ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「不可能性」から「未規定性」へ

2013-03-31 | Weblog
コメント

「Code de Psyche」

2013-03-25 | Weblog
コメント

「オートポイエーシス」(参)

2013-03-23 | 参照
コメント

G・Sharp「A Conceptual Framework for Liberation」(参)

2013-03-22 | 参照
コメント

「奏でられないかぎり、聴かれない」

2013-03-19 | Weblog


   音楽は奏でられる――

   みえるものも
   みえないものも

   ここにあるものも
   ここにないものも

   ありうることも
   ありえないことも

   ひとしく隣りあって
   交じりあい

   接続のラインは走り
    
   かさなり
   ぶつかり
   むすび
   むすばれ
   ほつれ
   せめぎあい
   とけあいながら

   聴かれないかぎり
   奏でられることのない

   いちどかぎりの
   音楽が導かれていく
   
      打ち明けなかった言葉たちは
      季節のたびに花を咲かせる  (松任谷由実『One More Kiss』



コメント

シモーヌ・ヴェーユ『重力と恩寵』(参)

2013-03-16 | 参照
コメント

「イジドール・デュカス by ダリ」(参)

2013-03-15 | 参照
コメント

「不在の歴史」

2013-03-14 | Weblog



【不在の歴史】

「マトモであること」「寛容であること」「科学的であること」――
言いかえると、「外部や未規定性に開かれた構え」あるいは「善き心」。
この国において、そうした政治的結節点が示された歴史は存在しない。

人びとの「善き心」はつねに行き先を見出せず、根を張るべき拠点もなく、
表出はいつも散発的あり、属人的で例外的なものとして片付けられてきた。
そして、あらゆる政治的事象は内部に閉じた「全体の空気」が担ってきた。

行き場を見出せない「善き心」が、いま、かたちと存在の位相を必要としている。
「よびかけと応答」の回路をつくり、みずから歴史を形成していく場所――
いわば一つの「観念の原郷」として構成される非空間的位相が創発を求めている。

「未規定なもの」に開かれるとき、閉じた全体性への根底的批判が生まれると同時に、
その全体性が提供する神話的な包摂性に依存することの安心が消えていく。
このとき、未規定なものに開かれる「信」と、安心にとどまる「信」の分岐が浮上する。


コメント

神殿崩壊

2013-03-11 | Weblog


2011年3月11日 14:46…福島第一原子力発電所
              原子炉スクラム(原子炉の緊急停止)信号発信。
              1~6号機・全機外部電源喪失。
           15:27…津波第一波襲来
           15:35…津波第二波襲来
           15:37…1号機・非常用ディーゼル発電機全交流電源喪失
               核燃料プール冷却機能&補給水循環機能喪失
           19:03…政府「原子力非常事態宣言」
 2011年3月12日 15:36…1号機・水素爆発
 2011年3月14日 11:01…3号機・水素爆発
 2011年3月15日 06:00頃…4号機・水素爆発

  ――DAYS JAPAN増刊『検証原発事故報道~あの時伝えられたこと~』2012年04月号

 

「神殿は健全に守られている」

――滅ブベキ滅ビユクモノガ道連レヲ選ブヨリ先ニ
――滅ブベキ道ガ正シク示サレナクテハナラナイ
――ソレハ生キル道ヲ明ラカニスルコトデ示サレル

――ダレカガソレデモ「幸セダ」トイウノナラ幸セナノダロウ
――ケレドモ「シカタガナイ」ト語ル瞬間ニ滅ビノ道が開カレル

変わりゆく空の下で、いまもなお
巨大なコードはふるさとの大地に走り

都市の中枢を突きぬけ 
断末魔の神殿へとつづいている

「義務の遂行において権利は与えられる」

白昼といわず
深夜といわず

忍従につながれたイノチが
歩かされている道があり

情念のノロシを封印され
憔悴に埋まった街々がある

「ただちに災いがおよぶことはない」

原子の火炎と毒が吹き上げた
空のかなたに
絶対の神話をいただく幻想の陣地がある

ひとびとは信仰の形式を学び
よき心の習慣と勤勉の尊さを学び

かつて血族と同朋たちを
「万歳三唱」を唱和して
無間地獄の戦場送り出した

おなじ信仰において
ひとびとはいまもなお

よき心の習慣において
煉獄へ連なる隊列を乱さないようにみえる

――人ビトノ悲シミノ裏側ノドコカデ
――司祭タチハ旧イ教義ニ手ヲクワエ
――神殿ノ再建ニ着手シテイル

ちいさな紛争は
小学校の校庭で
オフィスの片隅で
家庭の台所で

ノスタルジーに締めつけられた、
避難民のキャンプ地で
いまも持続の状態にあって

信じたものの残照に照らされるように
指定されたやすらいの場所でやすらい

眩惑の媚薬を浴びせられたかのように
指定された方法で疲れた肉体を慰撫していく

「強靭な神殿が再建されなければならない」

いつからか
ぼくたちが抱いた夢たちは

巨大な神殿の闇の奥に吸い込まれ
粉砕され攪拌されて原形を失い

瓦礫となって散乱したはてに
リサイクリングのカゴに集められ

いつのまにか
生産のマテリアルへと変換されていく

いだかれた夢や理想は
地球を一周めぐると
悪夢に変貌しているかもしれない

教えられた平安や礼節や戒律が
殺戮や拷問を準備しているかもしれない

「特異な意見をもつ人びとに惑わされてはいけない」

順番を待つ瓦礫は数えきれないから
調達コストは限りなくゼロに近づいていく

巨大な生産力は渦巻きとなって
おびただしい瓦礫の山を呑み込み
目のくらむ生産プロセスへ入っていく

「新たな武装において神殿は再建されなければならない」

ふるさとを奪われたひとびとは、
いつわりの帰還地を示され

せつない希望にすがり
戒律のコードを教唆されたはてに

真摯な営みと願いの軌道を外され
酷薄な決算にしたがうように
供犠の祭壇へ向かって歩いていく

――ミエザル神殿ヘノ憧レト夢ニ魅セラレ血脈ヲ重ネ合ワセナガラ
――滅ブベキモノト滅ンデナラヌモノハ何処カデ分岐スル道ガアル

ぼくたちの汲みつくせない希望の泉はどこか
ぼくたちが最後までとっておいたものとは何か

ぼくたちは巨大なコードを解除する方法を知らないが
知るべきこととなすべきことがあることを知っている

偶然とは街 
変幻する街
とだれか悲しい声でつぶやいた

見果てぬ夢を見つづけるために
おとなたちが神殿を築き上げた
幻想の街がある

野心と宝石と男と女の夢が織り上げた
きらびやかな無数のファンタジーたちが

いま、歴史の帰結をまのあたりにして
震え上がっている

――滅ブベキモノタチガ正シク滅ビナイトキ
――滅ンデハナラナイモノガ滅ボサレテイク

そして、おなじ空の下で 
子どもたちの見つづける夢がある

ぼくたちはひとつひとつ
すくい上げなくてはならない

かなしい夜
枕元に靴下を置いて眠る
すべての孤児たちの見る夢を



コメント

Another Galaxy Ⅱ ――Illumination

2013-03-10 | Weblog


   子供たちは、我々以上に、表層の生活と深層の生活とを合わせ持っているものだ。
   表層の生活はごく単純だ。なにがしかの規律で片がつく。
   だが、この世に送り出された子供の深層の生活は、
   創られたばかりの世界が奏でる不協和音の調べだ。
   子供は一日また一日と、地上の悲しさ美しさをひとつ残らず、
   その世界に納めていかねばならぬ。
   それは内なる生命が払う巨大な労苦なのだ。

         ――L=F・セリーヌ『ゼンメルヴァイスの生涯と業績』菅谷暁訳


バッターボックスから見上げた空の向こうに、
うつくしい夕焼けが広がっていた。

    空ぶりのバットのむこうにいわし雲   (小四男子)

「おい、試合に集中しろ」、コーチの怒鳴る声がした。
一瞬びくっとしたが、ピッチャーは振りかぶっていた。

ベンチに戻っても三振の恥しさが消えなかったけれど、
真っ赤に染まった空は息を呑むほどきれいだった。

プロの強打者になることを夢見る少年にとって、
野球は大切な世界の一部だがすべてではない。

コーチの命令には逆らえなくても、
からだは自然が投げるサインにも応答する。

    たかいたかいしてゆうやけがみたいから (幼児学級女子)

生命の創発に沸き立つからだの奥深くで
世界が奏でる不思議さが鳴り響いている

耳を澄まし
心を凝らし
不思議さにからだを委ねると

ここにあるものとここにないものと
すべてが交響するギャラクシーが開かれていく

    オリオンを母におしえた冬休み    (小六女子)

ギャラクシーは数えきれないシグナルに満たされ
同期と非同期のイルミネーションが明滅している

小さな予感にみちびかれ
こころにコマンドが走り抜け

ギャラクシーにまた一つ
応答の秘蹟が現象していく

    とうちゃんの大きなげたで月をみる  (小二男子)

いまここに
こうしてあることに

最初のおののきが重なり
二番目のときめきが重なり
すべてが重なり

ギャラクシーのきらめきに結ばれ
透明なシグナルが届けられる

    あいうえおかきくけこであそんでる  (小二男子)

透明なシグナルは
光と風に紛れ込み

どこへも誘わず
なにごとも告げず

夕ぐれの光景を
ただ美しく染めていく

   こどものつばめはひとりでそらへとびました (保育所男子)

一つの予感として
一つの誘いとして
海と空は溶けあい

光がこぼれ
感情がこぼれ

ここにこうしてあることに
こころが氾濫する

    かいすいよくすなやまかいがらすいかわり  (小一女子)

巨大な問いに抱かれ
少年はギャラクシーを渡っていく

巨大な問いはこの世のすべてに開かれ
創発へのreadinessと結ばれている

区切られたボーダーを破るように
透明なシグナルは結び直され
少年はみずからの声を響かせていく

    なつやすみつまらない日はありません  (小一男子)

黄昏の彼方へ
こころは唇を向かわせ

光が閉じられ
永遠に遠ざかろうとする
夕ぐれの

きよらなか喪失の光景に
新たな応答の秘蹟が現象する

    なのはなが月のでんきをつけました   (小四女子)

少女は季節に出会い
季節をめぐり
季節に色づけられ

ここにあるものは
ここにないものと交わり

郷愁に照らされ
大切な記憶がトレースされていく

    春風にやめた先生のかおりする    (小四女子)

曇った空に
はかない予感がきざし

かたちをたどれない
せつない感情が溢れ出し

こころにコマンドは駆け抜け
かなしみというfeelが現象していく

    あじさいの庭まで泣きにいきました   (小六女子)

汲みつくせない不思議さが
からだに沸き上がり

風に木々の楽譜は高鳴り
こころは季節に透きとおる

透明なシグナルが運ばれ
季節のかたちが告げられていく

    秋のかぜ本のページがかわってる   (小二女子) 

まなざしは光に洗われ
風景のスペクトルに洗われ

ことばより早く
からだはビートを刻み

新たなステップに担われ
未知のダンスが駆けだしていく

    さんびなあ北のおぐがらかぜっこふく   (小四男子)

愛と誇りを導くものも
愛と誇りを損うものも

喜ぶことも
怒ることも

どれも同じ強度を刻みながら
こころは
美しさが告げるものへと唇を向けていく

    はすのいけひらくのつぼむのちってるの   (小二女子)

にっこりすると
にっこりされる

なぜだろう
いつも不思議なパワーが満ちてくる

がっかりされると
がっかりする

    ツクシさん花びんわったのわたしなの   (小三女子)

ためらいと勇気の連鎖のなかで
いつもなにかが終わり
なにかが始まっていく

今日もなにかが誘っている
明日もなにかが拒んでいる

よびかけは応答を導き
応答は呼びかけを導いていく

    なしかじりけんかのわびを考える    (小六男子)

星空を見上げて仲間と過ごした夜は
せつなくこころが透きとおり

地上にとどく光はいつも
讃歌に伴われていた

かたちをたどれない世界の姿は
なかまたちが教えてくれた

    むしのこえおうちをぜんぶかこまれた  (保育園女子)

呼ぶ声が聴こえ
高揚は走り

星はきらめき
夜は夢に濡れ

はるかな時間を超えていくように
無音のシグナルが訪れてくる

    しかられたみたいにあさのバラがちる   (小二女子)

たくさん生きるんだよ
魔法のつぶやきがこだまし

じぶんではない
だれかを祝福することが
じぶんのよろこびであり
みんなのよろこびであり

やさしいシグナルが
こころを埋めていく

    こどものつばめはひとりでそらへとびました (保育所男子)

遠くまで行きたかった
近くまで来たかった

無数のコンテキストを横断するように
新しいことばとかたちが試されていく

語ることでなにかが加えられ
語らないことが別のなにかと結ばれる

    ぶらんこにのったらほっとするんだよ  (小二男子)

だれにも示すことができない
なにかがあることを

だれにも告げられない
小さな孤独とひきかえに

すこしだけじぶんだけで感じ
すこしだけじぶんだけで考えられる

海と空が溶け合う彼方に
またひとつ

新たなコマンドは走り抜け
ギャラクシーは拡張の契機を獲得していく
コメント

Another Galaxy

2013-03-09 | Weblog
コメント

「一九四〇年体制なう」(参)

2013-03-08 | 参照
コメント

「月のでんき」

2013-03-06 | photo
コメント

「暗黙の次元」

2013-03-05 | Weblog


【世界図式と潜在的思考】

みずから組織化するために、生命は「世界図式」を必要とする。
――世界に切れ目を入れ、文節化し、マッピング(境界条件の設定)を前提に、
特定の秩序関係を生きるものとして、みずからと世界を組織化していく。

生命にとって世界図式の形成は、生存を賭けた絶えざる試行を意味する。

この試行は、世界図式に潜在する「書き換え可能性」において実行され、
そのつどの選択判断があり、成功と失敗があり、評価と再試行がある。
そして、その書き換えの生命史的達成として、生命世界の現在の姿がある。

この「書き換え可能性」は、「世界の未規定性」への開かれたあり方に支えられる。
(閉じたとき、生命は物質的な性格を帯びて、特定の世界図式に籠城していく)

すなわち、切れ目なく相互作用する世界のダイナミクスに同伴しながら、
未規定な変化に合わせ、みずからの状態を柔軟に変化させていくあり方である。

世界の根源的な未規定性、予測不可能性、説明不可能性を迎える構えについて、
人間の世界では、類的な知恵の集合体である宗教(的世界観)が担当してきた。

ポラニーが「潜在的思考」呼ぶ、かつて宗教的なものが果たしてきた機能が、
現在、何によって担われているのか、いないのか――。


コメント

「知覚の現象学」(参)

2013-03-02 | 参照
コメント