「図」が描かれるためには「地」がいる
キャンバスがなければタブローは存在しない
キャンパスに向かうとき、すでに用意されている
絵の具、筆、イーゼル、パレット、モチーフ
すべては「地」から運ばれ、表出のかたちが整えられる
「地」をなすわがBackstage──世界は用意され、心は火を灯される
「作品」の欲望は「地」に発している
「作品」──「地」に咲く花
さまざまな思い、触発、モチーフ
「地」から立ち上がるものに気づくより早く
心はつねに、すでに、「地」に染まり
筆を手にとり、キャンパスに向かっている
ひとりひとり、それぞれのそこに、その先に
「地」に生きることが求める花があり
「作品」としての生のかたちがある
Backstage──「地」として駆けるもの
駆けながら「世界」を告げるもの
告知は、ささやきとして、泡立ちとして
あるいは突き上げる触発として
ただ情動によって運ばれ、意識の水面にこぼれる
すべては告知を受け取ることから出発し
絶えざる告知において出発しつづけている