秋川渓谷に出かけることになったきっかけは、「その川筋のどこかに、レストランとギャラリーを併設するとっても素敵なペンションがあるんですって!」と、彼女が聞き込んで来たからである。手がかりはその「どこか」しかなかったけれど、ようやく所在を探し当て予約を入れると「場所はボンボリです」という。「雪洞」かと思ったら「盆堀」という川のほとりだとか。多摩川の支流秋川の、そのまた支流にそんな名の川があるのだという。 . . . 本文を読む
「檜原街道」という道路標識を見かけ、檜原村に行きたくなった。東京で、島を別にすれば唯一の「村」である檜原とはどんなところか、かねがね興味があったからだ。村であるということは、人口が自治体単位では最も少ない範疇になるということで、しかも面積のほとんどを山と森が占めているのだろう。しかしそこに人々の暮らしがある以上、街は生まれるものだというのが私の持論でもある。「数馬行き」のバスに乗り込んだ。 . . . 本文を読む
立川で中央本線を青梅線に乗り換え、五つ目の駅・拝島でさらに五日市線へと乗り継ぐ。そうやって秋川渓谷へとやって来たのだが、このJRの路線をたどることは、多摩川を遡って支流の秋川の谷に入って行くそのままの道筋なのである。そして終着の武蔵五日市駅で降りる。かつては「五日市町」といったが、今は隣りの秋川市と合併して「あきる野市」である。都心から1時間少々でありながら、何やら山里の風情が濃くなっている。 . . . 本文を読む