ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

オーバーランダーがランドクルーザーに求める4つの条件

2022年05月10日 | OVERLAND VEHICLE

 今年2022年はアメリカではコロナ過回復の傾向にあり、今まで自制されていた様々なイベントが警戒心を抱きながらではあるが回復傾向にある。今年はオーバーランドイベントにおいても回復する流れとなっている。10年前は全米で一箇所だけの開催であったオーバーランドエクスポは現在アメリカの西部と東、ロッキー山脈とパスフィックウェストと開催場所が拡大した。全国的イベントがローカルイベントへと移行する流れである。年々増加してきたオーバーランド指向者に順応した自然の流れであり、急上昇してきたブームが需要を維持しながらの安定期に入るステージの時代を迎えた様に感じる。近い将来はオーバーランドというアクティビィティはキャンプやバックパッキングという野外活動の一つとしての定着時代を向かえるのではないかと感じている。

 今年4月の終わりに overlandexpo.com から届いた定期的なニュースレターに、ランクル乗りとして興味深々なタイトル、オーバーランディングに最も適したランドクルーザーはどれか?Choosing the Best Toyota Land Cruiser for Overlandingという問いかけで以下の四つの条件を挙げている。

 

1.An overland vehicle should not be so expensive that you don't want to take it out on the trail.

 トレール(悪路)に持ち込む事に躊躇するような高価な車体ではない。

2.It  should be easy to maintain-or at least have specialists nearby that know how to work on your vehicle.

 メインテナンスが容易である事。あるいは整備や修理を任せられる人が近くに存在する。

3.Replacement parts should be readily available, and

 パーツの入手が容易である。

4.There should be a significant catalog of aftermarket parts and accessories to choose from.

 社外品パーツやアクセサリーが充実している。

 

 上記の内容を頭の隅において思い浮かぶランクルのモデルは住む国や地域によって異なるはずである。上の写真はエクスペデッション7のチームが当時ベストオーバーランドビークルとして選んだ70系トゥルーピーであるが、当時の選択理由が今日も生きている。そして、これらの用件は今後も引用されれる課題として存在する。今後、オーバーランドというアクティビティが浸透した時代を迎えたとしても、ランドクルーザーに限らずこの価値観はブレないで継続して行くと見ている。

 

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メカニカル シンパシー

2021年11月18日 | OVERLAND VEHICLE

Mechanical sympathy is when you use a tool or system with an understanding of how it operates best. You don't have to be an engineer to be be a racing driver, but you do have to have Mechanical Sympathy. Jackie Stewart, racing driver.

 英国の元F-1世界チャンピオンの Jackie Stewart 氏がマシーンとドライバーとの関係で初めて口にしたと言われるのが、Mechanical Sympathey という言葉であると言われている。メカニカルシンパシーとは、機械やシステムを扱う時に、それらを最も好ましく使用する心得を得ている人の状態’である。

 メカニカルシンパシーという言葉を挙げたのは、車によるエクスペデッション、オーバーランドの領域の基本の最初の一歩が、自分の車両を知る (Know your vehicle) で’あり、その姿勢のあり方に メカニカル シンパシー という表現が用いられるからである。わかりやすく説明すると、自分の車を知るという事に対して、それは具体的にどういう事なのか分りにくい。よって、多くの人々が車に対してメカニック、エンジニアレベルの技能とか経験が求められると思い込んでいる。実はそうではなくて、自分の車を知るという事は、ずばり、自分の車に対する メカニカル シンパシー を持ち得ているという事なのである。

事を要約すると、KNOW YOUR VEHICLE ≧ MECHANICAL SYMPATHY である。

 

 自身の車を知るという事に対しての最初のステップは、自身の車のオーナーズマニュアルに深く目を通す事にある。オーナーズマニュアルの内容の知識こそがスタートであり基礎となる。よって、オーナーズマニュアルに対して繰り返し目を通す事が大切である。その次が、修理解説書(Repair Manual)。僕は HAYNES のランドクルーザー1980-1996の修理解説書を活用している。これはトヨタ自動車の協力の基に、アシスタントアドバイザーとしてカリフォルニアの Man-A-Fre Landcruiser と Jonathan Ward TLC が参加して作成された実用書である。自分の車のボンネットを開けた時に何処に何があって、どういう働きをしているのか、車体の下にジャッキを掛ける時にジャッキポイントは何処なのか、それらを理解しておく事は基礎となるインテリジェンスとなる。

 英語の Sympathy には思いやりとか同感という意味がある。機械道具に関心を持ってより良く使う為に知ろうとする努力がそれらに対する愛情である。愛の対義語は無関心だと聞いた事があるが、自分の車を愛する姿勢が自分の車を知るに繋がってくるのだと思う。

 

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四駆に金を掛けるということの理解

2021年06月06日 | OVERLAND VEHICLE

 モディフィケーションの施されたランクル80が信号で停まっていた。オーストラリアのアウトバックの写真で見かける様な仕様でバランス好くまとまっている印象を受けた。モディフィケーションを充実させるとランクルはオフロード車、という潜んでいるDNAが開花する様である。

 四駆に掛けるバジェット(予算)を考えると2つの志向が見えてくる。アメリカにおける四駆雑誌の存在が分りやすい。今から10年ちょっと前までは四駆、そしてその媒介体の雑誌といえばオフロード走行とそれに伴うモディフィケーション(カスタム)が主流であった。しかし、アメリカでオーバーランド旅行が提唱されだすと、それと平行してもう一つの志向性が確立してきた。それは、車両に金をつぎ込み過ぎるな、その金で実際に旅に出て見聞を広めたり経験したり、家族や友達といい思い出を作ろう。という精神的価値観である。そこに趣きの中心を置いたのが、オーバーランドジャーナルやアウトドアーX4等の季節誌の存在等である。

 考えてみれば四駆のモディフィケーションの機能というのは30-40年昔と比較してもそれ程大きな変化はないと感じる、また、これからも大きな変化はないと考えられる。今日、メーカーが供給する車両自体は大きく変化してきている事もあり、四駆に金を掛けるという意味が一昔とは異なってきている様に感じている。四駆に金を掛けるという意味には仕様と機会が存在するが、今日そのバランスが問われる時代になったという事は、過去10年位の四駆世界の発展とは内的世界の向上であったといえるのではないだろうか。

           

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新 4X4 世界秩序 その2

2021年01月03日 | OVERLAND VEHICLE

 

 4x4ドライビングというジェネラルな領域から、エクスペデッションという絞られた領域に焦点を合わせると四駆に対する理解が整理出来る。英国人の自動車冒険家であるトムシェパード氏と米国人のジョナサンハンソン氏の共同著書であるVEHICLE-DEPENDENT EXPEDITION GUIDE は、自動車冒険旅行における一つの教科書である。1998年に初版が世に出てから最新の2017年のエディション4.1まで6回に及んで改定され、現在に至っている。トムシェパード氏は主に北アフリカのサハラ砂漠での多数のエクスペデッションの経験を元に著書をまとめており、内容は車両の運搬から写真の収録まで多様な範囲に及んでいる。

 この書籍は英国を主とした英語圏の四駆におけるエクスペデッションの教書であるが、この教書の中に出て来ないものがある。それは、近年のレンジローバーです。最終バージョンは2017年出版なのだが、当時のレンジローバーの車両も登場していません。初代ディフェンダー、ラダーフレームのクラッシックレンジとディスカバリーは登場します。この姿勢から分る様に、近年の電子制御を搭載したレンジローバーの様なラグジャリーなSUVは、過酷なエクスペデッションの環境下では用いられないのです。今後このエクスペデッションの領域に新型ディフェンダーが用いられるかどうかは不明ですが、もしも、スポンサー等が付かない個人使用の領域で用いられる様になったとしたら、新4x4世界秩序は現実のものとなり、往来の価値観を書き換える必要性に迫られる事になります。

 今日4x4における有り方が混乱し、四駆の有るべき姿が分りにくくなっている。そういった中にあって、エクスペデッションガイドは四駆の聖域を示し、その聖域を守り、ガイドラインを示しています。3センチ以上ある本の内容を容易に書く事は出来ませんが、今後機会が有る事に紹介して行きたいと思っています。この本を一言で表現するならば、エクスペデッションガイドとは、別名、こっち側の本(笑)という事になります。

 

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新 4x4 世界秩序

2020年12月27日 | OVERLAND VEHICLE

 世界のエクスペディション、或いはオーバーランドトラベルを引率してきた署名人達は総じて、オーバーランドビークルはシンプルでなければならない、という共通の見解を持っている。英国人の自動車冒険家マック   マッケニィ氏は以前、ランドローバーの専門誌であるランドローバーマンスリーの記事の中でオーバーランドビークルについてこう述べている。Everything will evantually break and need to be easy to fix. 全ての機能は最終的には壊れる、その時に容易に直せるようでなければならない。 Keep it simple in term of vehicle choice. Do you really want to take a new Range Rover?  シンプルで維持し易い車両を選ぶ事、本当に新しいレンジローバーは必要なのか? と、自己の経験からくる主張を堂々と述べていた。

 

  MOTOR TREND が選んだ 2021 SUV OF THE YEAR は新型ランドローバーディフェンダーである。ニューディフェンダーの登場において、ランドローバー社はこのディフェンダーを持って、オーバーランドビークルはシンプルでなければならない。とする価値観の書き変えを迫っている様に感じている。それは前回ここで紹介した英国人のトムシェパードの Four-by-Four driving の著書の説明車両にニューディフェンダーが沢山登場しているからである(近年のレンジローバーは全く登場しない)。ランドローバー社のスポンサーも有っての事だが、ニューディフェンダーを前に出して、往来の価値観に対して新しい価値観を受け入れる為の突破口を開こうとする意図。或いは、ランドローバー社のラインナップが全車ラダーフレームを排除したモノコック構造と、多様な電気制御の充実機能を備えた事を正当化する意図も感じられる。

 実はこの新しい4x4に対する価値観は既に大衆には受け入れられている。それは現実を見れば分る。受け入れを拒んでいるのは4x4を愛する保守派に属する少数な人々である。そういった人々に対して往来のオーバーランドビークルはシンプルでなければならない。という価値観に対して真っ向からは否定しないで、それは分っているけど、こちらも受け入れて欲しい、理解して欲しいとする姿勢を見せているのである。最終的に4x4に対する新しい秩序が常識的に部分的にでも保守派の人々に受け入れられる事への努力の過程である。

 一番上の写真はニューヨーク郊外のあるタイヤショップでのランドローバーシリーズ3。時代が変わった現在、乗っているディフェンダーは新しくなってもシリーズ3の時代の四駆の価値観と知識は定着している。この有様をどう捉えるのかは面白い課題である。

 

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オーバーランドビークルの正義

2020年05月22日 | OVERLAND VEHICLE

 

 英語の CONQUER は日本語では征服する、という意味である。英国の登山家、故 George H.L. Mallory は1923年のニューヨークタイムズのインタビュー記事で、Why did you want to climb Mount Everest?  Because it's there. (そこに山があるから)と答えた。当時、エベレストの山頂を極めるという事は、今以上に困難を極めるチャレンジであった。実際、この山頂を極めるという行動の別の表現は、エベレストを征服する。である。

 例えば、広大な砂漠や大陸を目の前にした時に、そこを横断したいとか、一周したいと思い計画を練って四駆を駆って旅に出る。そして、困難を越えて難所を越え横断したり一廻した後に、自身の行動を振り返ってワインを片手に感嘆する表現が、征服した。である。

 人間は広大な神の創造物である大自然等を目の前にした時に、それらと関わりたい!という純粋な欲を持つ存在だ。そしてその為に、ひ弱な人間の体力と行動力の拡大のためには道具を必要とする。それが、オーバーランドビークルの存在なのである。そういった意味でオーバーランドビークルの正義とは、人間が広大な自然環境や地球上の地域を征服する為の道具であると位置付ける事が出来る。

 

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地方とメイドインアメリカ

2019年11月28日 | OVERLAND VEHICLE

 この10年におけるアメリカでのオーバーランディングの開花をビジネスの見地から述べてみると、大きな流れが2つ見える。まずは広大な自然に恵まれているこの大陸にアフリカやオーストラリアで養われてきた乗り物を活用した冒険的移動旅行が、オーバーランドという新しい名称を持って入ってきた。主にオーストラリアや南アフリカにおけるオフロードアウトフィッターのメーカーとそれに付属するアウトドア系メーカーの商機拡大である。当時のアメリカにはオーバーランドという言葉さえ普遍ではなかった。オフロードビークルの主流と言えばクローラーかバハの砂漠を滑走するピックアップであった。今日、オーバーランドという名称の定着と共にその商機拡大は成功し、アメリカというマーケットを傘下に収めたのである。

 

 それと平行してアメリカ国内でも変化が起こった。それまでコツコツと四駆のパーツを製作していた主に地方の中小工場がそれまでの技術を応用し試行錯誤しながらもこの流れに乗り衰勢を取り戻した。この流れは四駆パーツの小企業に限らず、アウトドアやキャンピング用品もこの流れに加わっている。彼らは昔から一つの確信を信奉している。それは Made in USA という誇りと自信である。それは地方経済の栄養となりトランプ大統領が謳う America Strong Again! の方向性に沿う流れを形で成している。

 この様に今日アメリカにおけるオーバーランディングビジネスは2本の草鞋を履いて歩き出し、オーバーランド文化のDNAの2本の基軸を形成するに至っている。このDNAが形を整えつつある故に最近は自動車メーカもこの流れに乗っている。その一つの例が Jeep Gladiator Overland の様に Overland という名前のグレード名での使用である。Sahara, Rubicon, Overland, の様にラングラーは四駆のトレンドをグレード名に取り入れるので有り難く分かり易いのである。

 

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エクスパートよりモディフィケーションに対するアドバイス

2019年11月20日 | OVERLAND VEHICLE

 このアメリカでは何かを始める時にまず外観から入って行く。アメリカの中学生や高校生が野球やバスケットボール、或いはサッカー等のクラブ活動に参加する意向を示すと、最初に Tryout と呼ばれるテストを受ける事になる。そのテストに望む時に野球なら野球の格好、サッカーならサッカー、バスケならバスケ、上から下までその格好で固めて臨んで評価を受ける事になる。それはこのスポーツ大国アメリカの一つの文化の形(暗黙のルール)である。もし、本人に自分がこのスポーツが本当に合うかどうか分からないので、タメシと割り切って、今手元にあるTシャツとジャージで臨むとすると、こいつはやる気が無い、とみなされ不利な評価となってしまう、或いはテストを受ける前から落される。ティーンエイジのスポーツにおいては、事を始める最初にその容姿によって本人と家族の覚悟を見せなければならない。そういう文化の中で育ったティーンエィジャー達が成長して社会に出て仕事を持ちオーバーランダーに憧れを持った時に、彼らはまず何を考えるであろうか? トラックを手に入れてモディフィケーションを施す事ではないだろうか。つまり、最初に考える事が外観である。まずはお金を掛けてモディフィケーション。そしてこの傾向はアメリカだけではなく世界を観ても同じ様な価値観が蔓延している様に感じている。

 以下のメッセージはオーバーランド エクスパート (OEX) のリーダーのアドバイスである。

 After you have driver skill, then you need to learn how to outfit a vehicle, navigate, use first aid, learn people skills situational awareness, major repair skills, and more.

Bruce Elfström/OEX Overland Exparts

  まず、ドライビングのスキルを学んでから、次にアウトフィットに手を付けよう。車に対するモディフィケーションを考慮する前に大切なのは運転技術の体得であり、その後に装備に着手する様にアドバイスを行っている。トラックにモディフィケーションを施してから運転技術を学ぶのという順番ではないという事を覚えておこう。実際にOEXが自前の練習用ビークルを揃えているのはこういったルールに基づいての体制である。

 

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オーバーランドビークルのもう一つの条件

2019年10月05日 | OVERLAND VEHICLE

 Expedition Potal の最近の一つの記事の中にオーバーランドビークルに対しての重要な示唆が記載されている。記事の内容はアメリカ、ペンシルバニアにある Main Line Overland という所がオーストラリアにある Norweld製のアルミキャノピーをタコマに装備するサービスを始めた事の紹介である。以下はその記事の一部。

At its core, this project is defined by a simple concept: you shouldn’t have to choose between owning a comfortable off-road camper and having a useful truck as a daily driver. With the right selection of parts, you can, in fact, have your cake and eat it too. Of course, this is easier said than done. Building a vehicle that can haul contractor supplies during the week, motorcycles on the weekend, and a camper for overland trips is no small task, and Main Line Overland’s team needed to throw the standard Tacoma formula out the window to make it work. After months of extensive research, they did just that, throwing the stock bed out with it. According to Tom Henwood, the eldest of the trio of brothers that run the company, “We liked the modularity the Norweld tray offered—the lockable boxes with optimal departure angles, the clip-on step and prep table, and the easy on/off bedsides and tailgate, so that when we weren’t running the camper we still had the functionality of a pickup truck.”

 オーストラリアの Norweld は過去40年に渡ってピックアップトラック用の後付けキャノピーを製作している。そして、このキャノピーには2つの目的が当初から今日まで存在している。一つはオーストラリアのアウトバックの荒野を駆け抜ける為に、そしてもう一つは日常生活と仕事の為に、である。オーバーランドビークルというのは普段は日常生活や仕事の為に活用しているが、週末や休暇期間にはリカバリーやキャンピングの装備を整えてリモートエリアに出かけて行く。そういったディュアルパーパス(二つの目的)を持ち合わせる存在なのである。

 オーバーランドビークルという名詞の響きは日常の仕事や生活でのトラックの活用よりも週末や年に数回のキャンピングを伴う使用に重点を置いた視点にスポットが当ってしまう。オーバーランダー達が憧れるのは目的を絞って製作されたキャメルトロフィーのランドローバーの様なアドベンチャー指向の存在なのである。しかし、現実的なオーバーランドビークルに対する彼等の理解は off-road camper and having a useful truck as a daily driver. であり、それは実用的な存在である。オーバーランドビークルは特化した存在ではなくて優れた日常車でもあるべきだという事である。

 

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Toyota Tacoma 4X4

2019年09月07日 | OVERLAND VEHICLE

 

 今週は仕事で北国を廻っていました。北国とはカナダとの国境のバッファローからニューイングランド地方のボストンです。多くの時間を移動の為のドライブで費やした。車窓から夏景色の緑の山々や平原を眺め、夏が終わり秋が始まる繋ぎ目の切なさを感じる時間を楽しんだ。路上を走る数々のクルマは生活の地方性や時代のトレンドそのものを進行形で表示している。数年前に比べてハイブリッドが少なくなったなぁとか、日本ブランドのクルマの比率が増えた様な気がする。などである。今回、この地方でよく目にしたのが4WDのToyota Tacoma であった。自分が四駆やピックアップが好きな事もあり客観的ではなく偏見的な要素もあるかも知れないが、最新型のTacomaを沢山見かけた。追い越し車線を走りぬけて行くTacomaを横目で追いながら、高い視線、見切りの良いフロントエンド、そして長いホィールベースから、これはオフロード機能を備えたグランツーリスモ (GT Car) である。そして、そこには機能美が備わっているのだと感じられた。アメリカにおける現在のオーバーランドビークルとして高い評価を得ているだけのことはあるなぁと改めて感じた機会であった。

 

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タイヤの基礎知識、ラジアルタイヤとバイアスタイヤ

2019年05月10日 | OVERLAND VEHICLE

 アフリカやオーストラリアの荒野を走るランドローバーやランドクルーザーの殆んどは細めのバイアスタイヤ(BIAS-PLY)を履いている。そう語るのは Jonathan Hanson 氏である。オフロードタイヤの知識と言えばトレッドパターンであるマッドタレーン(M/T)、オールタレーン(A/T)であるが、それはらは外部構造である。そして、タイヤの内部にカーカスという繊維があり、その配列の有り方によってラジアルタイヤとバイアスタイヤが存在する。それが内部構造である。タイヤにおいての基礎知識はこの内部、外部の構造を共に理解しておく必要があるにも関わらず、あなたのランドクルーザーが履いているタイヤは RADIAL ですか?BIAS-PLY ですか?と尋ねられると、えーと、何でしたっけ?という有り様である(僕の事)。

 構造の違いの理解は、こちら、日本Goodyear さんの説明が分かり易いです。

 

Jonathan Hanson 氏の駆るFJ40のタイヤ

 タイヤとホィールに対して、Think Conservatively (保守的思考) の思想を置くことを薦めているのがHanson氏である。オーバーランドビークルは他のオフロードビークルに比べて保守的でいい。そして、タイヤの重量やパターンの路面抵抗などが経済的であるか? という問いも大切であると言っている。オーバーランドビークルに対してはバイアスタイヤを薦めている。Hanson 氏はオーバーランドビークルのタイヤがオールタレーンかマッドタレーンか? 或いは、どのブランドなのか? という外的な選択以上に、その内部構造がラジアルかバイアスか? とういう選択の知識を持つ事の重要性を強調しているのである。

 

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J.H's FJ40は語る

2019年05月05日 | OVERLAND VEHICLE

 僕自身がオーバーランダーのメンターとして尊敬している Jonathan Hanson 氏が愛用しているのは1973年型のランドクルーザーFJ40である。彼自身が西部乾燥地帯のアリゾナ州の住人という事もあり彼の愛車のFJ40は錆も無く美しく保たれている。しかし、それだけではない。ハンソン氏のFJ40には彼の思想が反映されており、このFJ40は(変化は継続しているが)彼の思想の実体なのである。1978年に2万マイルを刻んだ5年落ちのFJ40を当時$3500ドルで手に入れてから、保有期間は40年を過ぎている。その間彼自身もトライアンドエラーや暗中模索の過程を得て現在の仕様となっている。ハンソン氏がFJ40を保有し続けるのはそこにオーバーランドビークルとしてランドクルーザーの持つ耐久性や信頼性は勿論、アメリカの中西部やメキシコの砂漠地帯においての活用に利があるからだと観て間違いがない。

 最近のWheels Afield誌に投稿している彼の記事に、アウトバックに持参するスペアパーツと工具というメモ書きがある。スペアパーツのリストを見ると、ファンベルト、ヒューズ、一本のエンジンオイル、ラジエター水、ワイパーの換え、バッテリーケーブル、である。更に、携帯する工具を見ると、ソケットレンチのセット、スクリュードライバー、プライヤー、ペンチ、パンチ棒、ワイヤーストリッパー、電気ナイフ。弓のこ、ハンマー、テスター、等である。これらはベーシックツールである。ハンソン氏の40のスペックは1973年のままではない。エンジンはオーバーホールされたノーマルであるが、デスクブレーキ、コンプレッサー、ハロゲンライト、水タンク、バンパー、ロールゲージ、セキュリティボックス、モダンヒューズシステム等、が40年の使用の中でアップグレードされている。つまり様々な状況を想定した設定のFJ40であるが故にスペア部品もツールも最低限で済む手入れと仕様となっている。

 ハンソン氏はランドクルーザーの持つ信頼性をただメーカーが提供した信頼性のみについてのみ語っているのではなくて、自らが望む仕様のランドクルーザーに仕上げる事が出来るポテンシャルに対しても信頼性を置いているのである。性能の良い快適な四駆が沢山存在したが、それでもなおFJ40に乗り続ける我がメンターの姿勢は実用的なオフロードビークルはこうあるべきだという実態を見せている。

 

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トムシェパードがGワーゲンの後に手に入れた車両

2019年02月22日 | OVERLAND VEHICLE

 2012年秋の Jonathan Hanson 氏の報告によるとシェパード氏は G ワーゲンを手放して Jeep Wrangler に乗り換えた。4ドアのリミテッド (LWB) ではなくて2ドア (SWB) 、エンジンはアメリカでは販売されていない4気筒のターボディーゼルエンジンでオートマチックである。シェパード氏はこのラングラーでアルジェリア等のサハラを一人で旅をする為に後部座席のシートは勿論、助手席のシートも外して車内で足を伸ばして眠る為のスペースを確保している。2ドアラングラーを選んだのは氏の根底思考にあるオーバーランドビークルは軽さが命という課題に応える選択であったのであろうと理解している。

 それにしても、シェパード氏がラングラーを選んだのは不可解ではある。サハラ砂漠、アフリカの僻地においてはトヨタのランドクルーザーやハイラックスが移動の為に最も多く活用されている車両である。アフリカ大陸で走っている4WDの70%はランドクルーザーであり、信頼性と部品の供給性が他の車両に比べて高い事はよく知られているにも関わらず氏はなぜランドクルーザーを選ばなかったのであろうか? 彼は英国人であり自国の象徴的アイコンでもあるディフェンダー系は現在も沢山アフリカ大陸で活用されている実績があるのに、氏はなぜディフェンダーを選ばなかったのだろうか? それは、シェパード氏のキャラクターが他人と同じ事をやるのは面白くない!と表現している様にも感じる。おそらくシェパード氏はランクルもディフェンダーも考慮したであろうが、最終的には彼のロージックではなくてインスパィヤーがラングラーを選択したのではないかと思っている。(スポンサーが付いていなければの話ではあるが...)それは、ひょっとして彼の少年時代の記憶にあった The Rat Patrol が甦ったのかも知れない。それらは全て僕自身の妄想に過ぎない。

 シェパード氏がなぜSWBジープラングラーを選んだのか?という問いは、我々がオーバーランドビークルを選び考える時の問い掛けになる遺産となったのである。

 

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トムシェパードがサハラ砂漠で使っていた車両

2019年02月21日 | OVERLAND VEHICLE

 Tom Sheppard 氏とは、僕が尊敬している Jonathan Hanson 氏が自身のメンターと呼ぶ存在である。彼はインド生まれの英国人で現在は英国に住在。彼は50年以上の長い期間に及んで北アフリカのサハラ砂漠を中心にオーバーランド旅行を重ね、それらの体験や、そこから得られたアドバイス等を幾つかの書籍に残している。Overland Journal による彼の紹介は以下である。

 

Tom Sheppard

Tom Sheppard Tom’s overlanding experienc spans over 50 years and 110,000 miles, including three UK–Gulf journeys (one through pre-tarmac Saudi Arabia), off-tracks exploration in Northern Africa, and the first-ever lateral crossing and continuous gravity survey of the Sahara from the Atlantic to the Red Sea, for which he gained the Royal Geographical Society’s Ness Award. Tom is, as he puts it, “CEO, MD, author, photographer, designer, and postal clerk” at Desert Winds Publishing in the UK, from which have emerged the Vehicle-dependent Expedition Guide, Four-by-four Driving, The Nobility of Wilderness, and Quiet, for a Tuesday— the story of his 16th foray into the remotest regions of the Algerian Sahara.

 

 

 サハラ砂漠を何度もオーバーランディングする為にトムシェパード氏が使用していた車両とはいったいどういった車なのであろうか?それは大変興味のある関心事である。何故ならばリアルアドベンチャーが実用で使う車両であるからだ。それは Mercdes-Bentz Gelandwagen であった。

 

Mercedese-Benz G type 463 Commercial

 メルセデスのGワゴンと聞くと高級車を想像するかも知れないが、実は英国内で2001年から発売された Type463の商用車である。ディーゼルターボで5気筒と6気筒が存在したがどちらが使用されていたかは不明、おそらく、軽さを重視するシェパード氏は5気筒を使っていたのではないかと思われる。写真で見る限りベースはノーマル車である。見れば分かるがウインチバンパー、ウインチも無い、ルーフラック、ルーフテントも無い。室内にはGPSが装備されアイスボックスが並んでいるが、シンプルな商業ワゴンである事が理解出来よう。こう見るとシェパード氏はアンチテクノロジー思考者なのかと理解されそうだが、2009年にオーバーランドジャーナルの編集長のScott Brady 氏がロンドン郊外のシェパード宅を訪れた時に彼の書斎で見たものは複数のマックコンピューターやシステムであり、シェパード氏はテクノロジーの活用を好む人物である事を実感している。サハラという過酷な条件下でオーバーランドの旅に何度も使用された車両は我々がオーバーランドビークルと称し、その具体的な存在を示す一台の実態車としての見本となる存在である。

 

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Soft Shackle

2018年11月30日 | OVERLAND VEHICLE

 Outdoor X4 の28号においてコラムニストの Jonathan Hanson 氏が指摘しているのは近年普及してきたリカバリーギアの一つである Soft Shackle の使用についてである。ウィンチ用のワイヤーにおいて科学繊維の Synthetic winch line が金属ワイヤーを凌駕してきたのはその軽さと強度、更に扱い易さであるが、その Synthetic wire を応用して誕生したのがソフトシャックルの存在である。鉄のシャックルに比べて強度的に問題がないとするならば扱い易さと軽さ故に普及において今後後戻りする事は無い。シャックルには大きな負荷が掛かり使用を間違えると危険を伴う道具である事を知って置く事。では、どういう使用が間違った使用なのであろうか? それは、ソフトシャックルは金属の鋭角との相性が極めて悪いという事である。ソフトシャックルにカバーが付いているから大丈夫だとか、使ってみて大丈夫だったからOKだとかの説明も存在している。では、カバーの下の繊維が付加によって傷付いていたら、前回は大丈夫だったかも知れないが次回は大丈夫? また多くのウインチバンパーのフックポイントは金属性のシャックルを使用する事を前提にデザインされている。ソフトシャックルは鉄のシャックルに完全に置き変わる存在ではまだないという事を理解して使用する事が大切である。

 

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