発見に至るいくつもの偶然や、頭骸骨のその後の数奇な運命を、ドキドキして読みあさった《北京原人》である。忘れかけていたそうした若い日のトキメキが、発掘現場に立って甦って来るようだった。ここは北京郊外・周口店の洞窟跡である。世紀の大発見の地は、さほど特色のない、乾いた集落の奥の小さな丘にあった。私は「本当に周口店に来た!」という感慨が先に立って、思わず天上を見上げた。ぽっかりと青空がのぞいていた。 . . . 本文を読む
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