読書。
『迫りくる「息子介護」の時代』 平山亮 解説・上野千鶴子
を読んだ。
むかしは、介護といえば、女性がこれにあたるものとされる向きが強かった。
娘であったり、息子の嫁であったり。
それがいまや、配偶者による介護だったり、
息子による介護だったりというのが、増えているようですね。
とくに息子介護については、
一人っ子化、晩婚化、独身でいる人の増大という
現代人の在り様の傾向が影響していて、
さらに、就職難や、介護が理解されない社会構造なども
その背景としてあるような状態。
本書ではその解決については述べられませんが、
現状分析としては、なかなかに的を突いたものになっているように
読み受けました。
なにせ、ぼく自身が息子介護とは言わないまでも(主介護者が親父だから)、
母親が介護を必要とする身なので、ご飯を作ることをメインに、
面倒を見ていたりする。
だから、本書のとくに4章から5章にかけてはよくわかる感じでした。
4章は介護者と被介護者である親の関係について書いてあり、
5章では、介護者である息子の交友関係について書いてある。
5章では、コンパニオンシップとコンフィダントという関係が示される。
コンパニオンシップというのは、楽しみを追求するために特化した関係で、
共通の趣味に興じたり、一緒においしい食事やお酒を楽しんだり、という
付き合いのことです。
一方のコンフィダントというのは、悩みや問題を共有しあう
「話しやすくわかりあえる」相手のことをいいます。
そして、介護者である息子は、友人たちとの関係が希薄になるとも
書かれていてぼくもそうなのですが、そんな中、
ぼくの友人関係にはコンフィダントはまるで無いなあと気づかされたりしました。
同性との交友関係って男の場合そういうのばかりらしいですね。
本書の言葉の通りに言えば、「馴れ合い、張り合い」の関係。
このあいだ芥川賞を取った羽田圭介さんの言葉で言えば、
「牽制しあう関係」となります。
ところが、異性の友人っていうのは、
コンフィダントになりやすいそうです。
このあたりは心得ておかないと、と思います。
また、おもしろいのは、
女性の友だち付き合いは「差し向かい face to face」で、
男性の友だち付き合いは「横並び side by side」と言われる、とのところ。
差し向かいは「おしゃべり」中心のことを言っていて、
横並びは「同じ行動をする(共行動)」中心のことを言っているみたいです。
女性は言葉やしぐさ表情などで確かめあって、
男性はその存在の雰囲気を共有するみたいなことで確かめ合う感じでしょうかね。
それで、男同士の横並び、つまり共行動ってなんかわかる気がするわけです。
…連れションとか。
そんなところもありながら、
中盤以降は集中して読ませる内容でした。
介護は大変だけれど、目をそらせない現実としてあって。
ぼくも最悪の事態にはならないようにじたばたせねばと考えているところです。
介護をとらえた本としては入門編としての位置づけがなされると思います。
『迫りくる「息子介護」の時代』 平山亮 解説・上野千鶴子
を読んだ。
むかしは、介護といえば、女性がこれにあたるものとされる向きが強かった。
娘であったり、息子の嫁であったり。
それがいまや、配偶者による介護だったり、
息子による介護だったりというのが、増えているようですね。
とくに息子介護については、
一人っ子化、晩婚化、独身でいる人の増大という
現代人の在り様の傾向が影響していて、
さらに、就職難や、介護が理解されない社会構造なども
その背景としてあるような状態。
本書ではその解決については述べられませんが、
現状分析としては、なかなかに的を突いたものになっているように
読み受けました。
なにせ、ぼく自身が息子介護とは言わないまでも(主介護者が親父だから)、
母親が介護を必要とする身なので、ご飯を作ることをメインに、
面倒を見ていたりする。
だから、本書のとくに4章から5章にかけてはよくわかる感じでした。
4章は介護者と被介護者である親の関係について書いてあり、
5章では、介護者である息子の交友関係について書いてある。
5章では、コンパニオンシップとコンフィダントという関係が示される。
コンパニオンシップというのは、楽しみを追求するために特化した関係で、
共通の趣味に興じたり、一緒においしい食事やお酒を楽しんだり、という
付き合いのことです。
一方のコンフィダントというのは、悩みや問題を共有しあう
「話しやすくわかりあえる」相手のことをいいます。
そして、介護者である息子は、友人たちとの関係が希薄になるとも
書かれていてぼくもそうなのですが、そんな中、
ぼくの友人関係にはコンフィダントはまるで無いなあと気づかされたりしました。
同性との交友関係って男の場合そういうのばかりらしいですね。
本書の言葉の通りに言えば、「馴れ合い、張り合い」の関係。
このあいだ芥川賞を取った羽田圭介さんの言葉で言えば、
「牽制しあう関係」となります。
ところが、異性の友人っていうのは、
コンフィダントになりやすいそうです。
このあたりは心得ておかないと、と思います。
また、おもしろいのは、
女性の友だち付き合いは「差し向かい face to face」で、
男性の友だち付き合いは「横並び side by side」と言われる、とのところ。
差し向かいは「おしゃべり」中心のことを言っていて、
横並びは「同じ行動をする(共行動)」中心のことを言っているみたいです。
女性は言葉やしぐさ表情などで確かめあって、
男性はその存在の雰囲気を共有するみたいなことで確かめ合う感じでしょうかね。
それで、男同士の横並び、つまり共行動ってなんかわかる気がするわけです。
…連れションとか。
そんなところもありながら、
中盤以降は集中して読ませる内容でした。
介護は大変だけれど、目をそらせない現実としてあって。
ぼくも最悪の事態にはならないようにじたばたせねばと考えているところです。
介護をとらえた本としては入門編としての位置づけがなされると思います。