否定したい否定しつくしたいと願ったもの
自動化された言葉の応報
決めつけられるまえに決めつける
削られるまえに削りあう
どこにも行き着けない命のやりとり
自陣の加点と敵陣の減点をよろこび合う
全体収支が変化しない加点と減点のクソゲーム
なによりも供犠しあう心
仰ぎ見る心
差し押さえを喰らい
差し押さえを喰らわせる
見切り見切られる
筋書の決まった宴
人間讃歌と罵倒、友情と裏切り、信頼と軽蔑
地べたに釘づけにされたトンマの抱き合わせ
儀礼に従って手を振り、手を振られ
居場所を指定され、最後に
墓場へ安置されつづける心のかたち
どう生きればよいかわからない、そのことは変わらない
けれど、どう生きたらマズイかは明晰にわかる
そう考え、直観していた、二十歳
「堕ちる」ことの積極的意味を見出すには
「堕ちる-堕ちない」で動く現実が教えない〝視覚〟がいる
けれど、みずからの直観に頼りきった時代から決別しなければならない
直観を捨てるのではない、直観にカタチを与える仕事をはじめよ
手さぐり、みえない手がかりのまま、カオスを呼び込む
自動筆記法、オートマティズムの徹底的な励行
現実論理、確定記述──
「これが現実!」という生の全域を覆えないものが、
あたかも覆えるかのようにカンちがいしてデカいツラしてのさばっている
「人生はつくるものだ」
選ばれた芸術家、天才、特別な才能に頼るのはやめよう
頼ったすえに帰依することの愚かさが世界を貧しくする
「じぶんをバカだ、愚かだと思うのは根本的にまちがっている」
うぬぼれとはちがう、自己正当化ともちがう
やみくもな自己肯定とはちがうもっと本質的なことだ
ひとつひとつ、みずからのからだを通過させないかぎり
すべて天上に戴く言葉によって地上をおとしめることになる
人間の可能性を示す人たちの仕事は真摯にリスペクトすればいい
Caution!
天の頂きまで持ち上げて、みずからの生を価値下落させないように
なによりそれをツールとして他人の生を裁いて見下し、おとしめないように
「おまえは信仰を望むのか?」
「NO!」
ひとりひとり、いちどきりの生を生きるものとして、
生を素通りしないで生きるには、はね返すべき壁が存在する
それはじぶんのなかにもある
最初の、最大の、そして最後の壁かもしれない
壁には〝人間の階梯〟を教示する言葉が刻まれている
この壁をいったんカオスにもどす
天も地もない 優も劣もない
だれも教えない、教えることのできない
ひとりひとりの固有の生を生きようと望むかぎり
侵してはならない、侵すことのできない〝孤独〟の位相があること