ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「実存──未決の展開本質」20211231

2021-12-31 | Weblog

                                                                                Worried About You (Remastered) - YouTube

 


 ──桑野隆『生きることとしてのダイアローグ~』

  「生きた人間を、当事者不在のまま完結させてしまうような認識にとっての、
  声なき客体と化してはならない。
  人間のうちには、本人だけが自意識と言葉による自由な行為のなかで
  開示できるなにかがつねに存在しており、
  それは、当事者不在のまま外面化してしまうような定義ではとらえられない。
  ……人間は生きているかぎりは自分がいまだ完結していないこと、
  いまだ自分の最後の言葉をいいおわっていないことを生の糧としているのである」
                           (バフチン、P15/16)


「ある」は「ありうる」をたずさえ
たずさえることで「ある」を構成している

記述を確定した世界のかたわらに
未記述の世界がつねに同伴している

生きることのエロスと不安

ふたつは一つに織りあわされ
すべての時制は参集して混じりあう

かつて-いま-これから

世界は開かれ、心は動き、予期は走り
「ある」はほどかれ、結びなおされ
新たな「ある」を編み上げていく

未決のゆらぎ──実存の展開本質
この位相においてすべては生成する

存在可能、関係可能に沸き立つ
人間的生の存在本質において生きあう

そのことを相互に望むかぎり
総意として刻んでおくべきマキシムが導かれる

「新たな記述のスペースを与えあって生きろ」

俺たちが、社会体が、その構成のすべてが
展開本質において照らしている成熟の方角がある

 

 

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「猫は知らない」20211230

2021-12-30 | twitter

                                                                      Heaven (Remastered) - YouTube

 

真夜中に猫さんに遭遇してご挨拶する

「こんばんは」

猫さんにとって聴くにあたいしない
どんな意味も構成しない、天国も地獄もない
おそらく雑音でしかない

素どおりする音と響き──ことば

この雑音にはヒトの情動の奔流が流れ込んでいる
思いのたけ、信念、信仰、妄想が混じることもある

だれかとだれか、おれとおまえ
それぞれにとってそれぞれが〝猫〟であることがある

ときどき、しばしば、常時、永遠に

 

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「session」20211230

2021-12-30 | Weblog

 

 

セッションするために生きている
知らないなら知っておいたほうがいい
そんなふうに思うことがある

たとえばこんなふうに
転がりまくる石ころたち

The Rolling Stones - Almost Hear You Sigh - YouTube

いつでもだれとでもとは言わない
でも用意があればチャンスは生まれる
形式にこだわる必要はないさ
相手は見つかるだろう
イメージさえあれば、いつかどこかで

    *

「世界は関節が固まっている」
「なんじゃ、それ!」
「寝言す、bonne nuit」
「ちゃんと話して寝ろ」
「ときどき外したほうがいい」
「もとから関節が外れてる」
「オレ?外してるんだよ」
「でも足りないかな」
「きついな」
「励ましてます」
「そっか、メルシーボク」
「きちんと外しておやすみやがれ、ムッシュ」

 

 

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「player」20211229

2021-12-29 | Weblog

                                                                    The Rolling Stones - Almost Hear You Sigh - YouTube

 

 

 

   We're stuck between a rock and a hard place  ──Mick Jagger


予測可能性に埋まった公理の系に
不連続なゆらぎとノイズを導くように
自由エネルギーを解放し、プレーヤーはカオスに遭遇する

この遭遇はプレーの夢に先導されている

定型の運動と不連続なゆらぎが交わり
閉じたループが破られる

プレーを構成する無数のパーツはいったんシャッフルされ
新たなフォーメーションへ向かう

このときプレーヤーはカオスに呑み込まれるのではなく
カオスの縁を駆けている

 

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「Intermission」20201229

2021-12-29 | Weblog

                                                                              Alan Walker Mix 2021 Best Shuffle Dance Music - YouTube

 

 

だれに向かって歌ってる?
この世界全体にむかって

    *

できることはある
いつも、いまここで

ちいさな休止符を日常の楽譜に書き込むように
魂に息つぎするスペースを与えあう

休戦状態のままことばとことばは交わり
重なり、溶けあいながら
強度が高まっていく関係のプラトー

だれにも帰属しない第三領域

お互いの存在を資源として
糧として生成的に立ち上がり
生の華やぎを加えていく位相がある

 

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「ことば」 20211228

2021-12-28 | Weblog

 

 

原則は極めてシンプルだ

使う、使われるのではない
したり顔で教えるバカ面に使われるな

たしかな理由がある

真理へアクセスするのではない
地べたに張りつくためではない
舞上がって嘲笑うためではない

隔絶の淵をブリッジする
as possible as you can
楽しく、心地よく、美しく

ただそれだけのために使い倒す
使われれるなよ、ことばに

ひとまず離脱しよう、使われ殺されるまえに
死んだ正解の集積場、拡大教室を

 

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「ランダムネス」20211227

2021-12-27 | Weblog

                                                                           If I Was A Dancer (Dance Pt. 2) - YouTube

 


 Creative thought must always contain a random component.
                                       ──Grebory Bateson


    *

Randomness──

ストーンズにあってビートルズに足りないもの
この国に圧倒的に不足しているものでもある

その分岐は真面目不真面目ではない
未決の展開本質に対する感受性に由来する

公理系が指定するポジションに立ってモノを語るとき
あのヒトに本来備わったランダムネスが消えていく

世界への関与性、かまえ、関係意識は変化する

変化と展開可能性、未規定性、存在可能に開かれているか否か
そのことの自覚的な企投と創発性はつながっている

 

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「わかれ」20211226

2021-12-26 | Weblog

                     Sing me to sleep - Alan Walker - YouTube

 

 

 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲隠れにし夜半の月影 
               
                                ──紫式部(『新古今集』1499)

 

奏でられるかぎり
聴かれるかぎり

奏でることと聴くこと
ふたつをひとつとして生きるかぎり
歌は生まれつづける

享受したものの延長上に未踏の地平がある
享受してはじめて告げられる新たな響きがある

あの歌があって、この歌があり、次の歌が生まれていく

どんな悪意も感じない
どう転んでも善きことべ向かっている
差異は資源として糧として生きられていく

だからこそ立ち上がるものがある

ひとつの訣別とひきかえに
もう少し自分で考え
もう少し自分の手でつけ加えられる

考えるまでもない

いつかほんとうのわかれがくる
その日の訪れのまえに

そのことを示す仕事が残されている
それをしなければならない

 

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「共通感覚」20211225

2021-12-25 | Weblog

 

 

ある共通感覚が存在するとき──
信じるに足る価値として関係の基底をつくるとき

相互の差異は相互に生きる糧として
関係的な生成の資源として生きられていく

どんな共通感覚も消えるとき──
関係価値の破れ、切断、消失が起こるとき

相互の差異は資源から異和、審議対象へと転移し
関係の生成的な位相は失われていく

 

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「sitting on the fence」20211224

2021-12-24 | Weblog

                                                                The Rolling Stones - Sittin’ On A Fence - YouTube

 

 

当面、さしあたり、なすべきことはない
世の決めごと以外にはなんもない、だったらなくていい

なくてもいいから見逃さないでな
聴き逃さないでいような

なぜか決めごとの外に唇が向かっていく
迷い、ためらい、はにかみ、おそれ、ゆらぎのなかにいる
姿を見ればどっちつかずのバカに見えるかもしれない

 Sittin’ On  A  Fence

筋金入りのはぐれ者たちが歌っている

世界を腐らせる視線はどうしようもなく共有されている
そんなものはきれいさっぱり捨てちまいな

そんな偉そうなことを言いたいわけじゃない
しかたなくただフェンスに座っている

よくわからない、全然わからないから
そうするよりほかにないから

 so I'm just sitting on a fence

ただほんとうに歌うに値すると感じたまま
筋金入りの連中が歌にしてきた歌がある

 

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「地と図」20211224

2021-12-24 | Weblog

 

 

「私は、あなたが赤をどのように見ているかを決して知らないし、
あなたは私がそれをどのように見ているか知らないでしょう。
しかし、この意識の分離はコミュニケーションの失敗の後にだけ認められるのであり、
そして我々の最初の運動は、
我々の間にあるある分割されないものの存在を信じることにあるのです」

     ──M・メルロ=ポンティ『知覚の優位性とその哲学的帰結』(加藤和雄訳)


        *

もうこのマップは使えない
描かれたどのルートをたどっても
どこにも行き着けない

だからそうするたしかな理由がある

マップに描かれたルートを外れ
敷き詰められたマップごと燃やす

外れることをよしとして
燃やし尽くしたはてに、はじめて気づく

虎が虎として おれがおれとして
生きている「地」がある

名づけようのない 互いに隔絶しながら
数えきれないマップが立ち上がる「地」がある

虎よ さようなら

あつらえられたマップの外に
描かれたルートが消えた場所に
燃やし尽くしたあとに

いつか、絶対にないとはいえない
新しいルートが走ることがある

 

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「内語@スーパー」

2021-12-23 | Weblog

 

 

「いらっしゃいませ」
(大きい)
「すみません」
「はい」
(かわいい声)
「ラードありますか」
(‥‥あなたがそれを訊きますか)
「はい。ご案内します」
(横綱、体脂肪率)
「こちらでございます」
「ありがとうございます」
(礼儀正しい…ちょっとたまらん)

 

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「屈辱」20211222

2021-12-22 | Weblog

 

 

地区大会で優勝して顧問がバスをチャーターしてくれた
OBも同乗した観光バスで三谷中学に向かった

ひどいバス酔いのまま会場に着いた

県大会一回戦、相手は蒲郡の中学
猛烈な不快感、吐き気、脱力状態のまま試合に入った
サイドをフェイントで抜いてもシュートを決め切れない
最低のパフォーマンスでトリプルスコアで敗けた

それだけで終わらなかった

帰り際、相手チームの二回戦の試合を見た
俺たち相手に使わなかったトリックプレーを使っていた。
完全になめられていたと感じた

無力感にさいなまれ、最低の状態で現役が終わった
言葉にすることができない悔しさ、卑小感
誰にも告げられない屈辱だけが残った

 

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「不逞な心」 20211221

2021-12-21 | Weblog

 

 

だれにも、どんなカミにも頼らず
なにものにも捧げられることのない
はかなくはかなさのままにあるもの

はかなさ、それ以上でもそれ以下でもない
ただはかなく生きるものに

倫理やモラルがけっして知ることのない
どんな命令や要請からも隔絶したところにいる

不逞な心だけがつぶやく
それでいい、そのままに

教唆し脅迫し滅ぼすちからの外側にあつらえる

真昼の光も深夜の光も照らさない
はかなく、ゆらぎ、ふるえているものに

すべてのノイズを払って
生きられる場所を用意する

 

 

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「とっつぁん理論@スーパー」20211220

2021-12-20 | Weblog

 

 

「結局、おカネですよね」
「そう?」
「おカネがなければ何もできない」
「わかります。言いたいことは」
「でしょ」
「だれでも思いつくわかりやすい論理」
「でもやっぱ最後はおカネでしょ」
「もっと大事なものもあるよ」
「なんですか」
「水と酸素」
「おっと」
「あのオバちゃんも人生カネだって言ってたな」
「だれですか」
「レジのドラミちゃん」
「小久保さん?」
「イエス。ぼくはとっつぁん論理と呼んでます」
「おとっつぁん?」
「そう。男も女もない、性差を超えた人生テツガク」
「でもきれいごとは好きじゃないな」
「ジェンダーフリー。年齢もあんまり関係ない」
「花より団子」
「そこに合流して人間の歴史を席巻してきた」
「とっつぁんたちが」
「うん。ドラミちゃんはその完成形で、田代さんの未来形かな」
「……やっぱ愛かな」
「小久保さんに失礼だな。裏切者!」

 

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