ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「多重記述 multi-description」 20191116 20190523

2019-11-16 | Weblog

 

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語りうる水準で語りあうのではない

わかりあえる水準でわかりあうのでもない

理解できないことがかなしいのではない

理解してしまうことで消えていくものがある

理解のポケットに慌てて収めないことで

未知の未知性、非知の非知性のままに

相互の記述が交わる関係のテーブルがある

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理解できないことの理解できなさ  語りえないことの語りえなさ

知りえないことの知りえなさ  わからないことのわからなさ

相互に非知として未知として向き合い生きあうかぎりにおいて

はじめて現われる二つの記述がまじわる位相がある

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みずからの記述の形式に収納できないということ

みずからの分節コード、価値コードによって規定できないということ

ちいさな理解のポッケに収められない存在可能として

相互に認め合うかぎりにおいて

自明性の外側に開かれる生成的な第三の領域がある

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相互にとっての非知、未知を資源として

二重の記述、多重の記述から立ち上がる未生の記述形式があり

相互の記述形式が交わることで生まれ、新たに加えられる〝世界の奥行き〟がある

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関係了解の過度の自明性がゆるむことで開かれてゆく

新たな経験と関係の組織化へ向かう位相があり

相互の非知性、未知性がオープンになることで、

逆説的に、活性を帯びて形成的に動きだす関係的生の位相がある

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理解が行きすぎ、走りすぎないように──

その相互性が閉じられるとき「関係の生」はいったんピリオドを打たれる

 

 

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