとして、ぜひ取り入れたい。もう一つは、有機農業の大先輩が、農業新聞に連載している中に、生姜のポット育苗が載っていたこと。
今年の夏のビールを美味いものにしたい。

霜止出苗

2010-04-27 19:00:57 | 農作業
4月27日(火)  のち 

午後から雨が降る予報。早めに、野良に出る。7時前から、田植機の移動、苗の積み込み、などを終わらせる。コーヒーを一杯飲み、予定の田んぼに。植え始めは、9時もだいぶまわってからになる。
今日の予定は、大きい圃場。17aと35aの田んぼ。整備もされた田んぼだ。小さい方が終わり、大きな田んぼに移動したのは、昼少し前、持ってきた苗だけは、植えてしまってから、昼上がりにしようと決め、昼のチャイムが鳴っても、作業を続ける。
予報通り、雨も降り始めるが、本降りではない。しかし、東風が、強く吹いてくる。風に向かっては、息をするのに、抵抗を感じるほどになる。身体も冷えるので、合羽を着て作業する。最悪の状態だが、雨だけは、小降りに過ぎてくれた。2時過ぎには、終わる。大きい田んぼの能率の良さ。苗も、無駄がないから、少なくて済む。持ってきた苗だけで、終わってしまった。
早めに終わったので、この集落にある、もう一枚、9aほどの田んぼも植えようかと思ったが、水が多めだったの、止める。強い風だと、水面が波打ち、植えたところがはっきり分からなく、植えにくいから。
片づけて、帰り、遅い昼食。
雨は本降りにはならず、パラパラと降ってくる程度だが、これから降ると云うので、植えてない田んぼの、水手を調整しに、田んぼを回る。水が多すぎると、植えにくいので、水が自由になるところは、地面が出る位まで、水位を下げておく。うす暗くなるころには、ちゃんと降りだしてくる。

霜止出苗(しもやんでなえいず) 温暖になって霜はなく、苗が青葉を出すころ
七十二候は、25日でした。寿司と、「剣岳」と、お酒に心を奪われ、すっかり忘れていました。25日は、よい天気で、まさしく、字句通りの日だったのに。

田植

2010-04-26 19:47:24 | 農作業
4月26日(月)  ときどき 

田植日和。空気はひんやりしているが、陽射しは暖かい。本格的に始める。
今日は、隣の集落。委託を受けている田んぼ22a、借りている田んぼ13a。そして、わが家を挟んで、反対の西の方の少し離れた田んぼ、15a。全部で、五反ほどだが、7枚に分かれている。しかも、隣接してなく、点々と離れた場所も多い。
作業している時間より、移動に時間を取られる。田植機を移動して、歩いて、苗をのせてる軽トラックを取りに行き、苗を移動する。一人でやっているから、こんなことに時間を取られる。しかし、二人でやると、補助者は、機械が植えている時はやることがない。苗の補給だけだ。たとえば、10aで、苗は20枚弱。機械は12枚の苗を搭載して作業する。残り、6~8枚の苗を補給するためだけに、連れ合いが、補助者をやるより、畑作業をやっていた方が、よほど、能率が良い。それで、少々きつくても、田んぼは一人でやる。
機械は、直線作業が、最も能率が良い。旋廻は移植を止めてやる。四隅は、バックして、隅から植える。小さい田んぼも、大きい田んぼも、旋廻と、隅は同じにある。小さい田んぼは、植付作業より、植付を休む作業の時間の比率が多い。どうしても、時間がかかる。
明日の段取りも、少々やり、田植機の移動は、明日にまわして、家に入ったのは、7時を少し過ぎた時間になった。

剣岳

2010-04-25 19:23:48 | 暮らし
4月25日(日) 

朝は冷えるが、日中は良く晴れ暖かい。空気は幾分冷たいが、それほどの冷え込みはなさそう。
代かきを終わらせ、田植機の試運転を兼ね、家の近場の、10a強の田んぼの田植え。どうやら、今年は、なんとかもってくれそうだ。明日からの予定の田んぼに、たうえきをはこんでおく。

年度末の決算が終わり、農業団体からの、分担金が配られる。農村環境維持の補助金による、農道、水路の草刈の日当。中山間地の農地維持作業の日当および分担金など。金額は少ないが、ボーナスのようなもの。思わぬ現金と云った感じ。
そこで、晩飯は、つまみ寿司。付き合いのある鮨屋は、具をいろいろにした巻き物を作る。これがつまみに良い。作ってもらう。それと、うまい具合に、カツオも貰った。初ガツオだ。早速、刺身に下ろしたところ。
これから、それらを肴に飲みながらの、映画鑑賞だ。見たいと思っていた映画、「剣岳」だ。風呂に入って、まず、ビールから。
いただきまーす。

執着

2010-04-24 19:51:08 | 介護日記
4月24日(土)  いちじ 

朝の寒さは予報通り。しかし、日中の天気は、予報とは違った。陽も射す時間はあったが、殆ど曇り。昼からは、濡れるほどではない雨が、水面に小さな輪を作る。その後、6時過ぎからは、濡れるほどの雨が落ちてくる。期待していたほどには、暖かくならなかった。
真冬のような雨で、中断していた代かきを、再開。大きめな田んぼだったこともあり、予定より、進む。5枚、65あーるほど。残るは1枚。明日、午前中には終わるだろう。いよいよ、田植にかかる。予定より、4~5日遅れるが、この、異常ともいえる天候なら仕方ないだろう。まだ、平年並みとはならないようだが、今までのような、極端な寒さは、ないようだ。

今日から、母は、ショートステイ。5日ほど、解放される。
朝、出かけるとき、一悶着。
迎えはいつも、9時過ぎ。
「9時に、迎えが来るから、準備をしておくように、トイレにも行っておきなさい」と、30分前位に、伝えておく。
時間にこだわるようで、このように言われると、9時になってようやく、立ち上がり、便所に行く。迎えの時間より、少し早めの時間を伝えるようにしている。
しかし、今日に限って、5分前に、迎えの車が来た。母は部屋で、座り込んで、ちり紙をいじくり回している。「迎えが来たよ、道路が空いてたから、少し早めに着いたんだって」
「そうですか」と答えるが、立ち上がるそぶりも見せず、ちり紙に集中している。
「トイレに行くんでしょ、待たせると悪いから、急いで」と云って、私が、テレビのスイッチを消した。
「時間を見ているんですよ!」
「9時になったら、トイレに行くんですよ!」
急に怒り出す。が、立つ気配もなく、ちり紙だ。
再び、待たせると、悪いから、と云っても、聞く耳は持たない。
「まだ、9時になっていない!」
こんなやりとりで、ついつい、声が大きくなる。やりとりをしていると、蹴飛ばしたくなるから、外に出て、迎えのスタッフと話していることに。
結局、出発は、9時10分ころとなる。
こんな、症状も、アルツハイマーの特徴。(薬の副作用との説も)

妖怪「ちり神」

2010-04-23 18:53:04 | 介護日記
4月23日(金) 

一日、冷たい小雨が降り続く。昨日のような本降や、強い風はなかったが、田んぼに出ることはなかった。土、日と強い寒気がやってきて、内陸では、遅霜の恐れありとの予報も出ている。あせることはない。と、寒さの中の作業回避を、納得させる。
ハウス内で、ヤーコン、サトイモ、ヤマイモを、ポットやトレイに伏せる。育苗だ。畑の準備もまだだし、発芽させてから植えた方が、何かとよい。ハウス内だから、発芽も速まる、草との競争も、一周先行、欠株も防げる。これから、生姜もポット育苗する予定。

所で、母親。19日に、ショートから帰ってきたが、相変わらず、毎朝、大量の洗濯ものを出してくれている。最近は、トイレまでの廊下を濡らすことも増えてきた。そこで、トイレの中で、飽和状態のリハビリパンツ等を脱がせ、着替えさせている。
が、ここで、また困ったことが起きている。
母は、トイレットペーパーや、ティッシュペーパーなどに異常な執着を持っている。最近では、テレビは点けているが、関心は、手元のちり紙。広げたり、たたんだり、ポケットや、バック、袋に入れたり出したり。母の座っている周囲や、座卓の下は、ちり紙だらけ。かつては、自他共に認める、「きれい好き」だった名残か、目に見える周囲は、片づける。しかし、目に入らない、座卓の下は、紙の山。
ちぎったトイレットペーパー、ティッシュ、施設から持ち帰っただろう紙ナプキンや紙タオルなど、雑多なちり紙。それも、小さくちぎったり、丸めたり、ポケットに突っ込み皺くちゃになったり。挙句の果ては、使ったものかどうなのか分からないものまで、いっしょくた。
めっきりと増えた、鼻水や、涙。しょっちゅう拭いたりかんだりしながら、ポケットに。それらをごっちゃに、ため込んでいる。捨てるように言うと、「まだ使っていないのを、もったいない。」「これはきれいですよ。」
とても付き合って入れない。ほっぽっておくしかない。
その、雑多なちり紙を、なんの思いからか、下着や、パジャマの中にも入れるようになった。洗濯ものとして出された、下着や、パジャマを振ると、紙屑がパラパラ。よほど注意しないと、洗濯機の中が、紙切れだらけなんてこともある。
さて、着替えに戻る。パジャマのボタンを外すほどに、紙屑が、トイレの床に、ポトリポトリ。誰が見ても、ごみでしかない紙屑だが、母にとっては、一番大事なもの。拾おうとする。
語気を強めて、便器の中に捨てなさい。
「まだ使っていないのですよ」
命令形をさらに強め、便所の床に落ちたのだから、捨てなさい。
「もったいないなあ」恨めしそうに言いながら、ようやく云う事を聞く。
スリッパをはきながら、やりにくそうに、パジャマのズボンを脱いでいるから、スリッパを脱いで、はき替えたら、と云う。
「いやですよ、便所の中で、汚い」
「ゲゲゲの女房」が、始まったが、シゲルさんなら、さしずめ、
妖怪「ちり神」か、あるいは、妖怪「紙抱き婆」か。

朝の、着替えの、ひと騒動。

吉凶

2010-04-22 17:32:17 | 農作業
4月22日(木) 

早朝から、今にもひりだしそうな空。朝食ころには小雨。
予定通り、合羽を着て田んぼに。トラクターは、昨日のうちに運んである。3枚で、60aほどの田んぼを予定していた。同じ地区にあるので、一日仕事のつもりだった。
午前中は、早めに一枚完了。小雨なので、それほどてこずらずに、終了。しかし、寒く、しびれる右手が痛いほどになったので、少し早いが、昼上がり。ストーブに火を付ける。
昼食後、雨は本降りになってきたが、「あまり寒かったら、3枚目の小さな田んぼは、明日にまわせばいいや」と出かける。こんなとき、キャビン式なら良いのになと、一昨日をうらやましく思いながら、作業を始める。雨は大粒になり、ゴム手袋をしていても、冷たく感じる。その上、北風が強まってくる。雨は横殴りと云うほどではないが、風に向かうと、頬に痛いほどになる。合羽のフードも、風にバサバサはためき、頬を打ち、雨の入口を広げる。その上、雨粒がメガネに降りつけ、ワイパー付きでないから、視界が悪くなる。冷たい雨なので、レンズの内側も曇りがちになり、波打つ水面の走行目標が、目に入らない。まっすぐ走れず、ジグザグや、欠耕や、二度走り、そんなロスをしがちになる。
一時間ほどで、諦め、作業中止。こんな天気では、効率の悪い仕事になる。体に無理をさせ、効率の悪い仕事をするのは、ばかげていると、引き上げる。
そんな訳で、予定していた作業の、半分もやらずに、一日を終えた。
暖かくなるのは、週明けからとか。不順な天候のせいにして、田植を伸ばしているが、これが、吉と出るのか、凶と出るのか。これからの天候次第だ。

代かき

2010-04-21 19:05:08 | 農作業
4月21日(水) 

暖かい晴天。こんな日の作業は気持ちが良い。
わが家のトラクターでの、代かき。昨日とは違い、深いところに行くと、機械は傾いたり、後ろのロータリーが深くなったり、浅くなったり。右手はレバーを握り、ロータリーの高さ調整を、やらなければならない。ロータリーの状態を見るため、体をひねり、後ろを見ていなければならない。この姿勢が、結構疲れる。田んぼの耕盤がちゃんとしている所は、タイヤのトラクターでも安定して走るから、運転するだけでよい。深いところや、浅いところがある田んぼは、前が下がったり、後ろが下がったり、安定して走れない。このような田んぼが多いから、後ろを見ながら、レバー操作が忙しく、身体が疲れる。
昨日とは違い、初夏の陽気の中、気分は良いが、疲れる代かきだった。
二か所の田んぼ、7枚で、50aほど終わらす。
明日は雨。しかも、気温は10℃以上低くなるらしい。合羽を着て、震えながらの代かきになりそう。