*
あなたの開けた/銀の箱が/ロマンスを奏でる/遠い夜のとぎれそうなメロディーを/いつまでも
(井上陽水「揺れる花園」)
*
「ナビゲーションⅡ――花とミツバチ 」
秋になると聴こえてくる
かすかな羽音と交わるように
花ざかりの河原から聴こえてくる
「すべてはあなた次第よ」
透明なメッセージは
青空に染まり
水に溶け
風にゆらぎ
干渉しあうさざ波のような
無数の無音の調べによって運ばれる
「好きなだけ貪ればいいわ」
季節は秋で 空は晴れ渡り 川面はきらめき
そよ風にコスモスの花が揺れている
気がつけば いつも いつのまにか、
コスモスの咲いた河原の小径を飛んでいる
たなびく雲の影にじぶんの影が重なり
草むらにふるさとの匂いが満ちてくる
透きとおったコトバは
誘うように 拒むように
妖しい微笑みを引き連れている
「陶酔の時は、いまここを措いてありえないのよ」
二重化された偶然の出会いから
まなざしは輪郭を照らしあい
イメージが交換され
夢が結ばれ
可憐な光のリズムが刻まれ
透明な調べが一つのダンスを導いていく
「すべてのためらいを捨て去って」
コスモスの花とミツバチは
いつか一緒にキレイな月を見て
今夜も同じ月を見るだろう
まぶたを閉るといつも
白熱する紅蓮の炎が燃えている
きよらかな官能の所在を告げるように
すべての時制を一つに集わせながら
地を焦がし 空を染め上げ
透明な灼熱の炎が舞っている。
「さあ」
一つのよびかけは応答を誘い
新たな呼びかけと応答を生み
太古に連なる記憶を呼び覚まし
はてしなく接続された
光と風と水と土と生命が奏でる
シンフォニックな地平の扉が開かれる
「花弁の一枚一枚に深く分け入り、わたしをお嘗め」
はるかな面影に誘われるように また一つ
二つの生命がダンスを踊り
季節が奏でる調べの中に溶けていく
*
あなたの開けた/銀の箱が/ロマンスを奏でる/遠い夜のとぎれそうなメロディーを/いつまでも
(井上陽水「揺れる花園」)
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「ナビゲーションⅡ――花とミツバチ 」
秋になると聴こえてくる
かすかな羽音と交わるように
花ざかりの河原から聴こえてくる
「すべてはあなた次第よ」
透明なメッセージは
青空に染まり
水に溶け
風にゆらぎ
干渉しあうさざ波のような
無数の無音の調べによって運ばれる
「好きなだけ貪ればいいわ」
季節は秋で 空は晴れ渡り 川面はきらめき
そよ風にコスモスの花が揺れている
気がつけば いつも いつのまにか、
コスモスの咲いた河原の小径を飛んでいる
たなびく雲の影にじぶんの影が重なり
草むらにふるさとの匂いが満ちてくる
透きとおったコトバは
誘うように 拒むように
妖しい微笑みを引き連れている
「陶酔の時は、いまここを措いてありえないのよ」
二重化された偶然の出会いから
まなざしは輪郭を照らしあい
イメージが交換され
夢が結ばれ
可憐な光のリズムが刻まれ
透明な調べが一つのダンスを導いていく
「すべてのためらいを捨て去って」
コスモスの花とミツバチは
いつか一緒にキレイな月を見て
今夜も同じ月を見るだろう
まぶたを閉るといつも
白熱する紅蓮の炎が燃えている
きよらかな官能の所在を告げるように
すべての時制を一つに集わせながら
地を焦がし 空を染め上げ
透明な灼熱の炎が舞っている。
「さあ」
一つのよびかけは応答を誘い
新たな呼びかけと応答を生み
太古に連なる記憶を呼び覚まし
はてしなく接続された
光と風と水と土と生命が奏でる
シンフォニックな地平の扉が開かれる
「花弁の一枚一枚に深く分け入り、わたしをお嘗め」
はるかな面影に誘われるように また一つ
二つの生命がダンスを踊り
季節が奏でる調べの中に溶けていく
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