最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

病院に新しい風を吹き込む8人の医師。専門性を発揮した質の高い医療を提供

2019年10月10日 13時34分17秒 | メディカルはこだて
第71号の特集は「病院に新しい風を吹き込む8人の医師。専門性を発揮した質の高い医療を提供」。

医療の質や安全性の向上、高度化・複雑化に伴う業務の増大に対応するため、多職種がそれぞれの専門性を発揮しながら業務を分担し、患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」がさまざまな医療現場で実践されている。 そのなかで医師は治療方針の決定や実際の治療を行うなど、医療の質向上に大きな役割を担っている。ここ数年、函館の病院には道内外の病院から専門性の高い医師が赴任している。その8人の医師を紹介する。

◎函館中央病院内科・総合診療科医長に就任
今年4月、函館中央病院(本橋雅壽病院長)の内科・総合診療科医長として就任したのが生方晋史医師だ。神戸市生まれの生方医師の父親は内科・消化器内科・小児科を標榜する開業医。「父の影響は受けましたが、
それよりも高校卒業後にいろいろと考えることで、医療への興味を持つようになりました」。
昭和大学医学部に進学。「医者としての将来像を考え始めた時に、徐々に名を馳せていた『総合内科・総合診療科』に興味を持つようになりました」。

 生方晋史(函館中央病院内科・総合診療科医長)

◎島根県立中央病院副院長から高橋病院へ
島根県内で唯一の高度救命救急センターなど、高度で専門的な医療を担う県の基幹的病院である島根県立中央病院(島根県出雲市)の副院長を務めた齊鹿稔医師が、今年4月から高橋病院(高橋肇理事長)の整形外科・リハビリテーション科の担当医師として勤務している。
鳥取県生まれの齊鹿医師は理系科目が得意だったことから医学部受験を志し、山口大学医学部へ進学した。「外科系の診療科に興味を持っていましたが、医学部の先輩に誘われて整形外科医になることを決意しました」。昭和53年大学卒業後は山口大学医学部整形外科に入局。関連病院にて診療経験を重ね、山口大学医学部附属病院では一般外科に加えて脊椎外科を専門とした。

 齊鹿 稔(高橋病院整形外科・リハビリテーション科)

◎北海道大学神経内科教授を定年退職後に着任
今年3月末で北海道大学を定年退職した佐々木秀直医師は、平成15年から同大学医学部神経内科教授を務めてきた(平成29年同大学大学院医学研究院神経病態学分野神経内科学教室に名称変更)。その佐々木医師が4月から函館中央病院脳神経内科に勤務、同病院名誉臨床顧問に就任した。
南空知の由仁町出身の佐々木医師は「高校時代の興味は飛行機や船、ロケットで、将来はエンジニアとしてこの分野の開発に携わりたいと漠然と考えて、物理と数学の勉強に取り組んでいました」。進路を変更したのは医学部を勧める担任の熱心な進路指導だった。

 佐々木秀直(函館中央病院名誉臨床顧問・脳神経内科)

◎今年4月亀田病院の循環器内科医として着任
今年4月、亀田病院(蒲池匡文理事長)循環器内科に着任したのが白川亮介医師だ。小樽生まれの白川医師は小樽潮陵高校を卒業後、北海道大学医学部へ入学。「母方はがん家系で、がんが治せるようになりたいという気持ちから医学部への進学を目指しました」。
大学では実習の際に循環器内科へ興味を持つようになったが、決めたのは研修医として勤務した旭川赤十字病院だった。「急性心筋梗塞や心不全などの重症の患者があっという間に良くなること。そして、それを可能にするダイナミックな治療に強く惹かれました。病気そのものを治すだけではなく、予防やQOL(生活の質)の改善もできるのが循環器内科の最大の特徴です」。

 白川亮介(亀田病院循環器内科医師)

◎消化器内科の専門外来として「便秘外来」を担当
国立病院機構函館病院(加藤元嗣院長)は今年5月、消化器内科の専門外来として「便秘外来」を開設した。担当する常勤の専門医は4月に北大病院から着任した津田桃子医師だ。診察はCTやエコー検査、大腸カメラなどの画像評価を加えながら、患者一人一人にあった内服の調整など、専門的な治療を行っている。
津田医師は札幌市生まれ。「外科医の父の影響を受けて、小学生の高学年の頃から医師を志すようになりました」。秋田大学医学部へ進学。「最初は外科医(一般外科)を目指していましたが、体力的な問題も考慮して消化器内科に決めました」。卒業後は北海道大学病院と市立札幌病院にそれぞれ1年間、その後は函館中央病院に3年間勤務した。函館では2人を出産、現在は10歳、8歳、5歳の3人の子どもの母親でもある。

 津田桃子(国立病院機構函館病院消化器内科医師)

◎少しでもよい生活ができる方法を考える
市立函館病院(森下清文院長)脳神経内科は医師3人体制で診療を行っている。科長の堀内一宏医師は平成29年7月に同病院に赴任した。「父親は商社マンでしたが、仕事は激務で自分には向かないと考えていました。高校生のとき『人の役に立ちたい』と思い、医師を目指すことにしました」。
旭川医科大学医学部に入学。「旭川赤十字病院での研修では失語症の患者が話をできるようになったことがありました。治療への興味と同時に、難しい病気を抱えた患者に対して、一緒に悩みながら治療をできる脳神経内科医は自分に合っていると思いました」。

 堀内一宏(市立函館病院脳神経内科科長)

◎肺の内視鏡手術を専門とする呼吸器外科医
昨年6月、函館五稜郭病院(中田智明病院長)の呼吸器外科科長に就任したのが、呼吸器外科全般と胸腔鏡下手術を専門分野とする正岡俊明医師だ。同病院の呼吸器外科は平成8年日本胸部外科学会の指定施設に選定され、以来道南における胸部外科の基幹施設として診療を行ってきた。また、呼吸器外科専門医認定機構の関連施設にも認定され、現在、年間約170例の呼吸器関連手術を実施している。
神奈川生まれの正岡医師は小学生から高校生までは東京都内で暮らした。「親は普通の会社員で、私は高校2年までは文系でしたが、小さい頃に喘息で親に苦労をかけていたことを思い出して、急転直下医師になることを決心。苦手な数学を克服し、2次試験で当時は理科の負担の少なかった山形大学医学部を受験し合格しました」。

 正岡俊明(函館五稜郭病院呼吸器外科科長)

◎函館五稜郭病院整形外科の肩専門外来を担当
今年4月、函館五稜郭病院(中田智明病院長)の整形外科医長に就任した水島衣美医師は整形外科の一般外来のほか、肩関節の専門外来を担当している。同病院の整形外科は医師7人がそれぞれ専門性を生かし、高度で先進的な医療を行っている。年間の手術件数は1700例以上で、手術においては低侵襲で治療効果のある手技(鏡視下手術や人工関節に頼らない自家骨温存手術、ナビゲーションシステムの使用など)を取り入れ、術前後のリハビリも積極的に行いながら早期の機能回復を目指している。

 水島衣美(函館五稜郭病院整形外科医長)


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