MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

着陸待機

2008年12月05日 | あらかると

16時少し前、空が俄かに黒い雲に覆われまもなく雷が発生し、雷鳴とともに大粒の雨が来襲した。
雷鳴が聞こえたらPC保護のため、TVアンテナ、通信回線、そして電源を切ることにしている。電源を切るとやることがないので8階から外の荒れ狂う様子を観察していた。

午前中から強風が吹いていたが、更に強まった風とともに大粒の雨で遠くの景色はかすんでいた。
そんな中を低空でしかも失速するのではないかと思われるほどの低速で通過するジャンボ旅客機を発見した。とっさにカメラを持ち出したが、撮影のセット完了したときにはすでに風雨で見えないほどの位置に飛んでいってしまった。
天候悪化による「着陸待機」の機だったのかもしれない。そんなことを思ったとき、私の「着陸待機」経験を思い出した。

当時は社内研修の責任者だったこともあり、支店研修と社長との懇親会などを目的に全国の支店を回っていた。
地方の支店開設時は、必ず都心の次長あたりを昇格させて地方に送るのだが、単身赴任が多く、早く都心に帰りたいものだからどうしても急拵えの次長を選任し、一年もたたないうちに支店長昇格の推薦をしてしまうことが多かった。

支店長以外は地元の仲間内だった状況にあった社員が、支店長になり仲間内を管理するようになると、様々な軋轢が発生する。その軋轢に耐えることができなくなると強権を発動しワンマン的になっていって孤立しまうのである。
そうなると当然支店の売り上げは落ちる。売り上げが落ちれば店長会議で強烈な発破が掛かる。当然ストレスが溜まる。

全国への支店展開が早まるとともに人材不足となり、前記のような理由で支店長の不祥事も年に一度程度発生していた。
支店長による不祥事を事前に食い止めようとして、会計処理の点検と指導、コミュニケーションツールを使ったし店内でのコミュニケーションの指導と業務の基礎知識の付与、社長との直接対話による愛社精神の向上などを目的に「支店研修」は実施されたのである。

私の「着陸待機」経験の前置きが長くなったが、体験したのは青森支店の研修に行ったときである。
まだ青森の平野部では雪が降っていなかった頃で、羽田空港から青森空港までは飛行機を使った。夕刻、定時に羽田を発ったものの、青森空港は吹雪で「着陸待機」となってしまった。津軽海峡の上空で40分近くも待たされたのである。すでに回りは暗くなっていたため、眼下の景色も楽しむことも出来ず、ただそのときが来るのを待つしかなかった。
「着陸許可」が出て機は着陸したものの強風で機体はバウンドしたようで、右主翼は地面すれすれになるほど傾いていた。
その恐怖感は今でも思い出すほどである。

写真はジャンボの次に雷雨と強風の中を飛んできたANA機。


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