「母なる自然のおっぱい」(池澤夏樹著)より
「川の恩恵のおかげで人は数を増し、その分だけ川遊びは次第に大袈裟になった。それは無邪気なものとは呼べなくなり、人は貧欲になって、両岸は堤防の高さを競い、田は引水の量を争うようになった。
川の水はすべて雨でしかなくなった。本当の川は失われた。その喪失感こそが、われわれが原初の川を求めて、川のはじまりと同時に人と川の交渉のはじまりを求めて、源流に向かう理由なのである」(236〜237頁)
コメント利用規約に同意する
フォロー中フォローするフォローする
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます