今回の旅の行程は「九谷焼」が中心である。そもそも九谷焼は17世紀半ば、大聖寺川上流の山深い九谷村で焼かれた色絵磁器のことだ。だから大聖寺駅前には「古九谷發祥の地」の碑が建っている。古九谷とはこの九谷村で焼かれた九谷焼を云うのだが、そこでの焼成はわずか50年余で途絶える。その理由は謎のまま、ただ限られた数量の色絵磁器が残された。それから100年余、幻の磁器は再興され、古九谷の技術が甦るのである。
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