読書。
『はじめての文学講義』 中村邦生
を読んだ。
今回は覚書のように書いていきます。
僕は文学部でもないし、文学講義や分析にふれたことってとても少なく、
これじゃあ、小説を書いてもずば抜けた才能があるわけでもないのだから、
なかなかおもしろいものは書けないか、と
今後は文学への考えを深めるものを読んでいこうとしたまずその初めとして、
本書を手に取りました。
では、すすめていきます。
まず、ダブルビジョン、二項式という技法について語られます。
太宰治の富士山と月見草を例にとり、
まるで繋がらないような二者をつなぐことで、
文学性が生まれる、というようなことでした。
そして、細部にこだわりなさい、ということ。
また、小説の縦糸と横糸の解説。
横糸つまりストーリーだけを追いかけるだけでは小説は面白くない。
文章を読んでいてそのセンテンスで立ち上がるものがあり、
その縦糸の部分を楽しんだりする。
書くときにもそこは考えるところ、だと。
読書の時には、深く読むほどに中断が起こる、と。
本が閉じられている間にも、その内容が頭に渦巻いていて、
それがまだ読書でもある、ということでした。
これは経験がありますよね。
最後に、文学的リアリティについてですが、
必然性と一回性という捉え方で見事にそれを教えてくれます。
必然性とは、それをするにはこうなる、こう動くと、
つまりは当たり前の行為や流れのことをいいます。
一回性は、そのときにしかない独特だったり特徴的だったりする行為です。
たとえば、散歩をしている途中で、
家庭菜園の手入れをする人たちをみかけて挨拶をしたり、
電線に止まるカラスをみたり、往来する車をよけたり、というのは必然性ですが、
そのカラスが威嚇する鳴き声を出し、
そのカラスに挑戦するように石を投げる小学生がいて、
カラスが小学生を襲いだすところを救おうと一歩踏み出すと、
ちょうどパトカーが止まってお巡りさんが警棒でカラスを追い払うところにでくわす、
などは一回性なんだと思います、ちょっと下手くそな例ですけどね。
もっと独特で個人的でいいでしょう、一回性については。
そして、それによって小説に深みが出るようです。
本書は高校生への講義録です。
読みやすいうえに文章に滋味があり、
よみごたえと楽しさを感じる読書になるでしょう。
150ページあまりですが、推薦している本が多数あり、
本書から繋げてそれらに食指を伸ばすのもいいかもしれないです。
『ハックルベリー・フィンの冒険』がものすごく面白いらしいのと、
ロダーリの『ファンタジーの技法』はためになるらしいのとはメモしておきました。
『はじめての文学講義』 中村邦生
を読んだ。
今回は覚書のように書いていきます。
僕は文学部でもないし、文学講義や分析にふれたことってとても少なく、
これじゃあ、小説を書いてもずば抜けた才能があるわけでもないのだから、
なかなかおもしろいものは書けないか、と
今後は文学への考えを深めるものを読んでいこうとしたまずその初めとして、
本書を手に取りました。
では、すすめていきます。
まず、ダブルビジョン、二項式という技法について語られます。
太宰治の富士山と月見草を例にとり、
まるで繋がらないような二者をつなぐことで、
文学性が生まれる、というようなことでした。
そして、細部にこだわりなさい、ということ。
また、小説の縦糸と横糸の解説。
横糸つまりストーリーだけを追いかけるだけでは小説は面白くない。
文章を読んでいてそのセンテンスで立ち上がるものがあり、
その縦糸の部分を楽しんだりする。
書くときにもそこは考えるところ、だと。
読書の時には、深く読むほどに中断が起こる、と。
本が閉じられている間にも、その内容が頭に渦巻いていて、
それがまだ読書でもある、ということでした。
これは経験がありますよね。
最後に、文学的リアリティについてですが、
必然性と一回性という捉え方で見事にそれを教えてくれます。
必然性とは、それをするにはこうなる、こう動くと、
つまりは当たり前の行為や流れのことをいいます。
一回性は、そのときにしかない独特だったり特徴的だったりする行為です。
たとえば、散歩をしている途中で、
家庭菜園の手入れをする人たちをみかけて挨拶をしたり、
電線に止まるカラスをみたり、往来する車をよけたり、というのは必然性ですが、
そのカラスが威嚇する鳴き声を出し、
そのカラスに挑戦するように石を投げる小学生がいて、
カラスが小学生を襲いだすところを救おうと一歩踏み出すと、
ちょうどパトカーが止まってお巡りさんが警棒でカラスを追い払うところにでくわす、
などは一回性なんだと思います、ちょっと下手くそな例ですけどね。
もっと独特で個人的でいいでしょう、一回性については。
そして、それによって小説に深みが出るようです。
本書は高校生への講義録です。
読みやすいうえに文章に滋味があり、
よみごたえと楽しさを感じる読書になるでしょう。
150ページあまりですが、推薦している本が多数あり、
本書から繋げてそれらに食指を伸ばすのもいいかもしれないです。
『ハックルベリー・フィンの冒険』がものすごく面白いらしいのと、
ロダーリの『ファンタジーの技法』はためになるらしいのとはメモしておきました。