拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

出家と退団は慎重に

2019-11-18 20:15:32 | 音楽
源氏物語の登場人物はそれにしても男女を問わずよく泣く。平安貴族ならでは?とも思ったが、いや、昭和のスポ根も負けていなかった。星飛雄馬の目からはいつも滝のように涙があふれていたっけ。あと、源氏物語の登場人物はやたらと出家をしたがる(この点は星飛雄馬は違う)。なんか辛いことがあるとすぐ出家をしようとする。だが、作者は、ちゃんとした覚悟もなくて出家をすると後で後悔してみっともないことになる、とも言っている。耳が痛い。「出家」を「(合唱団の)退団」に置き換えるとかつてA合唱団をやめた私である。いきおいでやめて、すぐ後悔して、半年で復帰した。いまだにそのことを言われる。でも、もっとみっともないのがいたぞ。いずれの御時であったか……って昭和に決まってるのだが、いちおう、人物特定を防ぐために中高大のいつだったかはふせるが(意味ない、すぐ分かる)、当時、部活動にOBの某氏が指導に来ていた。この人が蜷川幸雄みたいな人で、蜷川幸雄は怒ると灰皿を投げたと言うが、某氏は指揮棒を投げた。それに憤慨した私の同期のYとTが、ある日、練習前に、えらい鼻息で、「もう我慢がならない。今日こそは練習中にトランペットを某さんに投げつけてやめてやる」といきまいてた。私は口では「穏便に」とか言いながら、内心では、これは面白いことになった、一世一代の見物だ、とわくわくする気持ちを必死におさえて事の推移を見守っていた。ところが、YとTは、いっこうにトランペットを投げない。いつ投げるんだいつ投げるんだと思っているうちにとうとう練習が終わってしまった。どうやら事前に「やめてやる」と騒いだことでガス抜きができてしまったようだ。しかし、有言不実行、実にみっともない。それに比べれば「やめる」と言ってホントにやめた私の方がずっと誠実である(どっちもどっち)。因みに、そのYとTは教師になった。そう言えば、指揮棒を投げた某氏も教師になった。3人ともえらくご出世のご様子である。