ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「関係項──結び合わせるパターン」 20191105

2019-11-05 | Weblog

              https://www.youtube.com/watch?v=xDX_OqLwfjs

 

「それぞれが自己修正的に動くシステム間の連結(カップリング)の問題は、人間の社会または生態系への適応にとって、中心的重要性を持つ。」

「ぶつかりあういくつかの存在が、複雑な学習やコミュニケーションをなしうる有機体である場合には、それらのシステム全体は、均一状態か体系的差異化に向けていずれにしても、より単純な方向へ─急速に変化する。それはいわゆる組織化にほかならない。」 (『精神の生態学』佐藤訳)

 

 

実存が示す経験の固有性──事象、事物、関係の記述はその経験においてさまざまに分岐する。 

ある状況はある人にとって快適であり、ある人間にとっては不快である。

ある言葉はある人にとって真理であり、ある人にとってはたわごとである。

ある事象はある人にとって美しく、ある人にとっては陳腐であり醜悪でもありうる。

あるモノは同じ人にとってある状況において宝物であり、変化した別の状況においてはゴミになる。 

存在同士のカップリングが問題にならず、かりに「単独生」という想定が可能ならば、生きられる状況の個別性、切実性、痛切性、一回性、状況性というそれぞれの経験において〝真理〟はなんら問題とならない。そのつどの「私にとっての真理」だけが生きられ、「快-不快」があり、いかに生き抜くかという固有の課題と企投だけがある。 

集合的な組織化という関係のゲームの生成──そこには結び合わせるパターンの必然的に生成する。関係のゲームにおいて、個と個を結び合わせるパターン、言葉として、概念として、理念として、どんな「関係子」を生み出し結び合わせるパターンとして採用するか。 

集合的な課題に対するさしあたりの回答はつねに用意されている。社会的な関係のコードの体系、すなわち倫理、道徳、習慣、常識、そして客観。

いいかえれば主観と主観をつなぐ「関係項」。あるいは結び合わせるパターンは歴史的に集積されて用意されている。モラル、倫理、規範、習慣、常識、通念、世界像、価値、それぞれの諸相。

 

 

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