ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

moonlight

2008-04-21 | photo
コメント

通信文2「ファンタジー」

2008-04-18 | Weblog
ファンタジーのカテゴリーを拡張することが日常の最も大事な仕事になる。
と、ある人が言いました。
あるいはそれが大人の仕事と言い換えてもいいだろう、と。

あなたは子供に向かって、この世のファンタジーをどれだけ語れますか。
それとも現実の中でそれどころじゃないアップアップの状態ですか。
ファンタジーの位相からみれば、それはそれで微笑ましい情景かもしれません。

ある人とはどんな人なのでしょうか。
少なくともこの世を華やぎに導くファンタジーは無敵の強靭さをそなえた
ファンタジーであると知っている人であるらしいことは明らかであるようです。



コメント

トワイライト2

2008-04-16 | photo
コメント

2008 変わりゆく空

2008-04-15 | Weblog


季節は先回りをして
俺たちを色づけ

俺たちの心は
いつも遅れてその後を追った



二人はせせらぎの音を聞きながら
冷たい秋の風がわたる河原を歩いた

カラスが西の空を飛んで
夕焼けとコントラストをつくり
小さな点滅をくりかえしながら
遠くに溶けていくのがみえた

水面から反射する赤い光が
河原の道を小さく照らし
名前を知らない植物を風が揺らした

「カラスはなぜ鳴くのでしょう」

夕日に染まった橋の上で
二人は声に出して少し笑った

一つの情景をめぐり
二人がそう感じていると
二人ともが思っているだろう
と、一人が信じている

語らないでいるということが
それをそうと感じている心を
小さな華やぎに導いた



夜の闇と小さなざわめきの中で
レストランからは黄色い光が漏れていた

水を注いだグラスは冷たく輝き
窓際のコスモスの葉を映していた

人の影が通りすぎるたびに光が揺らぎ
グラスの水が薄緑色に濁った

楽しい何かが
悲しい何かが
かたちをつくることができずに
夜の光と溶けあっていた

「この店には一度来たことがあるわ」

ナプキンで口のまわりを拭いながら
女はゆっくりと男のほうを見た

決して期待を裏切らないブランド品のような
もう一人の天国と地獄を
残酷に分岐させる美しい笑顔

男は表情を宙吊りにしたまま
冷たく光るグラスを見つめていた

外は秋で
どちらに転ぶとも知れない夜を
せつなく染め上げていた



俺たちが心を決めるまえに
季節は俺たちを訪れ
俺たちの姿を照らした

楽しいのか苦しいのか
嬉しいのか悲しいのか
承認か否認か
あるいはその両方なのか

審議をはじめるまえに
すでに心は染まり

ここにあるという感触は
考えることに先んじて訪れ
俺たちの世界への着生を告げた

それは喜劇だろうか
悲劇だろうか

牢獄だろうか
祝福だろうか

問いはいつも反転して
俺たちに重なり
俺たちの生の駆動をうながした

切れ目なく連続する
過去と現在と未来が
俺たちの前線をつくり

配慮として
気遣いとして
ひとつの表情として

感情するまえに感情し
思考するまえに思考し

季節に色づけられた俺たちの生の前線は
いつも俺たちに先行して俺たちを生きていた

どこにいても
なんどでも
俺たちはその後を追いかける

疑うことも信じることも
それがそうであると
絶対に分岐するボーダーラインはみえなかった

ただ俺たちの声が加わることで
世界は少しだけ色合いを変化させた

いったい何が変わってよく
何が変わってはならないのか

俺たちは季節の内側に回り込んで
自分たちの声を響かせたいと願った



色褪せて見えようと
華やいで見えようと

確定したいという誰かの思惑より先に

すでに何かが終わり
すでに何かが始まり続けていた

俺たちの追跡をそそのかしたり
断念させたりしながら

季節の底知れない挑発は
俺たちにとって
いつも始原の駆動として機能していた


コメント

cherries

2008-04-08 | photo
コメント