民主主義を必要としない、民主主義が邪魔でもあり、
民主主義を敵視するあるような生存のフォーマットがある。
フォーマットの採用不採用は、いまだ大いなる蓋然性に委ねられている。
民主主義の内部にも民主主義的世界を維持するために、
いまも非民主主義的特性をもつ無数の組織が埋め込まれている。
軍隊組織の機能的要請は民主主義の方法の留保を求める。
企業組織の機能的要請は脱人間化を求めるものでもありうる。
キリストとおぼしき人物と対決する大審問官(ドフトエフスキー)は、
民主主義の本質を理解し尽すように見えながらその有効性を却下する。
個を基礎単位とする民主主義の合意を調達プロセスには時間とコストがかかる。
この「時間とコスト」と「生存の機能的要請」を天秤にかけるとき、
民主主義を棄却する判断が下される可能性は低くないままである。
このとき合意を調達するプロセスは「負債」と記述される。
合意を調達するプロセスがある種の「生の資産」、
あるいは「生の歓び」の条件として認知されるとき、
民主主義を敵とみるフォーマットに却下される可能性が生まれる。