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ディフェンダーへの思惑

2013年12月27日 | PICKUP TRUCKS & 4X4

 20世紀の前半は大英帝国が輝いた時代であった。世界の多くの領土をイギリス連邦の植民地としその勢力を誇った。しかし、その野望は今日過去のものとなり、一つの歴史として刻まれたに過ぎない。現在に生きる人間の目で過去の歴史を評価してはいけない。という視点もあり、なるべく客観性を維持しながら英国ランドローバー社の誇るワークホース、ディフェンダーの生産終了(2015年12月)のニュースからくる英国人の気持ちを探ってみた。

 

 

 Land Rover Owner International (LRO)  誌と Land Rover Monthly (LRM) 誌の二冊は世界的に販売されている英国のランドローバーの月間誌である。ランドローバーの専門誌であるというのは間違いないが、英国で4x4といえばランドローバーの事。そしてこれらの主役は勿論ディフェンダーである。

 

 

Defender Forever!

(ディフェンダーよ永遠なれ!)

LRM の編集長ディブフィリップ氏のメッセージ

 

 両誌共にディフェンダーの終了のニュースに対して悲観な感情を抱いている。

 それは、英国人の四駆愛好家達がディフェンダーという車種を心底愛していたからである。誌面を通じて感じたのはディフェンダー終了のニュースで垣間見た英国人の感情である。その感場は大きく3つあると感じている。

 まず、日本に負けてしまったという敗北感。世界の道で活躍するワークホースの車種が英国ブランドではなく、ランドクルーザーを先頭にした日本製が占める事への失望。

 そして、現在のランドローバー社はインドのタタ自動車の資本で運営しているので、嘗て植民地として支配したインド人にやられたという屈辱感。

 更に、それでもランドローバーは英国のブランドとして存在し、実際に英国で生産しているのに、英国人の4x4愛好家達の期待を無視した。ランドローバー社は期待を裏切ったという失望感。

 

 英国人の4x4に対する強い愛情は裏を返せば強い憎しみにも変わるのである。しばらくは静観と行きたい。このディフェンダー終了のニュースではっきりと分かった事は、彼ら英国人の四駆乗り達は最新のレンジローバーには興味が無いという事。その意思をランドローバーの専門誌の中ではっきりと示している。彼らはもともと電磁ローバーとは決別し、ランドローバーとは何か?というテーマで今日まで進んで来た経歴がある。その方針が誌面を賑わせ、多くの人々がそれを支えている。

 

このディフェンダー終了のニュースで伝わったのは、ローバー社の方針ではない。

 

それは、

ランドクルーザーとは何か?

という原点に立ち返るテーマである。

 

英国人達は日本に負けたと思っているが、僕は逆に英国人から学びたいと思っている。

 


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2 コメント

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時代の流れでしょうか (lcbj42vao)
2014-01-06 19:12:07
この記事を拝読し、とうとうローバーもこうなってしまったか。。。としみじみ感じます。

自動車部品やエンジンのリビルト供給の対応年数が、日本車に比べて圧倒的に長く、部品購入についても純正品と社外品とが用意され選択肢も広かったローバーが羨ましいと思ったものです。でも、その物を大切に直して使い続けるという美徳ともいえる気質が、メーカーの寿命を縮めていたということですね。 けっきょくどうしようもなくなって外資に屈した形で、伝統あるランドローバーの初期のスピリッツなど分かる筈もない異国人に渡ってしまったのですから。

自動車メーカーとしては、“古い車には冷たい” トヨタが手堅く生き残って世界を席巻しています。 新しいオーナーたちは成功した会社を手本にすることでしょう。。。

自動車、とりわけ4輪駆動車なども時代とともに、それを使うユーザーも変われば道路事情も世界規模で激変していますから、今のルール―で作られている車がけっきょくのところいちばんなのでしょう。実際、今の軽も商用車も良く出来ていますから。。。

ハイブリッド車、EV車、そして燃料電池車が標準の自動車になるのにはさほど時間はかからないでしょう。
そして、EVが“原点”となる新しい自動車社会になるのでしょうね。その中にもしかしたらランドクルーザーやランドローバーの名が残って行くかも。。。

昔堅気のジープやランドローバー、そしてランドクルーザーはもはやほぼメーカーの手を離れ、愛好者のものとなりつつあります。 “ 化石燃料 ” で動く私らが乗る古いランクルたちも、 “ 石炭 ” で動く 『SL』を見るような目で見られるのでしょう。 そう遠くない将来に。。。

ランドクルーザーの原点を守り伝えるとすれば、それは我々ユーザーです。 古いランクルのリアルユーザーがどれだけ居るかにかかっています。

自動車は、私らの価値観とはもう合わせようもないところへ行こうとしているのですよ。
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流れですね (砂漠のおじさん)
2014-01-07 15:55:26
 ここだけの話ですが、ランドローバーは近い将来行き詰まると感じています。

理由は2つあります。

1、どれもこれも高級車ばっかし。

2、現在の中古車市場の悲惨さ。

1の説明はディフェンダーが消えるとそうなるのですから説明はいらないと思います。NYダウ(株)が上昇している時はそこそこ売れるかも知れません、しかし景気が冷めると悲惨です。

2については200年代に生産されたデスカバリーの市場の値段を見れば分かります。安いです、それは故障が多いからです、また部品も修理大も安くはありません。ランドローバーが好きな人は多いのですが維持に疲れる人が私の周りに何人かいました。また2000年代のレンジローバーのオーナーは対面を気にする人が多いですね。修理しながら乗るのも、新車に乗り換え続けるのもお金がかかってしまいます。

将来一度躓いて、もう一度ランドローバーの本質を見直そうという気持ちが起こってくる事を期待しています。


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