ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「断罪のストーム」20231130(20230414) 

2023-11-30 | Weblog

 

 

深い奈落の谷が此岸と彼岸を絶望的に分断している
(ある人間は涙の谷と呼んだ)

気づくと正義、真理、善人の岸辺に身を置いている
対岸には悪徳の巣窟、悪党たちが集合している

対岸からはのぼせ上ったクソの軍団に見えるにちがいない
この相互性が巨大で不毛で残虐なクソゲームの起源を構成する

(鳥の眼から両岸はカレイとヒラメの鏡像関係に見えるだろう)

意識するよりはやく知の側、正解の側に立っている
のぼせ上ったバカ面が恥ずかしい、まずい

いつのまにかルーティーン化している
分別回収される不義、不正、不善、無知、蒙昧
すべてゴミの集合として廃棄処理されていく

どこからどこへ?
仮象の真の世界から仮象のゴミ溜めへ

(リサイクルして資源化するルートは存在しない)

すべては心の内側の出来事として現象している
たったそれだけのことが地獄への道をあつらえる

どんづまりに何が起こるかは決まっている
断罪のストームが容赦なくこの世を襲うだろう

だれがそうしているのか、問うまでもない

おのれの都合だけのクソ野郎ども
世界を勝手に切断処理して生きる俺たち以外にはいない

 

 

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「ピンナップ」 20231129(20210706)

2023-11-29 | Weblog

 

 

写真による切り取り 
視覚による切り取り
感情による切り取り 
理念による切り取り
言葉による切り取り

あらゆるリンクが外れたスナップショット 
ピンで壁に留められた静止画像

実体化した、物象化された
すべてのリンクが消えた世界の姿

ピンナップとしての環世界
動かないヒトの姿、こころのかたち
 
記述が完了した対象群
貼り付いた壁紙のタペストリー

この世はこうなっている──
すなわち世界認識の形式を写像するメタファー

すべてを回収するスナップショットとしてのことばの用法
壁紙として回収され閲覧される世界認識の諸形式

ピンナップされた歴史的累積、痕跡としてのラングの体系
一般言語表象 一般意味 一般価値による確定記述

ここに忘れてはならない不可欠の作業がある

そこに示されるとおりに受け取れば壁紙は永遠に変化しない
すべての画像を生きられる世界に差し戻す作業がある
この作業を欠くとき世界はピンナップとして完全既読化する

 

 

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「最後の地平」20231128

2023-11-28 | Weblog

 

 

Evenness
Fairness
Justice
Equality
Freedom

理念の普遍的な適用には超えるべきバリアーがある──
どれほど困難でも、かならず主題化され乗り超えるべき障壁
すなわち、共同体的閉域を構成する友愛のフレームがあって
ここに新たなルートを開き最後の地平と連結しなければならない

Membershipの普遍性、それが最後の、同時に、はじまりの地平を意味する

 

 

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「きみの精鋭たち」 20231127

2023-11-27 | Weblog

 

 


ここにあることの感触は
考えることに先んじて訪れ

気づくよりはやく、恣意を超え
世界への着生が告げられる

喜劇だろうか
悲劇だろうか
祝福だろうか
呪いだろうか

始原の意志がシナプスを走り抜け
地上の営みはみずからに夢を処方する

憧れ、希望、光、Somewhere in Time

新しい地平が到来するように
季節のことづてのように
きみの戦士たちが駈けていく

こころを決めるまえに
遠い気圏へと走り抜け
きみと世界を照らすように

やさしさ、許す心、戦う意思
希望が訪れるように駈けている
きみの生の精鋭たちがいる

呼びかけるよりはやく
輝きに染まり
こころは遅れて追いかける

青空を見上げなくても届いていたでしょう

挫かれたこころに沈むとき
滅びの道が開かれるとき
きみの戦士たちが立ち上がる

空はどこまでも青く
雲は白く
光は水に溶け 
緑はきらめき
澄んだ風に洗われ
大地の楽譜は高鳴り

唇を向けるより先に
きみは風景に透きとおる

孤独は深く
高揚は走り
夜は夢に濡れ
星はきらめき
深い森の底に
獣たちの息がこだまし
呼ぶ声が聞こえ

暁の光に洗われるように
神聖なまなざしが降りてくる

願うよりまえに
きらめきにこころは染まり
一斉に駈け出していく

いつも何かが終わり
何かが始まりつづけていく

星空に願わなくても聴こえていたでしょう

問いを投げるより先に
生の前線を駈けている内なる精鋭たちがいる

 

 

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「ラングでもなく、パロールでもなく」20231126(20190428)

2023-11-26 | Weblog

 

 

 「現前の周縁に揺曳するもの」

   ──中井久夫『徴候・記憶・外傷』


ことばがとどかない、触れることができない
みずからに訪れ、明滅する透明な告知
すじちがいの方角へ向かっていることの感知

「ちがうな」

絶対的な正義、善きこと、真実の名において
けっしてそういうことではない

疑いようのない透明な明証性において
みずからに告げるものがあるということです

ラングでもパロールでもなく
ただ内なる出来事として、 

なにかを指し示し、教え、諭し、命じることばではない
専制に走るものとすれちがい、はるかに遠ざかるもの

ことばに修正をうながすように静かに木霊し
見失われやすく、はかなく現われ消えてゆくもの

このはかない告知のはかなさのまま保たれるように
保たれるにふさわしい場所をあつらえ
無形、未形のままラングもパロールもしばし休ませておく

 

 

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「花を咲かせる」20231125

2023-11-25 | Weblog

                   【ASMR・本人生歌】キセキ-RYTHEM - YouTube

                   【MV】RYTHEM ホウキ雲 Houkigumo - YouTube

 

 

どんな絵解きも説明もいらない
なにかに席を譲るようにして
離脱しないほうがいい場所がある

震源は汲み尽くせない内側にある
由来はわからない、ただ疑えない作動が告げている

センチメンタル

そう呼びたければそう呼べばいい
しかし否定の成分は少し控えたほうがいいと思う

情動には理由があって、時間が入り込めない
動かすことができないそれだけの根拠がある

懐疑、相対化、冷笑の視線が切り崩せない
どんなに陳腐にみえてもたしかな背景がある

たかが妄想、ひとつの信憑だとしても
そのことは認めてもいい、ただし

いまここを構成する疑えない明証として
切断すれば滅ぶしかない原郷にそれは属している

 

 

 

 

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「治療概念2」 20231125

2023-11-25 | 参照

 

 

──サリヴァン『精神病理学私記』阿部大樹・須賀秀平訳

精神病理学を学ぶ、いや人類の福祉のあらゆる側面について、
それを学ぶ者には二つの道がある。
一つは、作り物の、理性を装ったドクトリンに身を固めて、
そこに引きこもってしまうことである。
そしてもう一つの道は、理想や自由を求めてもがき苦しむことである。
そんなことは「不自然」に違いないし、絶えず自らを厳しく律し、
自己監査を永遠に続けることにほかならない。
しかし病的過程の本質をなんとか捉えることができるのは、
それぞれの破綻を確固不変の症候群として考えるときではない。
外延は多少曖昧であるにせよ、その中核にある概念は何であるかと
自身の経験に照らし合わせながら考え尽くすときである。

新しい出会いのたびに現れる一つひとつ独特な生の情況を
見据えることのできる読者諸君であると信じたい。
万能の一般法則には意味がないと気づいている医者ほど逆に、
新しい出会いのたびに生まれる対人関係から手がかりを得て、
自分の行為を体系化できるし、
訪ねてくる患者の役に立つことができるものである。
そういう人間の果たす役割は間近に見て研究するに値する。
どの程度その医者が成功するかは、彼が自分自身を、
患者の立場にどこまで置き換えることができるか、
しかもそれを意識的かつ理知的に行えるかにかかっている。

私は自分自身のこれまでの経験から、研究対象との直接接触が
人格研究の初めの一歩であると考えている。
友愛の情況を作ることができれば互いの人格内部にある
あらゆる資源が利用可能となるからである。

 

 

 

 

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「戦国大合戦」20231124

2023-11-24 | Weblog

 

 

 

(「映画クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」)


数えきれない「あおぞら侍」がいて
数えきれない「れん姫」がいる

歴史につづられない人間の歴史がある
どんな痕跡も留めない悲しみが流れている場所がある

(歴史記述が包摂できない、つねに歴史の起源でありつづけるもの)

かつても、いまも、これからも、ずっとそうにちがいない
妄想を走らせるバカが偉そうにそう思う

ほんとうはそんな偉そうなことじゃない
なんの足しにもならない、愚かな蛇足にちがいない
けれど、どんな状況にあっても決して忘れるな
絶対に覚えておけと忘れやすいバカがおのれに告げる

どんなじじいも、おばばも、生まれたての赤ん坊も
強者も弱者も、賢者も愚者も、例外はない
比較もなにもない、上も下も優も劣もなにもない

等しく一直線上に並ぶ

生きることの本当の主題はつねに、ひとりひとり
どんな時代、どんな状況にあっても、どいつもこいつも
それぞれの目の前に等しく現われている

「今日、明日、いま、ここで、これから、どう生きるか」

どんなアホでもマヌケでも底なしのバカヤローでも(俺のことさ)
おなじことだけど、こう言い直したほうがいいかもしれないな

「どう迎え撃ち、どう戦い抜くか」

 

 

 

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「始原のことば」20231123(20230602)

2023-11-23 | Weblog

 

 

ことばが届かない深い地層があって
降りて行けば先史時代に出会う

ひとつの光景に溶けるように
柔らかなぬくもりに包まれている

真っ赤に染まった夕日の空に
まなざしが寄り添い
世界を照らし返している

決めごとでもなく、偉そうでもなく
ここからここまでという禁止を含まない

倫理でも道徳でもない
なんらかの要請でもない
真理、正義、善、普遍
そんなものからはるかに遠い

どんな意味も構成しない
あらゆる意味の源にあるように

なによりもやさしく、つよく
同じ世界をただともにする
いざなうひとの声が聴こえる

「きれいだね」

 

 

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「祭りのあと」20231122 (20230509)

2023-11-22 | Weblog

                                                 Keith Jarrett # Sun Bear Concerts (1976) Osaka # part 1 - YouTube

 

みくびり、あなどり、思い過ごし
見過ごし、すれちがい、行きちがう

祭りのあとに気づく

ことばはいつも遅れておのれを反照する
遅れて追いついたつもりで愚かさを加算することもある
祭りのあと、しかし、ひとはいくらか賢明でもありうる

嘆き、悲しみ、悔やみ、過去とおのれを呪うだけではない
祭りのあとの反照を骨身に沁み込ませ
いまここで試し、賢明であるように鍛え上げていく
次の祭りに使えるように、そうしなければならない

 

 

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「虚数空間」20231121(20230701)

2023-11-21 | Weblog

 

 

行き先を失った喪失の感情
埋めようのないがらんどう

ノンのシグナルに染まった世界
砕け散ったことばの群れ
手の施しようのないリアルの専制

現前の意識を構成するものすべて
一切をマテリアルとして

未踏の交信ルートを開くように
新たな光源が生まれ、意志が励起し
ことばが立ち上がる人間の地平がある

 

 

 

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「結節点」20231121(20230721)

2023-11-21 | Weblog

 

手を振り、手を振られ、わかれを告げる
名残りを刻み、見送り、見送られ、遠ざかる

「ありがとう」

はかり知れない展開のゆくえ
視覚に映しきれない面影、透明な生の波形

はかり知れなさが交わる地点でシグナルを交換する
そういう確信が訪れているだけでよかった

孤独の瞬き、哀のシグナル

消えることのない交換のたしかさ
すべてをつなぎ合わせるもの

(いまここにいなくてもいい)

たった一度だけでよかった
たったそれだけで生きてゆくことができる

 

 

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「サリヴァン」20231120

2023-11-20 | 参照

 

 

 


──H.S.サリヴァン『精神病理学私記』阿部大樹・須貝秀平訳
(Personal Psychopathology by Harry Stack Sullivan, 1929〜1933)

以下の定義を仮に採用したい。
悪徳とは人間の営みに不当に立ち入るものすべてである、と。
誰かの人生に立ち入るときには、それが当事者にとって正当なものであるかどうか、
医学や福祉にかかわる限り考え続けなくてはならない。
精神病理学を学ぶものはさらに、組織力学や文化や習俗による
人間の内側からの介入をも考慮しなければならないだろう。
もしも社会と個人が共に自律するための共通認識を得られたなら、
そして古代よりの鉄条網を乗り越えられたなら、
西洋文明は数世代のうちにさらなる高みに達するはずだ。そのときがやってくれば、
宗教的情熱に濫費されていたものが社会福祉への現実的関心へと変わるだろう。
少なくとも知性と幸運に恵まれた人々にとっては、
そのような献身こそ自分たちにふさわしいものとして映るに違いない。

 

 

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「時間合わせ」20231119

2023-11-19 | Weblog

 

 

デジタルな時間指定から逆算しなくていい
おまえだけの時間を見失わないように

ひとりひとり、砂糖が溶けるための時間がある
つまり、この時間があってはじめて経験は成就する

デジタルな時間の座標に示されない
どんな計測の指標も溶けていくひとりの時間がある

どんなデジタルなレギュレーションの枠組みにあっても
ゲームに承認を与える固有の時間がゲームの成立を許している

どんな参照項も主体にとって代わることはできない
参照項を生かすも殺すも、判断と決定はこちら側にある

判断と決定の主権を保有する主語を見失い
レファレンスに主権を移譲すれば経験は消えていく

おまえの時間の中だけで生きられている世界がある
固有の時間をキープすることで世界経験は積み上がっていく

経験を失い、生きることを失わないために
あらゆる時間合わせの中心軸におのれの時間を置いておこう

 

 

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「見田宗介」20230626

2023-11-18 | 参照

                UA - 雲がちぎれる時 (Official Video) - YouTube

                UA - 水色 (Live at Shibuya Public Hall) - YouTube

 

 

 「欲求の相剋性の平面ではなく」

 「この平面を離脱し、外的規制も内的規制も
 ミニマムにしてゆく方向に解き放たれていくゆくという進路」

 「どのように科学・技術が発達しても、文化・文明が身体を変質しても、
 人間は動物である。動物としての欲望は残る。欲望の矛盾も残る。
 欲望の矛盾を矛盾であるままに、相剋性から相乗性に転回すること」

 「これまですべての宗教の課題は〈超越〉ということだったと、植島らはいう。
 その〈超越〉の方向が現在みえないのだと。
 今わたしたちがほんとうに求めているのは、わたしたちを、
 もういちど〈内在〉させる力をもつ思想ではないだろうか。
 あるいは超越を超越する思想、世界を新鮮な奇跡の場所として開示する、
 ひとつの覚醒ではないだろうか」

 「宮沢賢治は「ほんとうの」しあわせとか考えとか世界を求めた。
 竹田の断念は、〈真実〉を方法の場所に、……しずめている」

 

 

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