【JAZZ】
「力の原理」(物理的因果律)に従えば、
ビルドアップをめざすか強者の傘下に吸収される以外ない。
「力の原理」が世界を覆うとき、どんな惨劇が帰結するか――
その必然の歴史は人類の記憶にたっぷりと刻まれた。
そして「力の原理」に嫌気がさして「近代」が開始された。
ところが、希望の原理として出発した「近代」は、
どの時代よりも悲惨で冷酷で酸鼻な状況を生み出した。
暗転した希望はアンチ近代のドライブを生むと同時に、
すべてを冷笑する定型的スケプチシズムの泥沼を用意した。
しかし「近代」の初発のスピリットはサバイバルしている。
コードの縛りと超越項を用いない可能性のアート――
新たな原理を探索する営みの一として、ジャズがある。
形式を拒みながら形式を呑みこむフリーのトポスに、
新たな変数が加わって新たなアンサンブルが自生するとき、
世界が驚くセッションが創発していく可能性が生まれる。
【文明の審級】
「愚かな文明」は、実線で太く描かれた漫画の吹出しに似た、
特殊な公理系の宇宙を至上化してノイズを排除する。
「高貴な文明」は、メンバー一人一人の内部おいて、ノイズをもてなし、
公理系の外とつながる〝第四次〟のアンサンブルの宇宙を探索していく。
【世界分割】
いまだに全世界全宇宙の空間には、
ストライクゾーンとボールゾーンしか存在しないらしい。
あらゆるゲームは野球コードに収れんする。てな感じ。
いまだに勝手にボール判定のコールしているよ。
こちらはサッカーをして楽しくやっているだけなのに。
「おまえは汎野球世界創世の神か」。てな感じ。