Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『はつ恋』

2015-09-19 01:18:17 | days
読書。
『はつ恋』 ツルゲーネフ 神西清・訳
を読んだ。

19世紀ロシアの小説です。

16歳の少年ヴラジミールが
近所に越してきた5歳年上の公爵令嬢ジナイーダに恋をするお話。
ジナイーダはたいそう美しく、慕う男たちも多い。
そんななか、どんどん胸を熱くしていくヴラジミールなのだが・・・。

ちょっと笑ってしまう箇所もありましたが、
全体としてロマンティックだし、一気読みで味わってしまうこと推奨です。

恋の感情を、読者の心中にたちのぼらせるような、
ささやかに再体験させるような
(もっと夢中に読書するなら、ささやかどころじゃないのですが)、
そんな恋愛小説になっている、半分くらい読んでの感想。

残りの半分を読むと、ぐっと甘く苦くなりました。
文学らしい、読者の胸をかきむしる感じだな、と。

溌剌として魅力的な女の人には惹かれるけれど、
結婚するくらい親密になってからケンカしたら、
ぼくはどれだけ自分を抑えられるだろうかと
考えることがあります。
それだけ、女の人っていうのは、
男のこころの隙間まで浸透するものだということ。
男のこころの奥底近くまで浸透していながら、
ケンカのときには反旗を翻されるのだから、
男っていうのは防衛反応みたいに、
自分の領域からどうやってでも女を締め出そうとする。
それがやっかいだよね、男女関係、って思うわけです。
いや、女からして逆もまたしかりだったりして。

おもしろかったです。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする