太陽が昇るとか昇らないとかで喧嘩しないでくれる?
どうせ今夜には北斗七星が何人かにさよならを告げるのだから、
喧嘩している場合ではないでしょう、あなたがた。
あなたがたにさよならが告げられるかもしれないのよ。
木星のごきげんばかり伺っているから、気付かなかったのね。
五郎川のワニは気づいていたそうよ。
ぼうぼうと葦の生えたぬかるみを寝床にして、離れた目を
北の夜空と南の夜空へ光らせていたらしいじゃないか。
疾風が吐き捨てていく、誰かへの警句。
尻尾が覇気薄れていく、ワニの中の苦悩。
火星は生き返るのだと、流れる星の数と方角でわかったそうね。
あなたがたはそれを見たいのでしょう。
ならば、夜までにワニの背中をなでておやりなさい。
そして、太陽の行方など一切考えてはいけません。
一人、二人、吸いこまれませんように、月の開けた口に。
三人、四人、吊るされるほどの悪事を 月に隠し通せますように。
あなたがたはそれを見たいのでしょう。
悲劇と感動劇を、同時に、左右の目で、見極めたいと。
空の柄杓が、今夜は一段と輝いて見える。
五郎川のワニは気づいていたそうよ。
やがて、地が震えた。大きく、大きく。
地に裂け目ができた。広く、深く。
ワニはいない。
あなたがたもいない。
わたしもいない。
どうせ今夜には北斗七星が何人かにさよならを告げるのだから、
喧嘩している場合ではないでしょう、あなたがた。
あなたがたにさよならが告げられるかもしれないのよ。
木星のごきげんばかり伺っているから、気付かなかったのね。
五郎川のワニは気づいていたそうよ。
ぼうぼうと葦の生えたぬかるみを寝床にして、離れた目を
北の夜空と南の夜空へ光らせていたらしいじゃないか。
疾風が吐き捨てていく、誰かへの警句。
尻尾が覇気薄れていく、ワニの中の苦悩。
火星は生き返るのだと、流れる星の数と方角でわかったそうね。
あなたがたはそれを見たいのでしょう。
ならば、夜までにワニの背中をなでておやりなさい。
そして、太陽の行方など一切考えてはいけません。
一人、二人、吸いこまれませんように、月の開けた口に。
三人、四人、吊るされるほどの悪事を 月に隠し通せますように。
あなたがたはそれを見たいのでしょう。
悲劇と感動劇を、同時に、左右の目で、見極めたいと。
空の柄杓が、今夜は一段と輝いて見える。
五郎川のワニは気づいていたそうよ。
やがて、地が震えた。大きく、大きく。
地に裂け目ができた。広く、深く。
ワニはいない。
あなたがたもいない。
わたしもいない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます